BOOK OF REFLECTIONS
country: Finland〜Various Countries
style/genre: Melodic Power Metal, HR/HM, etc.
website: http://www.larsericmattsson.com/
related bands/artists: Condition Red, Vision, Mattson, Lars Eric Mattson, etc.
similar bands/artists: Mattson, Condition Red, Artension, Hubi Meisel, etc.
artist info: Lion Musicの首領を中心にしたプロジェクト企画もの第2段。主にメロディックパワー路線の色合いが濃いと思う。



Book of Reflections - Chapter II (Unfold The Future)
Lion Music
(2006)

うちのレヴューでは、たくさん紹介しているお馴染みのギターインスト・Prog Metal系専門レーベルのLion Music。そのLion Musicを立ち上げて、様々なビジネスを取り仕切っている人物が、ラッセことLars Eric Mattsonさんなんであります。Lars Eric Mattsonの名前を見て、80年代からメタル系音楽を聴いている人には驚いたというか凄く意外と思っているかもしれません。そうなんです、あのLars Eric Mattsonなんです・・といってもピンと来る人は少ないかもしれませんが(^^;)。簡単に説明するとB!誌で高いレヴューを受けていたかと思うと、別のレヴューワーによっては大きく酷評をされていたギターリストの人というイメージを持っていると思います。しかし、彼の場合は、周囲の声に振り回されることのない努力家で温厚な人でありまして80年代からずっと音楽活動を地道に信念を持ってやり続けているミュージシャンなんであります。そういう人だからこそ、Lion Musicというのは現在では数多くの優秀な人材やグループが集まってきているレーベルではないかと思う訳であります。

さて、このBook of Reflectionsですが、ラッセさんによるプロジェクトもの企画ではいえば2つめに当たると自分は考えています。人によっては3つめとか4つめと考えている人もいますが、ここではLion Musicを立ち上げてからのプロジェクトものとして数えています。間違えていたら誰か教えてください(笑)。第一弾はCondition Redと言って、どちらかというとProg Metalぽい路線が強い内容でしたが、このBook of Reflectionsでは、ストレートなパワーメタルやメロディックメタル系路線をやっています。ラッセの場合、自分が作曲・作詞したものをベースに、いろんなミュージシャンにゲストで弾かせまくるという手法を取っておりまして、ひょっとしたらAyreonあたりがヒントになっているのかもしれませんね。今回はゲストとして注目したいのがTears of AngerBjorn JanssonTomorrow's EveMartin LeMarがリードボーカルとして活躍しています。さらにSphere of SoulsからAnand Mahangoe、そしてキーボーディストとしてネット上では好きな人も結構いるらしいMistheriaが参加しております。

前作もそうでしたが、今回の作品もストレートなMelodic Power Metal路線が多いという印象です。ボーカリストが前作と違うので、その辺りは印象が随分異なりますが、アップテンポなものからミディアムテンポのものまでが収録されています。ただし、気になったのはラッセが関わってきたCondition RedMattsonと非常に似かよったアイデアや楽曲のスタイルだったりすることが起因して、目新しさはそんなに無いといった風情です。仲良くさせてもらっているラッセさんには大変申し訳ないと思いますが、正直言うとProg Metalのファンへのアピール度は余り高くないと感じました。確かにキャッチーで分かりやすい作りは大変気を遣って作ったというのは伝わってきますので、フィンランド産のメロディックパワーやLion Music系のアーティストが参加している路線が楽しめる人には、問題なく受け容れられると思います。個人的には、それ以前に出ていたMattsonの新作やソロアルバムの方がより魅力的だったので、今回の作品に関してはなにかケミストリーが少し合っていないような感じもしました。参加しているミュージシャンはどれも素晴らしい実力は持っていますし、メロディックパワー系を歌うMartinやBjornというのも返ってユニークに聴こえる部分はあります。それからAnandやLarsが演奏するフレーズやギターソロで光るところはありましたし、Mistheriaによるネオクラシカル系のシンセリード的プレーはNeo-Classicalファンなら満喫できると思います。

個人的にはひっかかる点や楽しめなかった点も実は結構あって、うーんと思う一方、頑張ってるいいパートや疾走するテンポにのった部分も反面あって内容的には悪くはありませんでした。最近ラッセが携わったものでは、心底非常にいいなーと思うものもすくなくないだけに、今回のBook of Reflectionsに関しては手放しでお薦めまでいかないところが悔しい限りです。個人的には、自身が得意としているMattsonの歌モノ系を中心にしたものと、テクニカル系ミュージシャンを迎えたProg Metalサウンドをドッキングさせてわかりやすくした新しい展開を期待しています。(プロモ盤Review)

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