ELI
country: Multi-National (Italy〜Finland)
style/genre: Gothic Metal, HR/HM, New Tendencies, etc.
website: http://www.myspace.com/elisapezzuto
related bands/artists: Eliza Pezzuto, Lars Eric Mattson (Mattson), Luca Bellanova, etc.
similar bands/artists: Within Temptation, Dreams of Sanity, Mattson, Theatre of Tragedy, etc.
artist info: 女性ボーカリストEliza Pezzutoを擁するシンフォニック・ゴシックメタル系プロジェクト。



Eli - Darkness Will Fall
Lion Music
(2008)

Lion Musicの責任者であるLars Eric Mattsonが主導する新しいGothic Metal系プロジェクトの第一弾。以前からシンフォニック寄りなゴシック・メタル系シンガーを中心にしたバンドを始動するということが噂されていました。「リリースされるのが長引きそうかな?」と思われていましたが、2008年の12月ギリギリの発売に間に合いました。このEliは、イタリア人女性ボーカリストEliza Pezzutoをフューチャーした楽曲指向のサウンドになっています。レコーディング自体は、イタリアとフィンランドの別々で収録していたようです。録音をした場所は異なるものの、音の感触は割りと良好で問題は無いように思いました。2008年の前半にリリースされたMattsonの最新作「Dream Child」で起用されたAdrienn Antalを主役に据えたように、この「Darkness Will Fall」のアルバムでも同じようにEliza Pezzutoの歌を中心にしたかったというのが如実に伝わってきました。気になるEliza Pezzutoの歌声はクリーンで、シンフォニック系ロックやゴシックメタル系の女性ボーカリストに通じる美しくも儚げなスタイルの持ち主です。オペラティックに歌い上げるよりも、割と自分の声質に素直に丁寧さを心がけています。女性ボーカル全体を好むリスナーにはアピールする歌声の持ち主だと感じました。

これまでのラッセさん(勿論Lars Eric Mattsonのことです)のプロジェクトと違って、Lion Musicの有力なミュージシャン有志の皆さんが勢揃いという訳ではありません。スタイル的には、これまでのラッセさんが培ってきたメロディーラインや癖みたいなものがあるので、評価は当然賛否分かれそうです。ラッセの路線が昔から苦手な人には、そっぽを向かれてしまうかもしれません。が、しかし、今まで彼が得意としているNeo-Classical/ProgPower Metal寄りな色合いは割と薄くなっております。最近の彼の興味のシフトが、Within Temptationのようなシンフォニック風味のあるゴシックメタル系に移っていることが、今まで以上に良く表れた作風になっています。楽曲の構成は割りとストレートな作りとなっており、アレンジも特に複雑なものにはなっていません。シンプルでストレートな路線が功を奏しているだけでなく"Darkness Will Fall"辺りの楽曲などでは、シンセサイザーや打ち込みなども以前より導入しています。そのせいか、新鮮に聴こえるところもあって個人的には実に面白い。

殆どの楽器はラッセが担当しており、ドラマーとストリングス・セクションは自分の親しくしているミュージシャン達を起用しています。さらに今までと違う点で言えば、普通は必ずと言っていいほど得意な速弾きギターソロやリード・プレーなどが入っているのが彼のプロジェクトの特徴です。ところが、そういったソロは随分抑え目にして我慢しているようにすら聴こえます。例外で"Leave Me Here"やタイトルトラックの"Darkness Will Fall"というドラマ性を含む楽曲等で、ギターソロやシンセサイザーの音が多少目立つところがある程度にしています。個人的に評価したいのは、ラッセが結構入れたがるエレクトリックシタールぽい音を使っていないこと(笑)。あの手の音が入った楽曲は何故か、作品の流れをストップさせるような感じがあったので、その辺りは変に安心しました(^^;)。

上でも挙げましたが、自分の演奏を目立たせるということよりも、楽曲やElizaの歌を引き立てることを大切にした作りにしているため、ラッセがこれまでに作ったプロジェクトの中でも割と聴きやすくキャッチーな部類に入れてあげたいぐらいの仕上りで完成させたことは、まるで自分の事のように嬉しいかもしれません。隠し味として、これまでのラッセさんが持っている独特なProgPower Metal要素だけでなく、さらにKeyboardや打ち込みサウンドを入れて楽曲に彩りを加えて輪郭がついたというか、面白くしている場面があったのは大きく評価したい。気になったのはテンポが結構似たり寄ったりしていることと意図的にストレートに仕上げているため、聴いていて飽きてしまう場面もポツポツあったのが少し残念。どのようにして聴き手を飽きさせないようにするか。どのようにアレンジを突き詰めていくかが、ラッセにとっては今後も勝負の別れ目といったところになるでしょう。(プロモ盤Review)

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