ANGRA
country: Brazil
website: http://www.angra.net/
style/genre: Melodic Metal, Power Metal, Epic Metal, etc.
related bands/artists: Andre Matos (Viper/Shaman/Virgo/Looking-Glass-Self), Kiko Loureiro, Freakeys, etc.
similar bands/artists: Helloween, Wuthering Heights, Blind Guardian, Heaven's Gate, etc.
artist info: 1991年にブラジルで結成されたラテン・フレーバーや独特の世界観を持つメロディック・メタル



Angra - Angels Cry
Limb Music
(1993)

ブラジルを代表するHR/HM系バンドとして既に確固たるステータスを築いたAngra。彼等にとって記念すべき1stアルバムが、このAngels Cryです。様々なメロディアス・パワーメタル系バンドが世界中に群雄割拠していますが、Angraほど自分達のアイデンティティーや個性を主張しているグループは、そう多くないのかもしれません。正統派Heavy Metalバンドの場合、ヨーロッパ出身のJudas Priest, Iron Maiden, Helloweenなどのバンドをお手本にして、自分達のオリジナリティを構築していくバンドが殆どでありましょう。

Angraの場合も、そういった先輩格のバンドだけでなく、HelloweenGamma Rayなどの音楽性からヒントを得て、自分達の音楽性を確立していったと思います。やはり注目は、Andre Matos (vocals)の存在だといえます。元々Viperでの活動で知られていたAndreが参加しているバンドということで、特にここ日本ではジャーマン・メタル系のファンを中心に期待を集めていたように思います。蓋を開けてみると、Viperにも通じるかのようなクラシカル音楽からヒントを得たドラマティックな要素を含んでいるという評判でした。そしてジャーマン・メタル勢に通じるような、疾走感が漲ったメロディアスなメタルサウンドが展開されています。

彼等の場合は、キーボードやプログラミングなどを使ったオーケストレーションも上手く導入しており、現在で言うSymphonic Metalサウンドを形成・確立させた代表格という風に捉えることもできると思います。メロディック・メタルファンにとっては、大変重要な存在のバンドといっても過言ではないと思う。このAngels CryHoly Landアルバムは、RhapsodyWuthering Heightsなど後続の欧州的なメロディック・パワーメタル勢に与えた影響は、かなり大きいように感じます。一方で、ブラジリアンなリズムやラテン・フレーバーも早くから、このデビューアルバムで少しづつ顔を出しています。特に日本では、Angraは、スピード感とエピックでシンフォニックな要素を兼ね備えたバンドとして、現在も人気が高いバンドであります。そういう人気の高い要素が、このアルバムでは多くフィーチャーされております。

楽曲によってはスピーディーな展開のみならず、90年代のプログレメタル系サウンドにも通じるタイプの楽曲も見られたりと、幅広い音楽をここで開花させています。やはり圧巻は、Kiko LoureiroRafael Bittencourtの二人によるツイン・リー ドが流麗ですし、テクニカルなギター奏法を楽しめます。ベーシストやリズム隊も、大変ソリッドで緩急を自由自在に操れるところも魅力的であります。ベーシストのLuis Mariuttiもテクニシャンぶりを発揮していますね。ちなみに、このアルバムでは、ドラムをほほ全編叩いているのは、あのSieges EvenのドラマーAlex Holtzworthというところで、個人的にはポイント高しと言いたいです(余談でありますが、こういった仕事の関わりがLooking-Glass-Selfに通じる出来事だったのかなあ?・・・なんて思ったりします)。エンジニアリングや裏方的な仕事をしている人たちやゲスト陣もドイツのミュージシャン繋がりということが伺えます。

もう少しボトム・エンドと低音域が強調されているプロダクションだと嬉しかったです。全体的に眺めてみると、メロディック・パワーメタルの至宝とされる彼等の実力が、この1stアルバムで開花しているのは流石であります。 このアルバムを機に、次第に彼らは日本のみならず、欧州エリアでも高い人気を得ることになります。彼らの意気込みと情熱を、このアルバム「Angels Cry」 で感じていただきたい。(購入盤Review)


Angra - Holy Land
Limb Music
(1995)

Angels Cry」で鮮烈なデビューを飾ったAngraにとって、確固たるステータスを築くことに成功した2枚目のアルバムです。Angraというと、ジャーマン的なパワーメタルに、クラシカルなアレンジメントを導入させた内容を想起する方が多いと思います。ところが、この作品においては、そういった枠に収まりきらないスタイルを確立することに大成功しています。既に前作においても、少なからずブラジルやラテン・アメリカの民族音楽の要素が登場していました。しかし、今回の作品では、それらの要素を大胆にとりあげており、見事にメロディック・パワーメタルなサウンドに溶け込ませています。こういったアプローチの仕方は、大変面白いですね。ブラジルやラテン・アメリカ独特のフレーバーをMelodic Metal的なサウンドに導入させるのは、決して簡単なことではなかったと思います。アグレッシブでスラッシーな方向性を持ったSepulturaも同じブラジル出身ということで、南米的なサウンドを導入したモダンメタルを展開していました。ところが、Angraの場合は、全く異なるアプローチを取っています。ラテンの要素やリズミカルな部分を親しみやすく、且つドラマティックなメタル的サウンドで纏めたところを大きく評価したいと思います。勿論、疾走感を大事にした楽曲は目白押しですし、メタルバンドが本来持っているパワーも大事にしています。やはり前作同様で、どちらかというと低音域や極端なアグレッシヴ性を強調しているサウンドでは無いので、その点物足りなさを感じるリスナーもいるかもしれません。しかし、このアルバムで展開されている世界観は、誰かに似ているというところを超えて、南米出身のAngraだからこそ構築できたメロディアス且つキャッチーなサウンドだと思うのです。個人的には、このアルバムで展開されている楽曲の一つ一つが面白いと感じさせます。欧州的なメロディアス・パワーメタルバンドが好きな人には、圧倒的に前作の「Angels Cry」や「Rebirth」などのアルバムの方がアピールが高いでしょう。しかし、様々な要素が含まれている、バラエティ豊かな内容と面白いリズムアプローチなどを好むリスナーにとって、きっと「Holy Land」の方が、アピール度が高いのではないかと感じます。僕の場合は、このHoly LandFireworksが特にAngraのディスコグラフィーの中では好きだったりします。音楽性というか方向性は、全く違うかもしれませんが、Kansasの"Point of Know Return"やAvalonの「Eurasia」辺りの音楽から感じられる高揚感と似たようなものを味わいたい人には、ぜひお薦めしたいアルバムです。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

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