Baltimoore - X
BLP Music
(2006)
日本でも一時期は、ゼロ・コーポレーションなどからアルバムをリリースしていたベテラン・ハードロックグループです。実はBaltimoore自体は、コンスタントに活動を続けていたのであります。2000年以降は、暫くLion Musicからアルバムを出していましたが、新しいレーベルBLP Musicに移籍しての第2段ということになります。以前はKeyboardistも参加しているハードロックサウンドだったのですが、Lion Musicからの移籍前後ではKeyboardに全く頼らないハードロックサウンドを指向するようになります。リードボーカリストBjorn Lodinを中心として、最近の作品では「Raw」という言葉をキーワードに、生々しい迫力のある北欧とは言えアメリカ指向のサウンドにまとまってきたように思います。この作品「X」を含む近年の3つの作品は、これまでのキャリアの中でも品質も良くて完成度の高いハードロックサウンドが繰り広げられています。残念ながら、最近の日本のHR/HM系のマーケットでは、彼等のようなスタイルに関して言うと、残念ながらアピール度はそんなに高くないのかもしれません。しかし、この作品のクオリティの高さは、本当に素晴らしいと思いました。往年のハードロックサウンドを継承しつつ、現在のスタンダードで聴いても遜色の無い堂々たるものであります。ミディアムアム・テンポのブルージーなHRサウンドを始め、アップテンポで疾走するパートではノリノリになります。奇をてらった様子は全く無く、これぞBjorn Lodinが目指している原点復帰的なHard Rockサウンドなのでありましょう。ストレートに情熱をぶつけてくるタイプであります。80年代以降HR系統を応援している人には、かなり楽しめると思いますよ。北欧出身の骨格のしっかりとしたロック・サウンドであります。むしろ現代のロックシーンに一石を投じる意味で、聴き手によってはフレッシュに聴こえるかもしれませんね。自らの力で捻じ伏せるような意気込みを彼等から感じることができて、近年の3作の中でもこれと前作は堪能することができました。(プロモ盤Review)