FARO
country: Multi-National
style/genre: HR/HM
website: http://www.somapala.com/
related bands/artists: Avalon, Red Circuit, Markus Teske, Mind's Eye, Jaded Heart, etc.
similar bands/artists: Biloxi, Gotthard, Pink Cream 69, Hardline, Scorpions, etc.
artist info: Chitral "Chity" Somapalaを擁するメロディアス・ハードロック系グループ。



Faro - Dawn of Forever
MTM Records
(2003)

現在ドイツを拠点に活動をしているスリランカ出身のボーカリストChitral Somapala達を中心としたHR/HM系グループの1stアルバム。Faroというバンド名は、ポルトガル語で「灯台」という意味があるらしいです(勘違いしていたら、スイマセン)。当然ChityことChitral Somapalaは、ドイツのProg MetalグループのAvalonの活動を通して欧州では名前が知られている実力の持ち主です。このDawn of Foreverでは、実力派ドラマーとしてMind's Eyeでお馴染みのDaniel Floresも参加しています。ギターリストにはスペイン出身のFrank Rohles、ドイツ人ベーシストのPeter Hahnといった具合にバンドは4人で構成されています。プロデューサーには、Vanden PlasやSymphony X等のプロデュースにも携わったMarkus Teskeが迎えられて制作されています。

特にAvalonやMind's Eyeからのメンバー達が参加しているので、Prog Metalタイプのバンドかと思った方もいるかもしれません。ですが、意外なことに直球ストレートの大変キャッチーなメロディアス・ハードロックを指向しています。"Living In Extremes"や"You're On The Run"辺りのアップテンポで疾走感のあるエッジの立ったHR/HM系の楽曲を聴く限り、BiloxiPink Cream 69James Byrd's Atlantis Rising、ベテランのScorpionsを彷彿させるカッコよさと素晴らしさです。Chityの歌声と熱いボーカル・ワークは非常に素晴らしく、流石だなあと感嘆しました。今回の作品でChityと一緒に音楽面をメインで担当しているFrank Rohlesの演奏を聴くのは初めてだったのですが、様々なセッションワークを積み重ねているだけあって仕事人としての巧さを感じさせます。どうやら、彼は自分のバンドではQueenのトリビュートバンド: Innuendoに在籍しているそうです。リズム隊は流石の安定感を誇っています。

ミディアムテンポやバラード風の曲は、アメリカン・ロック的なドライなところを見せる場面もあります。欧州的なHR/HMだけでなく、アメリカン風のグルーヴィーなサウンドも含んでいます。特にテンポを落としたタイプのリズミックな箇所では、Strength In Numbers期のTykettoを彷彿させるところがあります。隠し味としては、薄っすらと冷ややかなキーボード音やSEなども使われています。時々、プログラミングされたような音を背後で聴く事もできますが、この辺りのインプットはMarkus Teskeによるものでしょう。特に奇抜なところは見られません。でも大変安心して聴ける良質なハードロック寄りの音楽が全編で展開されています。個人的なハイライトはやっぱりアップテンポで速い演奏を強調した1曲目の"Living In Extremes"と5曲目の"You're On The Run"は楽しむことができました。全体的にそれぞれの楽曲がコンパクトに作られているので、聴きやすいのがセールス・ポイントです。思ったよりもアメリカ的な色合いが強い曲も目立つので、その辺りは好みが分かれるかもしれません。歌メロやコーラス部もよく練られていて親しみやいし、この手のメロディアス路線のロックが好きな一般のHR/HM系リスナーには受け入れられる可能性が高いです。(プロモ盤Review)

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