ARCH, JOHN
country: U.S.A.
style/genre: Prog Metal
website: http://www.fateswarning.com/
related artists/bands: Fates Warning, O.S.I., Dream Theater, etc.
similar bands/artists: Fates Warning, O.S.I., Kansas, etc.
artist info: Fates Warningの初代ボーカリスト。強烈なアイデンティティーのある歌唱を武器に、復活の兆しを見せている。



John Arch - A Twist of Fate
Metal Blade
(2003)

Prog Metalを探求していると、必ず目にするバンドやミュージシャンがいます。この人John Archも、そんな一人ではではないでしょうか。80年代の初期から、Prog Metalを熱心に応援している人達にとっては、John Archの名前を聞くと懐かしさと感動が甦ってくるのではないでしょうか。「で、そもそもJohn Archって誰?」って思われるかもしれませんね。Fates Warningの熱心なファン、特に初期のFWマニアにとってAwaken The Guardianを始めとするJohn Archが参加している作品群は、Prog Metalが後に隆盛をする上で重要な試金石になったと考えられております(え、もしかして、そう思っているの俺だけってことないですよね?)。

初期のFates Warningは、Iron Maiden的な影響下にありながらも、独特の世界観と幽玄なProg Metalサウンドが展開されておりました。演奏も濃密なProgressive HMでありましたが、その中でも誰にも真似ができない歌声を披露していたのがJohn Archその人でありました。Bruce Dickensonに通じるものがあると評している人もいます。ですが、この人独特の抑揚と、こぶし、そして歌いまわしは非常にオリジナリティが高いと自分は思います。どちらかというと、Psychotic Waltz/Dead Soul TribeBuddy Lackey (現Devon Graves)やSpiral Architect/Manitouのシンガー、Oyvindなどのフレージングに限りなく近いものがあります・・・というか、そもそも彼らはJohn Archの歌いまわしにも影響を受けているのではないでしょうか。とにかく、この人の歌いまわしは凄いです。グイグイと、違う世界に誘われるかのようです。その後、Fates Warningを脱退したJohnは一時期、プログレメタル界の帝王Dream Theaterのボーカル・オーディションにも参加した経緯を持っております。

そして長い月日は流れたものの、Prog Metalメイニア達が望んでいたJohn ArchA Twist of Fateをひっさげて見事復活しました。2003年にリリースされたProg Metal作品の中でも、非常にインパクトが高い内容となっております。O.S.I.Dream TheaterのメンバーとFates Warningのメンバーがコラボレーションをしましたが、それと似たような形で楽しめる秀作です。Dream TheaterのMike Portnoyが参加していることも魅力のひとつです。この作品では、プロデューサー兼ギターリストとして参加しているFates WarningのJim Matheosの影響によりFates Warning色が濃い傾向にあると思います。
しかしながら、このアルバムは、Dream Theater的なスタイルが好きな人にも、楽しめる要素が随所に出てきますよ。Fates Warningは、あんまり得意でないんだけど・・・と思っているリスナーにとっては、予想以上に新鮮に聞こえるのではないかと思っております。

A Twist of Fateアルバムの場合、楽曲が持つ吸引力が半端でなく強烈で凄いです。実はこの作品、2曲しか収録されておりません。2曲あわせて30分近くあります。1曲目は、Fates Warning + O.S.I.的な風情があります。やはりこの曲では、何が凄いかというとブランクが長かったにも関わらず、凄くオリジナリティ溢れる歌声を持つJohn Archその人でしょう。1曲目Relentlessのテンションの高さと吸引力は、強烈無比です。特に序盤から中盤のボーカル・パフォーマンスは、圧倒的です。彼の歌を中心に、次第に演奏もウネリをあげ、エナジェティックです。強いて比較するならば、Fates WarningのDisconnectedアルバムをJohn Archが代わりに歌っているという風情かな。ひつこいですが、とにかく歌が凄いです。特に1曲目は、もう限りなくテンションが急上昇していく感じで見事という言うしかございません。「やっぱり、John Arch、流石はJohn Arch、すごいよJohn Arch!!」。この人は、とてつもないシンガーだと認識を新たに致しましたね。

そして2曲目Cheyenneは、Fates Warning + Kansasといってもいいぐらいヴァイオリンのプレーも要所で配されて独特の色合いを出しています。2曲目は、KansasのMonolithアルバムに近い気配すら感じさせます。Psychotic WaltzのBuddy Lackeyや、Pain of SalvationDaniel Gildenlowなどのように、グイグイと歌が楽曲を引っ張っていくタイプが好きな人には、John ArchA Twist of Fate楽しんでいただけると思います。何回も聴いて、味わってもらいたい作品です(^-^)
(購入盤Review)


PILGRIM WORLD推薦盤

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