DIAL
country: Multi-National (Sweden, The Netherlands)
style/genre: Progressive Rock, New Tendencies, Atmospheric Rock, etc.
website: http://www.myspace.com/thebanddial  
related bands/artists: Cirrha Niva, Pain of Salvation, Elegy, Mangrove, Dead Soul Tribe, etc.
similar bands/artists: The Gathering, Pain of Salvation, Sylvan, Lacuna Coil, Gazpacho, etc.
artist info: 元Pain of SalvationのKristofferやCirrha NivaのLiselotte Hegtを擁するProg Rockグループ。情感に訴えかけてくる音楽性。



DIAL - Synchronized
ProgRock Records
(2007)

2007年に観たHeadway Festivalで大変お気に入りバンドの一つになったDIALの1stアルバムが、ProgRock Recordsから発売されています。現在は、オランダのユトレヒト方面に移り住んで、忙しいお仕事の合間に音楽活動も精力的にしている、元Pain of Salvationのベーシストとして著名なKristoffer Gildenlowを擁するプログレッシヴ・ロックグループとして、これから知られていくことでしょう。しかしながら、このグループは民主的に意見を取り入れる音楽集団ということなのでメインがKristoffer一人だけということではありません。オランダ国内でミュージシャンとしてはCirrha Nivaなどで、そして音楽執筆者としてはAardshockマガジンでも活躍している女性シンガー・ベーシストのLiselotte Hegtの存在も非常に大きいです。2人の強力なキャラクターを支えるメンバーとして主にバッキングを務めていますが、時には前面に出てソロやリズムで活躍しているRommert van der Meerのギターワークも面白いです。当然楽曲面での貢献度は高いはずの人です。基本的には、この3人が歌詞や音楽制作の中心的な役割になっています。サポートとは言え、ほとんど公式メンバーといっても差支えがないのが、なんと!Elegyで活躍をしていたドラマーのDirk Bruinenbergが参加していることも面白いです。

強引に分析するとKritoffer GildenlowサイドとLiselotte Hegtサイドの歌ものを中心とした2つに分けられるのではないでしょうか。各曲のタイムレングスも短めで、一つだけ8分強のものを除けば5分前後で聞きやすい構成です。音楽的には、これも強引にたとえるとシンフォニックなオルタナティブ風ロックあるいは、新しいタイプのNeo-Progという感じでしょうか・・・特に音楽のスタイルに拘っている訳では無いみたいで、自然にでてきたメロディーやテーマを軸に作っているのでサウンドを形成しているようです。自然体で型に嵌らない楽曲で、演奏的には懲りまくったテクニカルなものでは無く、ストレートに情感が伝わってくる仕上がりです。楽曲によってはジャジーな雰囲気ものもあれば、へヴィロック風もあり、アトモスフェリック風味の強いエレクトリックなサウンドで打ち込んだぽい楽曲もありでバラエティに富んでいると思います。大雑把に表現するならば、Prog Metalリスナーも確実に好みそうなタイプのソフト路線の新世代Neo-Progressiveと言い切ってしまいたくなります。言い方を変えれば最近のSylvanPorcupine Treeが好きならいけるかもしれません・・・この辺りのニュアンスが伝わることを期待します(^^;)。プロデューサーには、Dead Soul TribeDevon Graves氏を迎えている選択の仕方が興味深いかなーと思いました。ミキシングにはKristofferも関わっていますので、結果的には楽曲によってはDead Soul TribePain of Salvationの両方に通じる世界観もあったりして、大変ユニークです。

基本的にはエモーショナル度も高く、情感を込めたサッドネスな雰囲気が支配もあるせいか、自分的には上記の2つのバンド名を挙げたのですが、Liselotteさんが歌うところや彼女の表現の仕方が、シアトリカルなので現代風なゴシックメタルが好きな人にも楽しめると思います。Lacuna CoilThe Gatheringぽいところもありますが、やはりアプローチが違います。彼女自身が尊敬してやまないKate Bushからの影響もあると思いますが、この人独自のアプローチの仕方と思います。歌もキャッチーな歌い方から、ほんのりとエキセントリックな表現方法もあったりしますが、やりすぎていないところが印象が良かったですね。Kristofferがギターや歌を担当するところでは、彼女がベースを操る場面が結構多いです。おそらく彼女の担当楽器としてはベースがメインなのでしょう、ベースのプレーは安定感があり、メロディアスなパッセージを繰り出すこともしばしばです。このアルバムでは、キーボードを弾いている場面もあります。大体の楽曲が内省面を強調している場面が多いですが、Candylandだけはジャジーなムードやシアトリカルな歌い方に挑戦していますね。ポピュラー音楽的ムードが強いのが例外と言えるかもしれません。

当然Kristofferが歌うものが中心の楽曲はPain of Salvation度が高まりますが、本家のPoSと比べるとシンプルでストレートです。お兄さんのDaniel Gildenlowもマルチなタレント性を持った凄いミュージシャンですが、弟のKristoffer Gildenlowもいろんな楽器を操るだけでなく、音楽的表現力の深さには凄いものを感じました。リード・ボーカル、エレクトリックギター、当然ベースは本職ですが見事なものですし、キーボードやチェロなども扱いますし、マンドリンなども登場します。実際のライブでもプログラミング機能を使ってのエレクトリックドラムで音をレイヤー状に重ねる作業などといった具合にかなり幅広いです。ライブでもそうでしたが、「Sadness」や「Green Knees」ではE-bowと使ってロングトーンの効果を見事に引き出して、エモーショナルな効果を発揮しています。また歌での表現の仕方は、お兄さんの影響が強いと思いますが、それが気にならないほど表現力と情感の込め方はとても良いです。KristofferやLiselotteが歌う楽曲は、テーマや歌詞面からしてシリアスなものやダークな質感を伴う語りかけが多いですが、Pain of Salvationが好きなら、どれも素晴らしく感じられると思います。ドラムやElegyのDirk Bruinenbergがヘルプしていますが、バンドメンバーといっても差支えがないぐらい、いい動きをしています。ライブではある意味Elegyとほぼ同じぐらいのテンションとインパクトの強いパワフルな叩き方で素晴らしかったです。Dirkさんも性格が温厚が方なのでお話をして楽しかったです。キーボーディストのChris Jonkerは現在オランダを拠点に活動しているMangroveというNeo-Prog/Symphonic Rock系グループで活躍している方でありまして、アルバムには参加していませんが、バッキングや音のチョイスがよいキーボーディスト奏者だとライブ感じました。

個人的にはKristofferが歌うPain of Salvation風な雰囲気が強いものなどを中心に楽しみました。SadnessHello・・などはマイフェイバリットですね。特にHelloGreen Kneesがライブでは素晴らしいと思いましたが、Helloが個人的には一番ドップリ嵌りました・・・テクニカルな演奏は一切ないのですが、この楽曲は個人的には、かなりキテます・・・うまく表現できないのですが、ある意味Peter Gabrielなどの大物が持つ貫禄に近い懐の深さというか、どの音楽層にもアピールするかのようなもの(?)を感じ取りました。あとLiselotteが主人公となる冒頭の「Beautiful」もグイグイと引き込まれますね。Liselotteが主に歌う「Wounded」もグワーっと浸透してきます。DIALの音楽は、一般のシンフォニック系のロックやプログレが好きな人よりも、むしろ内省的なProg Metalタイプ・・最近のWolverineSylvanが好きなプログレメタル系ファンへのアプローチ度が高いと思います(僕なんか、まさにそういうタイプのリスナーですし)。Pain of Salvationが好きな人には当然楽しめる筈です。LiselotteといいKristofferといい情感がこもったエモーショナルな楽曲は、とっても秀逸で楽しんでいます。ラッキーなことに彼らのライブを2回ほど経験しましたが、ライブバージョンも非常にいいのでいつかライブ盤を出してほしいと期待しています。当然のごとく、PILGRIM WORLDでは今後も個人的にプッシュしたい音楽集団です。(購入盤Review)

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