Fallin' Time - Point of No Return
99th Floor/Elevate Records
(1999)
イタリア出身のシンフォニック・ProgPower MetalグループのFallin' Timeが、1999年にリリースした1stアルバムです。このアルバムでは、一貫したストーリー・ラインを持たせております。特に大げさなストーリーではありませんが、あらすじ的には地球に舞い落ちてしまった天使が、新しい生き方を模索したり、自分自身を熟考するような場面をクローズアップした物語になっています。ジャケットには女性が描かれていますが、そもそも天使の概念は男性であったりすることが多い筈なんですが、この辺りの性別は判断するのが難しいですね（性別を分けるのは余計なことでしょうか？）。おっと脱線しちゃっていますので、Point of No Returnの印象に戻ります。前半は、シンフォニック・メタルやスピードパワー系メタル寄りの勢いとテンポの早い楽曲が目立っています。彼らの場合は、女性と男性のリードボーカリストを擁していることが特徴でありますが、基本的な路線はフランスのHeadlineやオランダのForever Times、日本のMarge Litchに通じるかのような側面も見せています。それから場面によってはコンプレックスな側面を見せており、単純にシンフォニックメタルとかメロディックメタルという括りかたをさせないのが、イタリア出身のHard Rock/Metal系のグループでありますね。アルバムを聞き進めていくと、次第にProg Metalテイストが強まっていき、場面ではかなりハード・ドライビングに攻めつつも緻密な要素も絡めていて面白いと感じました。ギターの激しいソロだけでなく、レーザービームを想起させるようなKeyboardによるソロも登場しますので、この辺りはSecret SphereやLabyrinthなどが好きな人も歓迎できるのではないでしょうか。最初彼らの音楽に接したときは、殆どどんな感じの音楽かというのが未知数でしたが、想像していた以上に楽しめたのが意外でした。スピーディーでアップテンポなProgPower路線やイタリアン・メタル全般が好きな人にはアピール度が高いでしょう。(購入盤Review)