DREAMSCAPE
country: Germany
style/genre: Prog Metal
website: http://www.dreamscape.de/
related artists/bands: Dead Men Walking, Hubi Meisel, Lanfear, 7for4, Private Secret, Serenity, etc.
similar bands/artists: Vanden Plas, Hubi Meisel, Ivanhoe, Dream Theater, Threshold, etc.
artist info: ドイツのMunichエリアを拠点に1986年に結成。世界各国の多くのProg Metalファンから熱い支持を得ている。



Dreamscape - Trance Like State
Rising Sun Production
(1997)

ドイツを代表するメロディアスProg Metalバンド、Dreamscapeの記念すべき第一弾。ひょっとしたら、2ndアルバムのVeryが彼らの公式1stアルバムだったのかなー?と思っていた人もいらっしゃるかもしれません。実は、このTrance Like Stateが彼らの正式な1stアルバムなようです。(彼らの簡単な経歴については、下で紹介しているEnd of Silenceのレヴュー記事で、少し触れておりますので参考にチェックしてみてくださいね。)。2ndアルバムや3rdアルバムなどと比べると、まだデビュー作品としての初々しさを感じさせます。やはり彼らにとって初めての試みということからか、色々と模索をしている最中のアルバムという感じがいたします。アルバムの中には、既に今後にも繋がるようなテクニカルな演奏形態をビシバシと繰り出しているところが痛快です。欧州のバンドが共通して大事にしている叙情的なメロディーや、扇情的なフレージングも楽しむことができると思います。ドイツに存在するProg Metalバンドと同様にNeo-Progサウンドの系譜を受け継ぐ、気品の高さも感じ取るリスナーもいらっしゃるのでは。やはり、気になるところは試行錯誤のせいもあって、彼らがこれまでにリリースした作品などと比較すると、楽曲によっては彼らが持っている魅力を出し切れていないものも一部にはあります。しかし、次のアルバムVeryで高い完成度を証明するだけあって、プロダクションなどに細かい注文をつけなければ、魅力溢れるインタープレーや怒涛の勢いを内包しているProg Metalサウンドは、流石であります。Dream TheaterQueensrycheのようなProg Metalサウンドと、80年代のHR/HMサウンドの要素を持つスタイルが好きなリスナーには、この1stも楽しめることでしょう。(購入盤Review)


Dreamscape - Very
Rising Sun Productions
(1999)

ドイツ南部の都市: ミュンヘンを拠点に活動しているDreamscapeにとって通産2枚目となるアルバム。多分日本においては、このアルバムが最初に国内盤として登場したので、こちらのアルバムが1stアルバムだと思っていた人が非常に多いのではないかと思います。前作と比べるとニューボーカリストとしてHubi Meiselを迎えたことと、制作意欲も高かった事が功を奏したのか、前作と比べると格段の進歩と極上のProg Metal作品として仕上がっています。Dreamscapeのディスコグラフィーの中でも、最もよく知られているだけでなくドラマティックProg Metal音楽が好きな人達の間でも常に人気度が高い作品であります。

初っ端から、ゾクゾクする旋律とHubiによるメロディアスなボーカルラインから掴みはバッチリ。その後も魅惑満点の楽曲が登場しておりまして、僕は楽しむことができました。Dream TheaterタイプのProg Metalサウンドが好きな人にはジャストミート間違いなしと言っても良いでしょう。前作においても演奏力は充分テクニカルで、メンバーそれぞれの力量の確かさは証明していました。Veryアルバムにおいては、全てにおいて完成度や品質も向上しております。インストパートもそれぞれ光っており、個人的にはシュラプネル系スクールの影響も垣間見ることができるWolfgang Kerinnisのギター奏法も耳を引きますが、それと同時に流麗且つクリーンなシンセワークをさらりとこなすJan Vacikの活躍も見逃せないところでしょう。リズムセクションも、躍動感溢れるビートと変拍子にも対応しております。インスト陣が一斉に校正をかけたり、ドラマティックな展開をみせるところがたまりません。

アルバム前半部分は割りとコンパクトに仕上がった楽曲が並んでいますが、聞くポイントや分かりやすさを大事にしています。後半はPanterei Part IPart3まで組曲構成になったものも含めて、メリハリをつけたバランス感覚にも長けています。いやはや、全編大変楽しむことができました。Rising Sunが倒産したことにより、このVeryのオリジナル盤を見つけることが最近非常に難しくなってきています。日本盤がもし中古市場で出ていたらボーナストラックがドイツ盤よりも少し多かったような気がしますので、見つけたら迷わずゲットしましょう。ちなみにドイツ盤のVeryには、ボーナストラックとしてUltravoxのカバーでDancing With Tears In My Eyesが収録されていますが、非常によい出来だと僕は思います。

Dreamscape自体は、その後Massacre Recordsと契約をしたので、Veryアルバム自体は「Revoiced」という形でリリースされていますがシンガーはHubi Meiselではないので気をつけてください。Private Secretで活動をしているRoland Stollが後年参加して再レコーディングされたものが、Revoicedとして出ています。Very自体の楽曲自体はRolandの声で充分楽しめる内容になっています。この作品と次のアルバムEnd of Silenceは両方素晴らしい作品なので、まだチェックされていないProg Metalファンは要チェックですよ。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Dreamscape - End of Silence
Massacre Records
(2004)

待望の通産3枚目にあたるのDreamscape - End of Silenceが、新しく移籍したMassacre Recordsより2004年の1月下旬に欧州方面を中心にリリースされました。Dreamscapeのバンドの歴史を軽く振り返ってみたいと思います。このDreamscapeは、1986年にリードギターリストのWolfgang KerinnisとリズムギターリストのStefan Gassnerの2人によって結成されました。結成後、メンバー交代を繰り返しながらバンドにとって必要なメンバーが集結していきます 。1992年までのラインナップ・チェンジの中で、現在もメンバーとして活動をしているベースプレーヤーのBennno Schmidtlerが加入。1992年までの時期は、主に自分達の演奏技術を磨く事やリハーサル活動などに専念していたようです。その後、自分達独自の路線を探り出した結果、メロディアスなProgressive Metal音楽に着眼点を置いたスタイルに深化していくことになったそうです。1992年〜95年頃は、主にステージをこなすようになっていった時期でIvanhoe, Skintrade, B-Thongといったバンドなどとも共演を果していきます。それと並行して1993年〜95年の間にはDreamscape (1993), Decisions (1994), Changes (1995)と立て続けに3つのデモ制作します。これらの活動や作品が、実を結びドイツのみならず欧州各国を始め、アメリカ、ブラジル、そして日本でも認知をされていきます。

1996年から1998年にかけての時期は、彼らにとってもターニングポイントになったようです。デモ作品だけでは、レコード会社からの強力なオファーを得る事はできないと気持ちを新たに初のフルレングスに向けての活動に入ります。この時期にStefanとBennoの両人がSchool of Audio Engineeringを卒業し、スタジオ機材を導入。自分達でスタジオワークを実際にトライし、本格的なプロダクションを手がけていくようになっていきました。当初は全てのスタジオワークやプロデュースをするというのは、かなり困難で数々の試練との格闘だったようですが、この苦労が身を結び彼らにとって記念すべき初のフルレングスアルバムTrance Like Stateが陽の目を見ることになります。このTrance Like Stateのプロダクション制作を通し、彼らバンド側のほうでも転機が訪れる事になります。このPre-Productionを通し、バンドにとって正式な鍵盤奏者を必要と感じ次第にキーボードの音が導入されていくことになります。最終的なミキシング段階に入ってから、KeyboardプレーヤーのJan VacikがDreamscapeにとって必要なミュージシャンであるということを確信していきます。しかし、このキーボードプレーヤーを加入させるということが、Dreamscape結成時から重要な人物として活躍していたセカンド・ギターリストであるStefan Gassnerの離脱を決意させます。またStefanが脱退するのと同時に、ドラマーのAndreas Angererも共にバンドを離れて行きます。StefanとAndreasは、Prog Metal音楽とも別れを告げ、この2人を中心にMelodic Hard RockスタイルのDead Men Walkingを結成。彼ら2人が去った後は、しばらく活動もままならぬ状態で、リハーサルすらできない厳しい時期をしばらく過ごす事になりました。

その後、彼らの粘りが効を奏し、新しい敏腕ドラマーのBernhard Huberが加入し再びリハーサルや活動に専念していくことになります。またいくつかのレーベルからもオファーを受け、Trance Like Stateは、ドイツのThe Rising Sun Productionより1997年に欧州全土でリリースされることとなります。後に日本や南米でもリリースが予定されるという形で、期待を結んでいきます(注:ただし、日本でTrans Like Stateの国内盤がリリースされたかどうかは、私はちょっとわかりません)。1998年から1999年にかけては、彼らにとって重要な時期になったと言っても良いでしょう。Trance Like Stateをりコーディング後に、新しい楽曲制作に入ります。また、この頃から新しいバンドメンバーとの協力体制が実を結びリハーサルを繰り返しながら、マテリアルに磨きをかけていきます。この頃、リードシンガーだったTobi Zoltanが活動に意欲をあまり感じられないという理由から、解雇されてしまいます。

その後、高いモーティベーションを持った若きシンガー・ミュージシャンのHubi Meisel氏が加入し、ニューアルバムVeryが完成します。Veryは、1999年にリリースされ、各方面で高い評価と賞賛を受ける事になります。同年に、Jan Vacikが中心となって新しいDreamscape Studioで制作活動をスタートさせていきます。このスタジオでは昨年Prog/Power MetalバンドLanfearのニューアルバムThe Art Effectがリリースされるなど、Dreamscapeのみならず様々なバンドやプロジェクトのレコーディングにも使用されることになりそうです。彼らの活動も順調に行くかと思われた矢先Hubi Meiselは2000年にバンド側との音楽性やバンドサイドの関係などの大きな相違が元で離脱。短期間ではあるが、前任者のTobi Zoltanが舞い戻りコンサートなども行っていたようです。しかし、その後なんらかの理由でTobiの代わりにRoland Stollが公式メンバーとしてシンガーの座に着きます。

どうやら2003年の頃には、アルバムも完成させていたようで少しの期間レーべル探しに入っていたようです。レーベルも古巣のRising Sunから離れて、Massacre Recordsに移籍し、待望のニューアルバムEnd of Silenceを引っさげシーンに戻ってきました。また2004年はかなり精力的なコンサートやライブを行うようで、ドイツ本国やオーストリア方面でもブッキングをしております。また2004年9月にアメリカはGeogia州Atlantaで例年行われるProgPower USAPain of Salvation, Savatageなどと共に参加を表明しております。

さて、いつものように前置きが長くなりましたが、本題のEnd of Silenceに入りたいと思います。まず全体を通して聴いて見た印象は、この約5年間待ったかいのある充実したドラマティックなドイツ産Prog Metalサウンドが間違いなく楽しめるということです。このバンドは、1999年にVeryという良質なアルバムをリリースしていたので次のアルバムでは果たしてどういう方向に進むのか注目していた訳であります。基本的にVeryで確立したスタイルを大事にしながらも、よりハードな側面を強めて来たという感じがいたします。テクニカルな演奏が随所で登場し、変拍子やテンポチェンジを得意としているのは従来どおり見事であります。新しく加入したシンガーRoland Stollの力量も非常に高くて、声質やスタイル的には若干ThresholdAndrew "Mac" McDermott氏に通じるものがあります。ボーカルメロディーも非常にキャッチーで、むしろ前作よりもフックがたくさん導入されている気配すら感じます。冒頭のトラックClockworkから、このアルバムがどうなっていくのだろうか?とワクワクさせられます。伸びのある少し歪みがかかったかのような、シンセリードで幕を明けクランチー且つヘヴィなギターリフ、躍動感溢れるベースライン、パンチ力の効いたドラミング・シンバルワークなどどの部分を抽出して聞いても魅力満載です。確かにテクニカル且つ技巧的にも聴き所が多くあるのですが、Very以上にボーカルのメロディーやフレージングにも大変こだわった作りになっています。曲間にもあまりスペースを置かないスタンスを取っています。1曲終わったら、次、そして次の曲という風に無駄な空間を入れずに巧みに結び付けておりアルバム全体を通しで聴いて楽しんで欲しいというバンド側の意図を感じさせます。スピーディーかつテンションの高いClockworkを始め、キーボードのタッチによって生み出される繊細且つメランコリックなShort Time News, 約22分にも及ぶ大作The End of Lightに至っては万華鏡のように様々な場面がカラフルに登場します。その後に続くAll I Needは、彼らにしては非常にストレート且つシンプルでありながらも情感溢れるバラードに仕上げております。このほかにも緊迫感あふれる演奏や技巧的にも楽しめるポイントが満載の楽曲がSilent Maze, Flow, More Than, Infected Ground, You Don't Know Meと続いております。一時期は、「活動も停止なのか?」というファンが持っていた不安を大きく吹き飛ばしてくれる力作を楽しむことができると思います。2004年の2月初頭に入手して以来、ヘヴィーローテーションにしておりますが非常に僕は楽しんで聴いております。

スタイル的には確かにDream Theater, Vanden Plas, Ivanhoe, Thresholdといったバンド勢に近い親しみやすいドラマティックな路線が貫かれています。技巧的でありながらも、分かりやすいサウンドをキープするというのは、とても至難な業のように思いますがこれをEnd of Silenceでは見事にクリアしております。個人的には、Dreamscapeの楽曲制作において重要な役割をしているであろうJan Vacikのキーボードワークやスタジオワークの活躍ぶりを高く賞賛したいと思います。バンド結成時より、このバンドの中心人物として切り盛りをしているWolfgang Kerinnisは前作と比べて実験的にクランチー且つヘヴィな路線を出しつつも、80年代に見られたシュラプネル的なギターテクニックもさらりとこなすなどギタープレーにも光るものがあると感じました。前面にはあまり突出しないものの、グルーブとリズム面でコンスタントにプレーするBennno Schmidtlerも重要なファクターとなっている。CDのクレジットから拝見する限りドラマーのBernhard Huberは、柔術やテコンドーなどの心得があるようで、それが自然とプレーにも影響を与えておりシンバルワークやドラミングも無駄の無いシャープ且つ的確にビートを刻んでいる。切れ味のある変拍子やテクニカルなリズムを繰り出す事で大いに貢献している事も注目したい。

このアルバムを聴く限り、彼らの今後の展開に大きく注目させるほどの魅力があると強く思わせるものがある。ライブやリハーサル活動を通して今後も磨きをかけていただきたいものだ。前作のVeryも大変高品質な演奏や楽曲が展開されていて僕は気に入っていますが、この新作End of Silenceも大変完成度が高くて楽しんでおります。End of Silenceは、Prog Metal作品を主に聴くリスナー層だけでなく、全般のMelodic HR/HMが好きな人達にも大きくアピールする内容を提示していると思う。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Dreamscape - Revoiced
Massacre Records
(2005)

この作品は厳密に言うと、Dreamscapeの新しいフルレングス・アルバムではありません。既にリリース済みの1stアルバムの「Trance-Like State」と、2ndアルバムの「Very」の内容を含む、初期から中期を包括した企画アルバムという認識の仕方をしています。現シンガーRoland Stollによって新しく歌を差し替えた内容になっています。1stのTrance-Like Stateと2ndのVeryに収録されていた楽曲が、どのようなものになっているのか?ということが、今回この作品を聴く上でのポイントでありました。

バンド全体による演奏は、かなり堅牢でテクニカルなパートの応酬などは流石であります。ギターやキーボードを中心としたソロイングなども流麗で、これまで1stや2ndで展開していたものを忠実に再現しています。気になるRoland Stollのボーカルラインやパフォーマンスも上々であります。元々はHubi Meisel達が歌っていた楽曲をどういったアプローチで歌うのか?ということが気になってましたが、彼なりのスタイルでエモーショナルに且つ伸び伸びと歌っています。特にVeryの楽曲では、Rolandらしい歌いっぷりを発揮していると思います。

聴き手によっては、このアルバムの認識の仕方はそれぞれ違うのかなーと思います。既にDreamscapeの1stと2ndアルバムを持っている人にとっては、特に新鮮な部分は歌の部分を除けば、あまり多くは無い筈です。それから、前任者達の歌うスタイルに馴れ親しんでいるリスナーにとっては、かなり違和感が残るように思います。僕も正直言って、Very時代の楽曲におけるボーカルメロディーに関しては、少し違和感がありました。ですが、聴いていくうちに違うアプローチもアリだなーということで、全く気にならなくなりました。色々と違いや思いを巡らしてきましたが、既に初期2作品をリリースしていたRising Sunが倒産していることもあり、現在ではDreamscapeの初期の作品やVeryに中々触れる機会も限られてきております。この機会に彼らの前の作品を聞きたいという人には、きっとRevoicedを楽しんでいただけると思います。

ちなみに、既に御存知の方が多いと思いますが、Dreamscapeの要的存在であったドラマーのBernhard Huberが「音楽の相違や個人的な理由」などから離脱しました。7for4Klaus Englが新しいラインナップの一員として一時的に参加しておりましたが、早くも新作には参加しないと表明(やっぱり7for4が彼の本体なのでしょう)。どうやら、Klaus Engl氏はDreamscapeから既に離脱をしているということで、また後任者を探さないといけないようですね。

・・・あと音楽的内容には、全く関係無い話ですが、ブックレットに載っているKlaus Englの写真がナインティナインの岡村さんにクリソツなのは一体どうしたことなんでしょう?。気になる人はRevoicedを購入したらKlausの写真に注目です。ドイツ系の岡村さん状態です(笑)。Dream TheaterVanden PlasなどのドラマティックなProg Metal系の楽曲スタイルや、Hubi Meiselなどのメロディアス系の音楽が好きな人には大変アピール度が高いので、お薦めしたいです。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

discography:


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