ARABESQUE
country: Netherlands
style/genre: Prog Metal, Technical Hard Fusion, Prog Rock, Female-Fronted HR/HM, etc.
website: http://www.arabesque-site.com/
related bands/artists: Joop Wolters, Elysion, Lemur Voice, etc.
similar bands/artists: Elysion, Lemur Voice, Sun Caged, Venturia, Joop Wolters, Sieges Even, Anomaly (netherlands), etc.
artist info: 現在ソロアーティストとして活動しているJoop Woltersの原点。オランダを代表するテクニカル派Prog Metalグループ。



Arabesque - The Union
Lion Music
(2002)

オランダ出身の技巧派Prog Metalバンド、Arabesqueによる2ndアルバムです。このバンドは、リード・ボーカリスト:Nicole de Seriere De BizounetteKatie Salemiの2人を擁しておりまして、どちらも女性です。R&Bからソウルフルなタイプの歌声を担当するのがNicoleで、Hard Rock的なキャッチー寄り歌声はKatieが担当というふうに、楽曲によってVenturiaのように使い分けているというのが大きな特徴であります。ツイン女性ボーカルという形態のProg Metalグループというのは、個人的にはこのグループを除いて、特に顕著なものを記憶しておりません。女性ボーカルを擁しているものの、楽曲指向のものだけでなく技巧的にズバっと切り込む演奏形態のものが、かなり登場していて大変心地が良いです。基本的には、ボーカルメロディーや楽曲中心に展開していきますが、リズムセクションやギターのフレーズやリフパターンなどを駆使して、非常に躍動的でダイナミックなレパートリーが目白押しで、個人的にはとても気に入っております。

アルバムの中盤辺りでは、ミュージシャンシップを高く発揮する場面が顕著になってきていますし、特にギターリストのJoop Woltersは逸材の名手と言えるでしょう。Joopのリードギターを例外とするならば、全編でド派手なソロが多く登場という訳ではありません。ですが、決してそういった派手なものや技巧的なパーツが、全くないという訳ではございません。ここぞというところで切り込んでくるかのようなRene Ubachsによるキーボード・ソロや、絶妙なコンピングが各要所で登場して素晴らしいと思いました。またLemur VoiceBarend Tromp的なウネウネ・サウンドと絶妙なビートやフレーズをビシバシと繰り広げるFrank De Grootのベース演奏も、グルーブに身を任せて楽しむポイントです。ドラマーのMark Van Mierloは、ハード・ヒッターとして豪快なリズムを叩きだし、また一方では繊細で緻密なセクションも担当しながら底辺から支えています。

グループ全体となって繰り出す濃密な演奏やインストパートなどは、充分テクニカル系またはコンプレックス系などの音を好むプログレメタル系のファン層のハートをガッチリ掴むものといえるでしょう。一般のHR/HMファンには、ある部分とっつきにくいところもあるかもしれませんが、演奏面やミュージシャンシップの高いものがお好みのリスナーには楽しめるポイントが結構あると思います。Lemur VoiceSun Cagedが好きな人や、女性ボーカルがテクニカル風味の楽曲に載ったらどんな風に展開されるのだろうか?というのに興味がある方にも楽しんでいただきたいですね(^^)。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

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