AVALON
country: Germany and Sri-Lanka
style/genre: Melodic Metal, Prog Metal, etc.
website: http://www.omegarecords.de/avalon/
related bands/artists: Firewind, Ivanhoe, Faro, Red Circuit, Court Jester, etc.
similar bands/artists: House of Spirits, Vanden Plas, Conception, Athena, Ivanhoe, Centaur, etc.
artist info: スリランカ出身のシンガーを含む、ドイツ出身Melodic Metal/Prog Metalバンド。2003年をもって解散予定。



Avalon - Vision Eden
Omega Records
(1998)

ドイツ南部の都市ミュンヘンを中心に活動をしていたMelodic Prog Metal系グループによる通産3枚目のアルバム。バンドは、Many Sturner (vo)、Sebastian Eder (gt)、Petra Hasselkuss (bs)、Jens Kuckelkorn (kb)、そしてPeter Kei (dr)の5人により結成。この作品から、リードボーカリストはスリランカ出身の実力派シンガーのChitral Somapalaに交代しています。Avalonの場合は、根幹はドイツ出身のHR/HM系要素が強いMelodic Metalタイプのグループと見た方が良いかもしれません。テクニカルなパッセージやテンポを繰り出す部分、じっくりとドラマティックな部分を押し出すところはProg Metal然としています。しかし、彼らの場合は常に忙しい演奏形態に拘ってはいないせいか、ストレートに攻勢をかけるところやスピーディーな側面などは、良質な欧州のHR/HM系バンドを聴いている感覚で楽しめると思います。ミュンヘン出身のというと、僕の中では7for4Dreamscapeの連中が自然に思い浮かんできます。ただし、これは彼らと似ているということを言いたいのではありません。彼らとは多少違ったメロディック・パワー的なアプローチを特徴に持ちながらも品質の高い音楽を作ろうという志しの高さは伝わってくるものがあります。

個人的には、大変気に入っているバンドなので評価を高くあげたいのが正直なところです。しかし、このグループの場合は、客観的に、もしくは冷静に耳を傾けて聴いてもらっても分かるように、分厚い音と安定感のある楽曲作りから只者では無いだろう・・ということは如実に伝わって来ると思います。それもその筈で、インスト陣のメンバーに関して見ていくと、それぞれが音楽院出身、あるいは正式にキチンと音楽教育を受けたツワモノ揃いとなってます。特にドラマーのPeter Keiは、P.I.T.出身者ということであります。それからSebastian Ederのギターワークが総合的に良いものを持っていると感じさせる一方で、アルバムや楽曲の世界観は多分この人が主に舵取りをしているのだろうと推察しています。この人のギターが活躍する部分や煽情性豊かなドラマティックな部分で盛り上がるところなどは、同じドイツのVanden Plasに通じると思いました。

このグループの面白い点として私が注目したいのは、新しく加入したスリランカ出身のChitral "Chity" Somapalaによる活躍ぶりです。前任者は、ジャーマン系メタルグループに割りと居そうな感じのラフな歌い方を信条としている人でした。ところが、Chity(Chitralのニックネーム)が参加したことにより、元から演奏能力が高い彼らの持ち味をさらに引き上げる、メロディアスで中低音の領域を得意としたエモーショナルな歌が特徴として加わったことはプラスに作用しています。Chityの声を聞いて、まず驚かされたのは、アジア人独特の訛りが全くなく英語のネイティヴ・スピーカー的な抑揚と発音を体得していること。さらに新鮮に感じたのは、彼の声質はScorpionsKlaus MeineMSGRobin McAuleyなどを合わせたかのような声質ということもあり、実力派の雰囲気を醸しだしているからです。そしてもう一つ面白いと感じさせたのは、ベーシストのPetra Hasselkussはリズム面でも光っており、時にはフュージョン系の人のようなテクニカルな側面も見せるなど侮れません。派手なプレーはないものの、Jens Kuckelhornによるキーボードワークも非常に手堅く印象的なものを含んでいます。アルバムの色んな箇所で登場するキーボードによるメロディックな味付けや壮大な世界観がなんともたまらない。

Avalonの場合は、ド派手に立ちまわるようなテクニカル路線でリスナーをねじ伏せることはありません。しかし、ところどころで見せる躍動感のあるアンサンブルとテクニカルなパッセージも織り込んでくることもあります。あくまでも安定感のある演奏を主軸に、楽曲やボーカルメロディーを大事にしたアプローチです。全体的に見ると、このグループの演奏能力は充分高いといわざるを得なでしょう。演奏も良く耳を済ませて見るとHouse Of SpiritsConception辺りのグループが好きな人にも楽しめる部分があるだけでなく、スピーディーなテンポで展開していくAthenaAngraそしてCentaurなどが好きな人を振り向かせるものがあると思います。またProg Metal色が高まっていくとDream TheaterVanden Plasからの影響が感じられるサウンドも登場します。所謂、純然たるテクニカル路線のProg Metalだけを求めている人にとっては、終始楽しめないかもしれません。ですが、欧州出身のパワーメタル色が強く含まれた路線のプログレメタル系タイプが得意なリスナーには、大きくアピールするサウンドだと思います。楽曲はメロディアスに丁寧に作られているので、ひょっとしたら一般のHR/HM系リスナーが聴いても結構いけちゃうんではないかと期待したくなります。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Avalon - Eurasia
Omega Records
(2000)

ドイツのProg Metal系バンドによる通産4枚目にして最後のアルバム。この「Eurasia」アルバムで、ブラジル出身のAngraが「Holy Land」で到達したものとは異なる次元で、確固たる世界観を構築することに成功しています。このアルバムでは、前作で新しく加入したリード・ボーカリストChitral "Chity" Lanka Somapalaによるインプットがヒントになったのでしょう。彼らの場合はヨーロピアンのメロディックメタル系のサウンドにアジア的なサウンドを導入させています。ところが、余り違和感のない現代ヘレニズム文化といってもいいほどのユニークなプログレッシブ・メタルサウンドをここで築き上げたかのようにも受け取ることができました。このアルバムで貫かれている音楽観と歌詞の世界は、それぞれのユーラシア大陸の歴史的な人物や出来事などに思いを馳せた叙事詩が展開されている点が大変面白い。テーマでとりあげられているので興味深いのは2曲目に登場してくる「蒼き狼のチンギス・ハン」を始め、ダレイオス3世、釈迦としてしられているブッダなど世界史でも著名な人物などが題材として取り上げられている。プロダクションも良好であり、一見難しいというか失敗すると大変なリスクを負うであろうアジア的サウンドとヨーロピアンフレーバーあふれるメタルサウンドを融合させた内容は注目に値すると思う。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Discography:


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