CROTALO
country: Italy
style/genre: Hard Prog, Neo-Prog, Progressive Metal, Hard Fusion, etc.
website:
related bands/artists:
similar bands/artists: Enchant, Saga, Rush, Everon, Soul Cages, Ivanhoe, etc.
artist info: Music Is Intelligence/WMMSレーベルに所属していたProg Rockグループ。



Crotalo - Nel Cuore Del Mondo
Music Is Intelligence/WMMS
(1997)

たった1枚だけアルバムを発表後、現在も活動をしているのか詳細が不明なイタリア出身のNeo-Prog/Prog Metalグループ。このCrotaloは、80年代の頃から地元ではHeavy Metal/Thrash Metal系の音楽をやっていたということであります。しかし、年数を経ていくうちにプログレッシヴな系統の音楽をプレーすることに興味がシフトしていき、WMMSより1stアルバム「Nel Cuore Del Mondo」を1997年に欧州方面を中心にリリースしています。サウンド・プロダクションの質は、現在活躍しているトップレベルのProg系グループと比べると多少落ちるかもしれません。ですが、バンド全体のミュージシャン・シップは割と良いものを持っており、楽曲によっては魅力的な側面を結構見出すことができました。

音楽的には、WMMSに共通するかのようなネオ・プログレッシヴ系の音を通過したメロディアスな要素を持っています。バンドのルーツは確かにメタル系でありますが、一般のメタル系のように、とことんヘヴィネスを追求しているという訳ではありません。僕の耳からは、プログレハードやプログレメタル系に共通する質感を持っているので、Crotaloを知らない人にも楽しめる可能性があることでしょう。基本的には、Neo-Progサウンドとプログレハード系サウンドの中間地点に存在しているかのようです。ヘヴィな側面が強まるところでは、Prog Metal側に限りなく近い音像になるという印象です。

割と静かなゆったりとしたパートは、欧州大陸で活動しているEveronSoul Cages、そして場所は移ってカナダのSaga辺りに通じるメロディックなプログレ・ハード路線と言っても良いでしょう。その一方、演奏パートが緻密になって変拍子やテクニカルな側面を強調する場面では、それこそEnchantIvanhoeがシンフォニック・ハード路線だった時を思わせるスリリングな内容も含んでいます。特にインスト曲の「Espressioni」は、秀逸な出来上がりになっており、情感豊かな演奏で見事であります。ところどころで彼らが見せるテクニカル路線の演奏が魅力的なので、個人的にはその辺りは満足できました。収録されている、その他の楽曲を見渡してみると、爽やかな面を押し出したかと思うと、雨が降りしきるような湿ったような場面も登場したりします。風景や情景を描いたり、心情を吐露するような世界観を持っているようにも感じました。そういうのが、個人的にはピピっと気になったのと同時に嬉しくなりました。

歌自体は英語ではなく、全編イタリア語で歌われています。クレジットを見て驚いたのは、リードボーカルはドラマーのGaetano Bucciが担当しています。イタリア語で歌われていますが、思ったほどの違和感はありませんでした。イタリア人らしいエモーショナルな歌いっぷりですが、割とすんなりと聴くことができました。この人が頑張って高音域を歌う場面では、そこはかとなくLemur VoiceGregoor van der Looに若干似ているかもしれないなーと、ふとそんなことも思いました。往年のイタリア出身のプログレバンドの多くは、イタリア語で歌っている訳ですから不思議なことではないのですが、初めて聴くときは虚を突かれてしまうかもしれません。歌やメロディーに関しては、聞き手によってはのめり込むほどのインパクトや魅力を感じられない場面も結構あるかもしれません。その辺りでこのバンドを好きになるか、嵌れるかと言った具合に評価は多分大きく分かれてしまうでしょう。

アルバム最後の「Da Vanti Ai Tuoi Occhi」という曲は、インスト陣全員によるアンサンブルが非常に光っており、変拍子を絡めた部分や音の質感などは、Dream Theater風な正統派Prog Metalを強く意識している様子も伺えます。ですが、歌が中心になるところでは、せっかく演奏のせめぎあいで高まっていたテンションやドラマ性が若干トーン・ダウンしているかな?というのが惜しいところであります。決してアルバム全体が退屈という訳ではないのですが、インパクトを求める聞き手をいかに惹き付けていくのか?・・・そういった箇所が今後の課題だったのかもしれません。全てのリスナーを楽しませるのは当然のこと難しい訳ですが、私的には割と楽しめる部分は多かったという結論です。

Crotaloの場合は、1stアルバムをリリース後、どのような活動をしているのか定かではありません。惜しむらくは、この調子で活動を続けていたら、イタリア出身のProg Rock/Metal系バンドとして熟成していたであろうという軌跡はしっかりと残しています。WMMS系というと、これまでにも私のサイトで紹介したように、非常に高品質なグループもいれば、イマイチかなあ?というグループも所属しています。その中でも、頑張って良いものを作ろうとしていた意気込みや音から感じられるProg Metal度も相まって、気になっている存在がCrotaloでした。イタリアのProg Metal系グループ勢が、1990年代の後半のシーンの中で頭角を現そうとしている時期でした。彼らの場合は無名ではありましたが、「結構面白いなー」と感じることができたグループです。個人的には記憶に留めておきたい存在であります。全編もの凄く素晴らしいアルバムであるとは言いませんが、ところどころに私の琴線に触れるエモーショナルな部分やカッコイイ展開を含む演奏もあったりして、なかなか捨てがたいオーラを持った謎のバンドであります。(購入盤Review)

Back to [C] Section
Back to Review Index

Go to Top Page