ASHENT
country: Italy
style/genre: ProgPower Metal, etc.
website: http://www.ashent.net/
related bands/artists: Steve Braun, Gianluca Ferro, Luigi Stefanini, etc.
similar bands/artists: Into Eternity, Dream Theater, etc.
artist info: スピーディーで痛快なサウンドを持つイタリア出身の新世代ProgPower系メタルバンド。



Ashent - Deconstructive
Lion Music
(2009)

イタリアのProg Metalグループによる通産2枚目となるアルバムです。1stアルバムの「Flaws of Elation」は、地元イタリアのLucretia Recordsより2006年にリリースされています。今回の新作「Deconstructive」は、Lion Musicからの発売となっています。バンドの編成は、専任キーボーディストを含む6人で構成されております。Ashentの場合、ツイン・ギターが目立つ手法をとっていますが、割とKeyboardのサウンドやリードが目立つ場面も多いのが特徴です。Prog Metal系のバンドの場合、ツイン・ギターを押し出すタイプのグループは、Keyboardは味付け程度にとどめる傾向が強いように思います。ですが、彼等の場合はギターとキーボードのソロが活躍する度合いには余り開きが無いようにしていると感じさせます。

音楽性も、我々がイメージするProg Metalサウンドとは若干趣きが異なる場面に出くわします。アルバムの前半辺りは特に顕著ですが、かなりストレートに突進するパートが多いことが分かります。典型的なProg Metalと言うよりも、メロディックなThrash/Power Metal的な疾走感を強調しています。特にドラミングなどのアプローチからも感じられるように、駆け抜けていくかのような痛快なスピード感は、Into Eternity辺りを彷彿させます。Steve Braunは、基本的には大変メロディアスに歌い上げるタイプの人。ところどころで強烈なグラント・デスボーカルも登場するので、Melodic Death Metalの影響も少なからず存在しています。どうやらこのデス声は、ベーシストのGianpaolo Falangaによるものらしい。Steveの声ではないそうだ。この辺りまでを読んでいてギョっとした人もいるかもしれませんが、大半はメロディアスなボーカル・ワークが楽しめるので安心してください。

Steve Braunのメロディックな歌いまわしを中心にした楽曲が多いので、Dream Theaterなどの正統派Prog Metalサウンドが好きなリスナーにも聴き応えがあることでしょう。スタイル的には確かにDTに似ている場面もありますが、疾走感やスラッシーなパートがより目立つためか、むしろInto Eternity辺りが好きな人に強くアピールするかもしれません。個人的にAshentの音楽を聴いていて魅力的に聴こえたのは、異色のナンバー"How Could It Feel Like This"でした。Deconstructiveというアルバムは、ヘヴィ且つダークなProgPower Metal路線が多いのですが、この曲は特に新鮮でした。"How Could It Feel Like This"はメタル色は薄く、地中海を彷彿とさせる雰囲気があるように感じました。序盤で登場するAlias Eyeみたいなアコーディオンでハっとさせらます。フュージョン風とも言えるダンサンブルなビート感やトライバルなリズムなどが使われていて面白い。前半での作風で顕著な攻撃性と比べると、アルバムの中盤〜後半は色んな工夫を凝らしたナンバーが目立っていたと思います。もちろん疾走感が溢れるナンバーもカッコイイのですが、個人的には後半に登場する楽曲に惹かれる場面が結構ありました。

基本路線はProgressive Power Metalを貫いていますが、それに止まらない色んな外部のメタルサウンドの要素を入れてオリジナリティーを追求していることが分かります。全体的に楽曲の構成は分かりやすい作りとなっており、一般のHR/HM系リスナーにとっても入りやすい音楽でしょう。演奏自体も凝りまくったタイプではなく、正攻法で展開されています。Prog Metalサウンドにテクニカル性を強く求める人にとっては、少し物足りないと感じる方もいらっしゃるかな?。とは言え、演奏陣が活躍する場面も要所で配置されています。なかなかに凝ったリフ・パターンも登場しているので、その辺りを中心に緻密な部分を見出していくのが楽しい作業でした。また流麗なギターワークと現代的なキーボード・ソロは耳を惹きますね。

気になるプロダクションは上々で、どの音も輪郭がはっきりしているところは流石です。アルバム全体のバランスは非常に良いし、それぞれの楽曲はインパクトも強く即効性も高い。アルバムの後半では、彼等ならではのオリジナリティが出ている場面も見出すことができました。スピード感だけでない様々な魅力を内包しているように思ったので、今後はよりバラエティに富んだ作風を個人的には期待したくなりました。イタリア出身のグループというと、Dream Theaterのスタイルを目指すグループが多い中で、彼等のアプローチは必ずしもDT的とは断定しにくい雰囲気も含まれていてユニークです。どの楽曲もキャッチーなメロディーラインと、口ずさんでしまいたくなる歌を含んでいるところがAshentの最大の武器であり、魅力かもしれません。http://www.myspace.com/ashentband (プロモ盤Review)

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