Cydonian - EstangedRising Sun
(2001)
デジタル・サウンド〜シンセ・サウンドを導入した独特の手法を得意とする、ドイツ出身のProg Metalバンドであります。バンドの母体は、Nightingaleと呼ばれるバンドに在籍していたTony BergerとMike Geroldの2人よって1999年に結成。これは、キーボーディストの手腕によるものと思われるが、Hans ZimmerやDevin Townsendなどを彷彿させる、デジタル・サウンドを駆使したキーボード・オーケストレーションが圧倒的に素晴らしい。まるで外国の近未来サイエンス・フィクション作品のような、そういった宇宙的広がりを作り上げている。ギターの音は、確かに硬質であるが、とても聴きやすくキーボードとギターのバランスが非常に上手く取れていることに驚かされる。インディーズのバンドとは思えないほど、プロダクションがしっかりしている。中近東風な旋法やエキゾチックな旋律を用いており、非常に面白い世界観を作り上げることに成功している。演奏形態は、確かにProg Metal的な内容であるが、畳み込む演奏スタイルとは少し距離をおいているようだ。アグレッシブなバンド・アンサンブルを前面に出すこともあるが、それよりもこのバンドが目指しているものは、楽曲・質感・プロダクションなどを含めたトータルの部分でいいものを作ろうという意思が強いことを感じさせます。こういうバンドは、いそうでいなかったタイプかもしれません。最初にこのバンドの音楽を聴いたときは、既成概念にとらわれない手法と斬新な取り組み方に、私は心地よい衝撃を受けました。おそらく、このバンドはDream Theater的なスタイルが好きな人達を始め、Devin Townsendが関わっている音楽などが好きな人にも楽しんでいただけるのではないでしょうか。全体的に、このバンドの音楽は完成度が高く、私は非常に気に入っております。残念ながら、このアルバムを最後に彼らはCydonianとしての活動にピリオドを打ち、現在はA Life Dividedという名義で活動をしているようです。(購入盤Review)
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