ピルグリムてつのライブ観戦記録
広島Badlandsライブイベント

2004/02/27 (Friday)
(絶対無ライブ観戦レポート + あるふぁー)
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昨年の暮れに私がレヴュー致しました和風ロックバンドの絶対無のライブに行ってまいりました。
「絶対無ってどんなバンドなんだろう?」、「いったいどんな人達なの?」と思われる方は、僕が書いたレヴューページを参照していただきたいと思います。CDでも独特のサウンドを日本的な音世界のフィルターを通し、プログレ色やオルタナ色を出す独特の楽曲を武器に持つ彼らのライブが楽しみでありました。さて、それではさっそく下の記事にGo Go Go!!

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1. 広島に向けて出発: Departure
2. 広島BADLANDSに到着: Arrival
3. ライブレポート: Live Report@Hiroshima Badlands (Anyway, 絶対無, オルカ団)
4. おまけ&こぼれ話: Extras..


1. 広島に向けて出発(2月27日:午後6時40分ごろ)
今日は仕事を早めに切り上げて、一旦自宅に戻り車で広島BADLANDSに向けて出発。夕方のトラフィック・ジャムに巻き込まれるかと思われたが、道路の状況も悪くはなく目的地まで意外とスムーズにスイスイと行く事ができた。だけど、さすがに家からは結構な距離があって、広島に大体午後7時38分ぐらいにライブハウス近くにある駐車場に到着。絶対無のライブがまだ始まっていない事を切に祈りつつ会場入りいたしました。
2. 広島BADLANDS到着
広島BADLANDSというライブ会場は、どんなスタイルのバンドや音楽性にも対応した素晴らしい音環境を提供している場所だと僕は思う。ここの会場では、これまでにメタル系や、ハードロック系、フュージョン系、ジャズ系、ポップロック系と観てきたが今回はどんな感じになるのだろうか?と期待を胸に秘めチケットを購入し・・ようと・・・・・・ん?、あれ?・・・なんかチケット売り場のお兄ちゃんに聞いて見ると2階の事務所でチケットをゲットしてくださいとのこと・・・・。あれ、当日券って事務所で購入するシステムだったけ?と不思議に思う。こういうケースは、僕自身は初めて。で、エレベーターで2階に到着後、事務所に入る。事務所のスタッフさんに尋ねてみると「絶対無」はこの後に出ますよとのことで、胸をなでおろす。その刹那・・ロングヘアーの女性な方が「ひょっとしてTetsuさん?」と声をかけてきたので、「はい、そうです・・・あ、もしかして(ベースの)メイさん?」。偶然にもMayさんと遭遇できてホッとしました。少し挨拶をかわした後でチケットを握って会場に入りました。
3. Live Report
Anyway
(Pop Rock)
会場入りが遅かったので、1番手のバンドの演奏は終了しており、既にAnywayという3人組バンドが演奏をしておりました。MCや会話の様子から、ローカルの皆さんかな?という印象でした。音楽的には、割とポップなロック音楽をやっておりました。キーボーディストの人がYAMAHAのMotifを使って打ち込んでいるであろうドラミングやベースでリズムセクションを補いながら、シンセをやっておりました。ギターの人も時には、ソロを弾きながらギターでリズムを刻むスタイル。その2人に囲まれるような感じで、シンガーが歌やMC披露しておりました。インディーズで頑張ってみる皆さんという様子で、次のアルバムに向けても頑張りたいという抱負を語っておりました。MC自体は、少し内輪向けの内容なのかチョット意味不明な部分がありましたな。個人的にはキーボード1台だけで、いろいろリズムセクション面でも補える力があるんだなーとシンセや機材の発展ぶりを、新たに認識しました。ひょっとしたらベースやドラムの専任メンバーが増えたら、幅が広がるのではなかろうかと思った。シンガーの方の歌スタイルは、割とポップス的というか今風のラップ的な歌も取り入れたりという感じの内容でした。あまりこういうタイプの音楽に触れることがないのですが、全く自分が触れないようなタイプを生で観れるというのも、このBadlands特有の現象といえるでしょう。
絶対無
(和風Rock/Prog/Alternative)
Anywayの演奏の後、ビデオスクリーンが降り。しばらく機材の搬入・搬出作業が始まった。ビデオ・スクリーンには、現代的なグラフィックデザインが施された動画の中に白く「絶対無(東京)」の文字が映し出されている。「おおー遂に登場かー!」とワクワクしながら、ステージ近くのエリアを陣取る。後ろの方で、「次のバンドの絶対無は・・・東京の・・・ゴニョゴニョ・・・プログレ・・・ごにょごにょ・・・」と話声が聞こえてくる。おそらくフライヤーの情報を読んで、次に登場する絶対無について会話をしている様子だ。ステージ脇の方からベースのMayさんとギターの古江さんに軽く挨拶をして、私は右手親指サムアップ状態。

・・・機材やミュージシャンのスタンバイが完了し、暗転。スクリーンがゆっくり上がると、そこに絶対無のメンバーが全員スタンバイ。わずかな静寂の後で、演奏が始まった。不思議な雰囲気とライティングなどの効果による荘厳なムードが立ち込めていた。今まで周りに散らばっていた人達も次第にステージ前方に注目し始め、中には前方に数名ほど移動。絶対無のムードが観衆を吸引しているかのようである。「おや、これは新曲なのだろうか?」。CDで聴いた事がない、濃密なインストが序盤から展開されていて自分の好みのスタイルだ。豊岡氏が奏でるシンセから醸し出されるサウンドを軸に、次第にプログレ特有の幻惑的なサウンドが空間を支配していく。特に松橋氏によるドラミングとシンバルワークから圧倒的なパワーとエナジーが放出されている。なんというのだろうか、まるでPink Floyd〜The Flower Kingsなどを彷彿させるかのようなアンサンブルが見事だ。この序盤のインストパートを見た(聴いた)だけでも、この絶対無が持っている強固なアンサンブルを味わう事ができると思う。

そして、約数分ほどに渡って行われた序盤のプログレッシヴなインストが完結に達した時点で、間髪入れずに「夜明けのプロローグ」が始まる。CDと同様に和風短音階フレーズとシンフォなサウンドがブレンドされている。そしてこの曲で初めてシンガーの要子さんによる透き通った歌声が会場に広がっていく。次の曲もCD「What Can I Do?」と同じ流れでClass Vに移行していく。歌詞の内容は、精神的なものに関わる深刻な様子を英詩で歌っている。しかし、全体的なボーカルメロディーや楽曲自体はグルーブを大事にした躍動感溢れる親しみやすい内容。この曲ではCD以上にMayさんのベースラインがストレートに伝わり、グルーブの要を握っているのは彼女であったと思う。このバンドを生で観て圧倒されたのは、松橋氏のドラミングでパワフルなリズムを叩き出しながらも、シンバルを絡めながら繊細なムードを構築するなどベテランとしての実力者振りを発揮していた。このClass Vでの古江さんのギタープレーも面白くて、ギターのカッティングやギターソロの取り方も面白く映画Pulp Fictionのサントラ、King Crimson、The Cureなどを彷彿させるなんとも不思議なフレージングが絶妙でありました。演奏面はどれをとっても彼らならではの味わいがハッキリと色濃く出ていて面白い。曲が完結すると、暫しの沈黙の空間が流れるも拍手が起こる。僕を含めて広島BADLANDSのオーディエンスが次第に彼らの音楽空間に酔いしれていることを窺える。

ここで一呼吸を置いて、要子さんのアナウンスメントやMCが入る。どうやらauの携帯電話を使っている人は、着メロで絶対無の曲をダウンロードできるということだそうです。その後振幅の大きくメロディーの動きが印象的な「What Can I Do」と続いていきます。特にこの曲は、要子のボーカルやメロディーラインがとても情感が込められており、全体的に大変エモーショナルでありました。その後、和風ビートに乗って軽快な流れを持つ「硝子のフウセン」で空気は一転。民謡サウンドが、親しみやすいグルーブで聴いていて心地よい。懐かしい気持ちにさせてくれる効果をもたらしてくれます。続いて、要子さんのアナウンスの後に大作「物憂い朝」が始まる。曲全体に貫かれているピアノやキーボードによる調べが美しく、いろんな要素や側面を持ったドラマティックな楽曲であるなーとこの曲でも認識を新たにさせられます。この曲でもやはりPink FloydやAnathemaに通じるものがありました。要子さんの歌もこの曲では色んな表情を見せておりましたし、体全体を使い全身全霊を傾けてパフォーマンスをしているかのようでありました。ゆったりとではありますが、いろんな流れや表情を持ったり展開があるので演奏をするのは中々難しい楽曲であったと思われるが、絶対無はライブで見事にこの曲の魅力を出し切っていたと思う。

ラストナンバーは、「右往左往」でした。この曲もClass V同様、イントロからとても印象的なフレージングをもっております。ある意味悲壮感と繊細的なメロディーが印象的な楽曲でした。広島でライブを行うのが今回初めてだったという彼ら絶対無。しかし、昨年から始まったツアーを通しとても良質な演奏と歌を提示してくれていたと思う。対バン形式ということで、時間的にも制限されていましたが、そういう状況下の中で最大限の魅力を引き出す実力を発揮していたのは大きく評価したいと思う。CDでは耳をよーくすまさないと聞き逃すようなポイントが、ダイレクトに伝わるというのがライブでの醍醐味であると思います。その醍醐味をライブというシチュエーションで出す力を持った絶対無に今後も期待していきたいと思う。彼らの終わった後の余韻は力強く残りました。ライブの後に、バンドの皆さんと会話ができました。感謝です(^-^)。


(ま、この辺りの文章からは、思いっきり余談モード全快ですが、ステージを降りてきた要子さんと会話をしばしいたしました。不思議なことに、この日は絶対無以外のバンドがマーチャンダイズやCDを売っていませんでしたね。テーブルの上にT-shirtや配布CD、絶対無のオフィシャルCDなどを並べて用意している様子が印象的でした。要子さんの隣に座って、マーチャンダイズを売る人の視点になってテーブルを見たり観客の様子を見たりすることは、今までなかったので不思議な体験ができました。・・・・そうこうしているうちに今夜最後のバンドがステージに現われました)
オルカ団
(Hard Prog/Crossover/Hard Fusion)
正直言ってこのオルカ団には序盤から圧倒されました。リハーサルを見ていた要子さんが仰っていたのがよく分かるほど、このバンドが放つ演奏のパワーと技巧的なレベルが凄まじく感動いたしました。中近東やアフリカなどのワールドミュージックを非常に高いレベルでプログレハード的な音楽に取り込まれており、変拍子も部分的に取り込んでおり非常に完成度の高い音楽が展開されておりました。なんていったらいいのでしょうか、Pain of Salvationと久保田早紀の「異邦人」とワールドミュージックをミキサーにかけてブレンドしたかのようなインパクトの強さでした。さらに驚きだったのは、このバンドが広島界隈を中心に活動をしている音楽教師を何人か含む集団だったのです。特にオルカ団の中心メンバーである、梶山シュウ氏は技巧的かつファンク色からプログレ色のあるベースプレーを得意としながら熱い歌声を持った才能が魅力的でした。そして、キーボーディストの女性の方も、テクニカルにリズムを刻むキーボードワークでした。女性ドラマーの方も、テンポチェンジやリズム的に興味深い技を繰り出しておりました。特にハイライトだったのは、楽曲のタイトルを忘れましたがLemur VoiceのSolilocideを彷彿させる中近東イスラム世界を色濃く出した梶山氏とキーボードの女性とのパッショネイトなリードボーカルのかけあいが、なにか厳粛にさせる圧倒的なエナジーを放出しておりました。いやー本当にこのバンド凄いです。恥ずかしながら、正直彼らの音楽に出会うまで広島の音楽シーンにあまり感心がなかったのですが、彼らオルカ団関連を中心に広島のシーンにも注目したいと思わせるものがありました。
おまけ&こぼれ話
いやー本当にこの日のライブ見に行く事ができて良かったです。2月に入って、この日に仕事入れられちゃってたので焦りまくりました。しかし、これを逃すと後悔してしまいそうだったので無理やり変わりの人にお願いしてライブ見ること出来ました。最初に出たバンドは見れませんでしたが、絶対無・オルカ団の皆さんによる渾身のライブ演奏楽しみました。ライブ後は、絶対無の古江さんや松橋さん達とついに対面しお話を窺うことができました。残念ながらキーボーディストの豊岡さんは気分がすぐれないということで先にホテルに戻られました。メイさんは、この少し前にご親戚の方とお会いするということで会場を先にされました。ということで古江さん、要子さん、松橋さん、そして絶対無の車のドライバーの方たちなど約10数名の皆様と共に近くのお好み焼き屋さんで食事をしました。ワイワイといろんな会話ができて、とても素晴らしいひと時を過ごす事ができました。絶対無の皆さんは、本当にフレンドリーで話が楽しかったです。いやーメンバーの皆さんと家族のように触れ合うことができたことを感謝です。素敵な時間を共有できて乾杯です(^o^)/

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