DAMN THE MACHINE
country: United States
style/genre: Progressive Metal, HR/HM, etc.
website: http://chrispoland.com/
related bands/artists: Chris Poland (Ohm/Mumbo's Brain/Megadeth), Mark Poland, Dave Clemmons, David Randi, etc.
similar bands/artists: Fates Warning, Tiles, Rush, Heaven's Cry, Chris Poland, etc.
artist info: Megadethで活動していたChris Polandを中心に結成したテクニカル系Progressive Metalグループ。



Damn The Machine - s/t
A&M Records
(1993)

以前は、Megadethで活躍していたことでHR/HM系リスナーの間ではよく知られている技巧派ギターリストのChris Poland。そのChrisと弟のMark Poland (drums) を中心に結成したDamn The Machineにとって最初で最後のアルバムになってしまいました。Megadethの初期を支えていたChris Polandの流麗なギタースタイルに興味を持っていた熱心なファン達にとっては注目されていたように思います。1993年にリリースされた作品ですが、当時を振り返ってみるとシアトル・グランジ勢やオルタナ音楽の旋風が巻き起こっている真っ只中だったわけです。名門A&M Recordsに所属していましたが、実際のところセールス的には大変苦戦を強いられたと思います。イギリスのHR/HM系の雑誌Kerrangなどでは、このアルバムは非常に高く評価されていたこともあって、自分もリリースされた当時から高い関心を持っていました。さて蓋を開けてみると、これが先進的な尖ったメタルサウンドとして現在でも充分インパクトのあるサウンドと言えるでしょう。演奏的にも大変テクニカル且つテンポチェンジなどを交えた、切り返しのある大変良好なパフォーマンスを披露しています。割とパワフルでエッジの立った硬質なメタル的な要素も含んでいるので、Megadeth路線のスラッシュメタルを期待しそうになります。しかし、この作品は面白いことに全編聴いて分かるようにProgressive Metal的と言って良いでしょう。キーボード・サウンドは残念ながら皆無なので注意が必要です。プログレ・メタルにそういったサウンドを多く求めている人には、楽しみにくい音楽だということは覚悟してください。しかしながら、ヘヴィーな側面を強調するだけでないのは流石でありましょう。クリーンなギタートーンやカッティング、そしてテクスチャーを大事にしているところを取って見ても、このグループの知性の高さを垣間見ることができるでしょう。時代を先取りしたような構築度の高い演奏形態やアプローチを施しています。スタイル的には、Megadeth的というよりも、Fates WarningTiles、あるいはRushHeaven's Cry辺りにも通じると言いたくなるほどです。やはり楽曲作りにおいても、Chris Polandという人は中々に独自性の高いものを目指していたことが如実に伝わってきます。90年代初頭よりも、現在のProg Metalファンの耳で聞くと案外面白いと思います。ただし正統的なProg Metalタイプやドラマティック系のメタルサウンドを求めている人には、楽しみにくいというか伝わりにくいスタイルであるということは覚悟しておいてください。テンポチェンジや変拍子を交えたギター・オリエンテッドなProgressive Metalが好きなリスナーには、充分アピール度が高いように思います。残念ながらバンドはこれを出して後は、リードボーカリストのDave Clemmonsが脱退。新しいボーカリストを迎えて、一時期はMumbo's Brainと名前を変更して活動をします。ブルージーなHR/HMサウンドに変貌を遂げていますが、バンドメンバーの離脱が相次ぎ活動を停止・解散してしまいます。リーダーのChris Poland自身は、ジャズ・ロックやフュージョン系のサウンド色が濃いOhmを中心としたインスト演奏活動にシフトしていくことになります。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Back to [D] Section
Back to Review Index

Go to Top Page