ANDROMEDA
country: Sweden
style/genre: Prog Metal
website: http://www.andromedaonline.com/
related artists/bands: Opus Atlantica, Nonexist, Skyfire, Lawrence Mackrory (Darkane), A.C.T.
similar bands/artists: Dream Theater, Liquid Tension Experiment, Pain of Salvation, Wolverine,
Elsesphere, Eldritch, Freewill, etc.
artist info: 1999年にバンド結成。欧州方面を中心に活躍している新進気鋭のテクニカルProg
Metalバンド
Andromeda - Extension of the Wish
War Music/NTS/Wagram
(2001)
スウェーデンからは、数多くの優れたバンドやアーティストが活躍していることは良く知られていると思います。Prog Metalサウンドを武器にするバンドだけでも、Pain of Salvation, Mayadome, Elsesphere, A.C.T., Mind's Eye, Evergrey, Wolverine, Sonic Debris, Loch Vostoch, Seventh Wonder, World of Silence等と言ったように数多くの強豪が名を連ねている。Andromedaは、1999年に結成し、2000年の暮れから2001年にかけて名前がシーンの間で大きく浸透していくことになりました。21世紀に入って、非常に大きく期待をかけられているProg Metalバンドの一つといっても過言ではないでしょう。Extension of the Wishは、あらゆるProg Metalファンの間で熱狂的に迎え入れられており、ここ日本においても人気の度合いが大変高いと思う。
さて、このExtension of the Wishには、合計7曲収録されております。全編に渡って非常にスリリング且つテクニカルなProg Metalアンサンブルを堪能することができます。ギターリストのJohan ReinholdzとキーボーディストのMartin Hedinの2人によるリードプレーが大変秀逸であります。Johan Reinholzによる技巧的なギタープレーが縦横無尽に展開されております。Martin Hedinによるシャープ且つサイバー感覚漲るシンセリードの音が空間を飛翔するパートなども魅力的です。リズムセクションのGert Dunn (bass)とThomas Lejon (drums)も、このバンドには無くてはならない非常に重要な役割を示しております。ダイナミック且つテンションが非常に高いリズムや変拍子をたくさん繰り出していて、実に豪快です。とにかく、このバンドはインストセクションとアンサンブルが活躍する度合いが高いので、そういった構築性のあるインストパートや目まぐるしい展開を好むリスナーにはお薦めです。このアルバムを出した時点では、まだ新人だった訳ですがProg Metal界のフレッシュマンとは思えないほどの充実した作品内容に度肝を抜かれてしまいました。Dream TheaterやLiquid Tension Experiment辺りを中心としたテクニカル志向のProg Metalバンドやインストバンドが好きな皆さんに楽しんでいただきたいアルバムと言えるでしょう。
このExtension of the Wishあるいは、Andromedaに関していろいろ議論が交わされる点は間違いなくシンガーになるでしょう。どうやら、このアルバムがリリースされる時点でも正式リードシンガーは決定していなかったようです。そこで彼らはレコーディングの為にセッションシンガーとしてLawrence Mackroryに歌録りを依頼し参加してもらうことになりました。Lawrenceの歌に関しては、これまた賛否両論があって聞き手によって好きになるか・あるいは嫌いになるか、はっきりしそうな感じです。僕自身は、どちらかというと現シンガーのDavid Frembergの方が好みでありますが、Extension of the Wishに関して言えばLawrence Macroryも頑張っていると思います。若干歌のフレージングが揺らぐところもありますが、中低音域辺りを中心とした若干スラッシュ・パワー風に近い歌い方をしているという印象。声質もProg Metal系統のシンガーとは結構違って不思議なタイプの人だなーという印象でした。あまり個人的には否定するほど悪かったとは思っておりません。
2001年にリリースされたオリジナルのExtension of the Wishは、7曲収録されており楽曲リストは以下のようになっております。
- Extension of the Wish
- Cresendo of Thoughts
- In The Deepest of Waters
- Starshooter Supereme
- Chameleon Carneval
- The Words Unspoken
- Arch Angel
捕捉インフォです。2001年の秋にNTS/Wagramから再リリースされたフランス盤は、2CDヴァージョンとなっております(Extension of the Wish - Definitive Extension)。フランス盤の方についてみていきます。まずDisc Oneのサイドは、オリジナルと同じ収録楽曲 + 2曲ほどエクストラとして「Eclipse」と「Journey of Polyspheric Experience」が入っています。Disc Twoのサイドには、アルバムとは少し異なった仕上がりになっております。付け加えるならば、現在の正式メンバーであるシンガーDavid Frembergが録音し直した楽曲が収録されております。この録音し直したボーカル・バージョンや2枚目のサウンドプロダクションに関しても、現在に至るまで賛否両論が活発にファンの間で交わされているのを、海外のフォーラムやメーリングリストなどで、よく見かけます。なお、フランス盤の方は、あとどれだけプレスされているのか定かではありません。もし専門店やオンラインショップで見かけることがあったら、Definitive Extensionに興味をお持ちのAndromedaのファンは躊躇せずにゲットしてください。ちなみに・・・私の場合は、最初にオリジナル盤をスウェーデン在住の友人に頼んで送ってもらいました。その後、別の友人の為に、広島市内にあるパルコの8階にあるTower Recordでゲットしました。Definitive Extensionは、フランスのAmazonから購入をしました。実はフランスのAmazonから買い物をするのは、今回初めてだったのですが、AndromedaのDefinitive Extensionはすぐにゲットできました(当時の話なので、現在は入手が非常に困難とのことです)。が・・・・なぜか良く分かりませんが、もうひとつ頼んだCDの方が到着するまでに2ヶ月を要しました。(購入盤Review)
PILGRIM WORLD推薦盤
注):時々、「Definitive Extensionの購入方法が分からない・・・Amazon.frで購入する場合にフランス語が分からないから」などと言った理由でメールや問い合わせをする方たちがおられました。今後はDefinitive Extensionに関する問い合わせに関しては、一切お答え致しません(トラブル回避のため)。購入方法についての問い合わせに関しては、ご遠慮いただきますようお願い申しあげます。既に廃盤になって久しいDefinitive Extensionの入手は、フランス国内でも極めて困難であることなのは、確かなようです。
Andromeda - Two Is One
New Haven/Century Media
(2003)
本当にスウェーデンという国は一体どうなってるのだと言いたいほど次から次へと良質の素晴らしいバンドが登場していますが、彼等は一体何を食べているのだろうか?と不思議に思うときがあります(笑)。このAndromedaも若手Prog Metalバンドとしてデビューを飾った訳だが、この2ndアルバムで既に完成の域に達したかのような風格を漂わせています。前作Extension of the Wishは、世界中の多くのProg Metalファンを唸らせ、ここ日本国内においても輸入盤チャートでトップ10を長い間キープしたりと大活躍。海外でも日本でも注目が高いバンドでありますが、その期待を裏切ることなく、今回の作品も前作と同様か、あるいはそれ以上とも言えるメロディックでテクニカルなソロも随所に配されているハイクオリティーでキャッチーなProg Metal作品をリリースしてくれたのではないでしょうか。
このアルバムでDavid Frembergがリードボーカリストとして正式に加入しており、幅広い表現力に定評があるのが理解できると思います。前作に負けず劣らずの凄い演奏のオンパレードで感激です。特にアルバム前半から中間にかけてのテクニカルで豪快なProg Metalアンサンブルが非常に素晴らしいですね。これは、前作に合い通じると思いますが、近未来感覚をノッけたテクニカルなProg Metalサウンドが随所で登場しており、より知的なアレンジメントで構築された高品質な作品に仕上げているように思います。リリースされた当初は、ファンの間では賛否両論が巻き起こっていたことが記憶に新しいです。しかし、私の場合は、なぜか2ndアルバムは、違和感無くすんなりと入っていくことができました。これはあくまで、現時点での感想ですが、ひょっとしたら2ndアルバムの方が、1stアルバムより気に入っているかもしれません。
前作の路線を完全になぞっているわけではなく、この作品ならではの個性を表現しているようにも思いました。個人的に興味をひいたユニークなトリックとしては、冒頭でモールス信号のような電子的なギター音が聴かれますが、あれは「Encyclopedia」の楽曲にちなんだ言葉を信号音で発しているらしい。また3曲目辺りに出てくるシンセサウンドで表現している電子連打音も、「Reaching Deep Within」の楽曲にちなんだモールス信号を発信しているそうで面白い試みです。そういった遊びココロの他にも、特に今回の作品で顕著なのは、割とダークな質感も伴いつつ、ヘヴィーネスを場面によっては極力抑えたような感触もあります。そういう部分を踏まえて聴いていると確かにPain of Salvation辺りが引き合いに出されるのも頷けます。全体的には緩急にも富んでおり、スピーディーで畳み掛けている部分も多くそういった点が魅力でありましょう。Martin HedinのキーボードソロもJohan Reinholdzのギターソロも冴え渡っていて素晴らしく、アンサンブルも大変充実している。
また近作Two Is Oneをさらに魅力的且つ、躍動感あふれるものに仕上げているのは、Tomas Lejonの豪快なドラムワークによるところも大きいと思いました。このバンドに在籍しているミュージシャンの技量はそれぞれ水準が高いし、音質にも大変気を配っている様子が伺えますし、唸りまくりです。インストが前面で大活躍する楽曲などは、Liquid Tension Experiment/Dream Theaterや7for4にも肉迫する勢いと充実度で舌を巻いてしまいます。前作と同じく非常にハイパーな演奏が目まぐるしく展開されておりましたが、楽曲によって、静と働を巧みに使い分けている感じがします。3rdアルバムも制作されているようで、非常にたのもしい存在です。(購入盤Review)
PILGRIM WORLD推薦盤
discography: