GATHERING, THE
country: Netherland
style/genre: Atmospheric Metal, Gothic Metal, Trip Rock, etc.
website: http://www.sandandmercury.com/
related bands/artists: Ayreon, etc.
similar bands/artists: Lacuna Coil, Flowing Tears, Moonlight, etc.
artist information: 歌姫Anneke van Giersvergenを擁する、ゴシックメタルの開拓者。



The Gathering - Mandylion
Century Media
(1996)

ゴシックメタル〜アトモスフェリック・メタル界隈の音楽が好きな人ならば、知らない人はいないと言ってもいいかもしれません。アルバムを出すたびに自分達の世界観に根ざしたサウンドを重視した活動を展開しています。類稀なる歌声を持つAnneke van Giersvergenを擁し、非常に独特なものを持っています。「清廉さ」と「妖艶さ」の両方を併せ持った、幻惑的な歌唱を楽しむことができます。バンド自体は、ゴシックでメランコリックな要素が強いヘヴィーロックを得意としております。

私もひょんなことから、Century Mediaのサンプラーに入っていたThe Gatheringの音楽に出くわしたのですが、これまでのメタルやハードロック・サウンドとは違う、どこか別の世界に誘ってくれるような個性的なサウンドに惹かれてしまいました。The Gatheringは、このアルバムで独自の音楽性を確立したと言えるのではないでしょうか。オープニング・トラック「Strange Machine」から、いきなりの大衝撃でした。なんといっても楽曲がどれも素晴らしく、「Eleanor」という曲に至っては、このバンドからしか出てこない魅力に満ち溢れております。彼らの場合は、テクニカル系のロックやメタルなどのように、圧倒的な演奏力で攻めるタイプでもありません。ドラマティックで、シンフォニックなサウンドで包み込むようなタイプでもありません。むしろ、それらのスタイルと比べると、全然違うベクトル方向を指しております。メランコリックで内省的な、一言で言えば「ゴシック」で「ドゥーム」という形態のサウンドなのです。にもかかわらず、これほどの魅力と異彩を放つサウンドを、自分達のものとしている。いやー本当に、とても新鮮で驚かされました。

とにかく、このバンドはアルバムを通して聴いてみて何かを感じて欲しいです。特に、メタルやヘヴィーロック音楽が閉塞してしまったと強く感じている人には、一度聴いて欲しいバンドだと思う。AyreonPink Floyd、そしてWhite Willowのようなスペーシーなプログレッシブロックが好きな人や、WolverineCold Light of Mondayを好んでいるリスナーには、大変アピールするのではないかと思います。一方で「メタルやプログレ以外はワシは音楽としては認めん&許さん!」というコアなリスナーの皆様の心もいちころに粉砕してくれるのではないでしょうか。百聞は一見にしかず・・・、聴いて皆さんご自身で魅力を発見してみてください。(購入盤Review)


The Gathering - if_then_else
Century Media
(2000)
女性リードボーカルを含むグループの代表格として、Hard Rock/Metalファンに認知されているオランダが誇るThe Gatheringif_then_elseは、2000年にリリースされた素晴らしいアルバムの1枚として認知されています。彼等は、どちらかと言えばゴシック・メタルと呼ばれる範疇の音楽をやっているという印象が強い存在だと思います。アルバムを出すたびに、他のバンドとは違うものを提供して今日も多くのリスナーを虜にしています。ある意味トリップ感を重視しつつ、浮遊感のあるスペーシーでアトモスフェリックな要素を武器にしています。

このアルバムに関して言えば、曲調や鍵盤楽器・シンセ類の使い方などからProg Rock風な要素も感じたりしますが、やはりこのバンドの重要な位置をしめているのは、女性ボーカリストのAnneke van Giersbergenその人でありましょう。各アルバムごとに違った音楽性を展開していますが、このif_then_elseは、彼等にとって集大成的な作品なので、今までアトモスフェリック系ヘヴィーロックって何?って思う人たちにとってはある意味入りやすいかもしれません。ゴシックでメランコリックな要素が強いヘヴィーロック・メタル音楽をプレーしていた時期がお好きならMandylionNighttime Birdsなどの作品をお奨め致します。ですが、様々なタイプの要素をタペストリーのように絡めたタイプの音楽が好きなら今回レヴューで取り上げているif_then_elseをお奨めします。

このグループに関して言うと、うちのページで紹介している多くのProg Metal系やTechnical Metal系などのようにテクニカルにびしばし攻めるわけではありません。様式美系メタルのように、めくるめくドラマティックな音の洪水とは全く違う世界に立っています。雰囲気や空気感を重視した音楽性といえば分かりやすいでしょうか・・・・それが所謂アトモスフェリックやゴシックなどといった言葉で表される要素を持つ音楽の質感と言ってもいいかもしれません。例えば、Ayreonの静か目な楽曲やPink Floydのようなスペーシーなプログレッシブ・ロックが好きな人には大変アピールすると思います。

90年代や2000年以降のモダンロックの要素もかなり入っているので、このモダンな要素とどれだけ仲良くできるかが、聴き手によって異なるかもしれません。個人的には凄く気に入っておりまして、このアルバムからのお奨めとしては、Rollercoaster, Amity, Colorado Incident, Herbal Movement, Saturnineなどがお奨めです。最後に余談で終わりにします。Annekeをアネクと発音するのだと長いこと思っていましたが、どうやら違うみたいです。オランダ現地の人によると「アニーカ」という感じで発音するのが最も近いそうです。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

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