ENGINE OF PAIN
country: The Netherlands
style/genre: Thrash Metal, Melodic Death Metal, Extreme Metal, etc.
website: http://www.engineofpain.com/
related bands/artists: After Forever, FORM, Stormrider, Marcel Coenen, Severe Torture, etc.
similar bands/artists: Sacrifice, The Haunted, Exodus, Slayer, Testament, In Flames, Mercenery, etc.
artist info: あのWacken Open Airでもライブ出演の経験があるスラッシュメタル系グループ。



Engine of Pain - I'm Your Enemy
Lion Music
(2007)

オランダ国内を中心に忙しく活動をしていたEngine of Painによるフルレングス・デビューアルバム。アルバム全体で、軽快且つアップテンポでスラッシーなメタルが展開されています。音楽的には、まさにSacrificeSlayerなどを真っ先に彷彿させる正統派Thrash Metalそのものであります。最初はレーベルの表記を間違えているのではないか?と思ったりしましたが、そんなことはありません。まさしく、あのLion Musicから出ています。全編に渡って胸がスカっとするThrash Metalで、「ストスト・ストスト・・・」とあのテンポのいいドラムとリズム、そしてシャープで切れ味のあるギターリフによる刻み具合、そして野獣のようなリードボーカルが暴れまわるといった、これぞThash Metalという他無いです。

これはメタラーにとっては、ヘッドバンギングにはもってこいです。マリンスポーツの行きや帰りに気持ちを盛りあげるのに最高ですし、Town & Country系(?)が好きなサーファーにも聞いていただきたい・・・違った意味での爽快感がありますよ(ケーブルテレビのサーフィン番組を見ているとハードコアやスラッシュぽい音楽がよく流れているので、そういった文脈で読んで下さい)。しかし、それらに加えて欧州のMelodic Death Metalやコアな路線の音楽からの影響も自分達のものにしていて、スラッシュ系が好きな人にはきっと好まれるサウンドだと思います。もちろんアメリカのベイエリア系のスラッシュの素地を大事にしつつも、隠し味として新しい要素も溶け込ましています。うーむ、やはりこういう音楽を聴くと自分の中に眠っているメタル魂が燃えあがってきますな!。いいものを聴かせてもらいました。

実はメンバー全員が新人という訳ではなく、既にオランダのメタルシーンでは名の通った人達を含んでいます。リードボーカリストは、Sun Cagedの初期のデモ作品、そしてMarcel Coenenの2ndアルバムでも野獣咆哮系の声を聴かせてくれたので名前は見たという人もいらっしゃると思いますが、Nick Hameury(元FORM)が全編においてリードボーカルを司っています。またドラマーは元After Foreverで叩いていたJoep Beckersなる人物ですが、相当スラッシュ・メタルの心得を持ったプレーヤーだというのが音を通じて認識できます。バンドのオリジナルメンバーとして活動しているベーシストのMaurice BrouwersとギターリストのPatrick Waltmansの2人が、Engine of Painの母体を形成することに貢献しているわけですが、この2人も新人というよりも足のついたプレーをしていると感じることができるでしょう。特にMaurice Brouwersは、やはりMarcel Coenenのソロアルバムにも参加したことがありますので、ベース奏法もしっかりしています。上でも挙げたように、ストレート且つシンプルな形態のスラッシュ・サウンドですが、底辺をしっかりさせてハード且つスピーディーに楽しめる作風になっているところが特徴でありましょう。プロダクションも結構入念に仕上げているせいか、聞いた後の疲労感はなく、むしろすっきりとスポーツをやった後の爽快感みたいなものがあります。

ただし、ボーカル面に関して言えばかなりの野獣系なので、その辺りが苦手な方は注意をしてください。ハード系やスラッシュ路線、それから最近のヘヴィー指向の欧州メタル・アメリカンメタルが好きな人ならボーカルも気合が入っているので、その辺りも含めて充分満足できるのではないでしょうか。ある意味、このアルバムはNick Hameury以外にも、所謂ドスの効いたデス声の見本市みたいな部分もありまして、オープニング1曲目でCallenish Circleのボーカル、そしてMarcel CoenenのDVDでも強烈無比は声を得意としていたSevere TortureDennis SchreursDesensitisedWilbert Janssenらによる野獣咆哮声にヘヴィー声ファンも納得していただけるのではないでしょうか。80年代当時のスラッシュのムードを伝える上でサウンドのみならず、歌詞にも政治的なテーマや日々の暮らしに関わる彼等なりのメッセージも含まれているので、当然ボーカルのトーンは暴力的だけでなく、ちょっと危なっかしい言葉や表現が入っているので、その点はご注意ください。あの悪名高きPMRCから文句がきそうな雰囲気も漂っていることは(右下隅に例のステッカーが貼ってある・・・こんなの見るの久しぶりですね・・・笑)、面白半分にボーカルや歌詞カードから探し当ててみてください(^^;)。というか、書く順番が逆になりましたが、ジャケットアートもかなり物騒ですね。

既にオランダ国内のメタルシーンや近隣の欧州諸国でも話題になっているようですし、個人的には久しぶりに気持ちがいいスラッシュ・サウンドに出会えたなーと思います。特にテクニカルでコンプレックスな路線を狙っている訳ではないのですが、スラッシュ系にある爽快な気分と熱いパッションが不思議な具合に混ざりあっているという思いました。またAfter Foreverとの繋がりのため、ドラマーだけでなくゲストに凄腕キーボーディストのJoost van den Broekが1曲目と4曲目のイントロ部分でスペーシー且つフューチャリスティックなサウンドで花を添えております。同郷のTextures辺りやベイエリア・スラッシュ系のサクサクっとした音作りを得意としたグループが好きならば、結構楽しんでいただけるんじゃないかと思います。(プロモ盤Review)

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