ANTHRAX
country: United States
style/genre: Thrash Metal, HR/HM, etc.
website: http://anthrax.com/
related bands/artists: S.O.D., Joey Belladonna, John Bush (Armored Saint), Frank Bello, etc.
similar bands/artists: Acid Reign, Nuclear Assault, S.O.D., etc.
artist info: 切れ味の鋭いサウンドと勢いのある演奏力を武器にしているスラッシュメタル・バンド。



Anthrax - Attack of the Killer B's
Megaforce/Island Records
(1991)

ニューヨークを拠点に活動しているAnthraxが1991年にリリースした企画EP盤です。自分にとってのThrash Metalの入門的な存在だったのが、実はこのグループでした。アメリカには良質なスラッシュメタル系グループが、西海岸エリアを始め1980年代から活発に活動をしていました。Anthraxの場合は、東海岸やN.Y.を主戦場にしていたせいか非常に面白いキャラクターを持ったグループという位置づけを持っている方も多いのではないかと思います。この「Attack of the Killer B's」は、1991年までの時点で未発表だった楽曲をメインに、シングル盤のBサイドに入っていた曲に加えて、過去に欧州や日本で発売されていたEP盤に収録されていたマテリアルが含まれています。MetallicaMegadethなどのバンドのファンにも言えることですが、この手のスラッシュメタルを熱心に応援しているファンやキッズの情熱に押されたのでしょう。アメリカ方面でも、未発表ライブ音源を含めた何かを出そうということでAttack of the Killer B'sがリリースされるに至りました。

コアなAnthraxファンにとっては、既出の内容が多いので物足りないという方もいらっしゃるかもしれません。個人的には、このEP盤は、全編大変楽しく聴いています。4曲目とか12曲目の"N.F.B."とかは正規のアルバムに収録されていたら何だかなあ・・というフザケ度が高いものもありますが、そこら辺は余りシリアスにとらえずに聴きましょう。イギリスはバーミンガムで行われたライブの"Keep It In The Family"、"Belly of The Beast"などを聴く限り、非常にエネルギッシュで堅実なパフォーマンスを披露しています。また"Milk"や"Chromatic Death"などはある種のセルフカバーと呼べるものですが、それ以外にも"Parasite"、"Protest And Survive"、"Pipeline"などHR/HM系に囚われない自分達が好きなグループの音楽やジャンルのカバーを聴くことができます。

個人的なハイライトと言えば、冒頭の一発目で登場するS.O.D.の曲"Milk"の疾走感溢れるカバー。歌詞は読んでいただければ分かると思いますが、かなり笑えると思います。しかし、このザクザク感とスピード感はAnthraxの真骨頂であり、リズムもタイトなので歌詞を無視して演奏だけでカッコイイと素直に言えます。そして著名なラップ・グループPublic Enemyのメンバーとコラボレーションした2曲目の"Bring The Noise"。ラップとメタルが違和感無くドッキングしておりますね。これは、AnthraxPublic Enemyで無ければ上手く実現できなかったでしょう。「ラップとスラッシュが高い次元で混合すると、こんなにも凄くカッコイイものに仕上がるんだなあ」・・と毎回聴くたびに衝撃を受けるナンバー。新鮮且つ強力であります。ただし、ちょっと個人的にピンと来ないのは、"I'm The Man"の91年バージョンは違和感を覚えました。これはやっぱりオリジナルバージョンの方が好きですね。代表曲のライブ演奏、自分達がやりたい曲のカバー、そして好みは分かれるでしょうがジョークを交えたものといった具合にEP盤だけでなく、彼等のちょっとしたコンピレーション的な作品という性質となっています。

この作品で特に顕著なのはAnthraxの音楽を通して、ユーモア性を存分に感じて楽しんでもらいたいというのが伝わってきます。色んなスタイルの楽曲が収録されているので、時には煙にまかれてしまう感覚にとらわれるかも・・・。しかし、どの楽曲にも共通するのは、彼等ならではのストレートで切れ味のあるスラッシーなサウンドが思う存分楽しめるということであります。スラッシュメタル系グループも本当に様々なタイプがいますが、彼等のようにシリアスな部分とファニーな部分を上手く使い分けているという面で言えば稀有な存在です。正規のアルバムではないので、社会性の部分に切り込んだ面は切り離して、作品に接していけば良いのでEP盤にしたというのは大正解でしょう。今でも何かあれば、引っ張り出して聴いているCDの一枚ですが、毎回聴くたびにスカっと爽快感を味わえます。(購入盤Review)

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