HARRIS, MICHAEL
country: United States
style/genre: Technical Rock, Guitar Instrumental, Neo-Classical, Fusion, Prog Metal, etc.
website: http://www.michaelharrisguitar.com/
related bands/artists: Arch Rival, Thought Chamber, Surgeon, Tyrant, David T. Chastain, etc.
similar bands/artists: Milan Polak, Arch Rival, Lars Eric Mattson, Freak Kitchen, Marcel Coenen, Freak Neil Inc., etc.
artist info: Leviathan Recordsで長年キャリアを積んだテクニカル系ギタープレーヤー。数々のインスト作品をリリースしております。



Michael Harris - Words Collide
Lion Music
(2003)

Arch Rivalのギターリストとしてよく知られている、Michael Harrisが2003年にLion Musicよりリリースしたニューアルバム。Leviathan Recordsの領袖David T. Chastainとの連携が深い人というイメージを持っていたので、Lion Musicからアルバムを出したということが、インスト系のファンの皆さんには驚きだったのではないでしょうか。2003年頃から、Lion Musicから非常にクオリティの高いギターアルバムやProg Metalバンドによるリリースが急増してきましたが、Michael HarrisがリリースしたWords Collideも、その仲間に加えても何の遜色も無い筈です。Lionから出したということは、もうLeviathan Recordsから足を洗ったのでしょうかね?。

Michaelの場合は、アメリカのテクニカル・ギターリストや、昔のVinnie MooreTony MacAlpineなどのようなShrapnel系に通じる様式美の強いテクニカル系のHard Rock/Metal指向のプレーヤーというイメージを勝手に持っていました。ところが、このアルバムからはそういう気配は殆ど感じられません。Lion Musicに所属しているギターインストものや、それこそProg Metalタイプの楽曲がかなり目立つ内容となっていて、個人的には非常に魅力的です。このアルバムでは、ギタープレーの技巧追及型というよりは、ソングライティングに拘った作風にしていると思います。様式美HMやネオクラシカル的な音楽を彼に求めていた人は、ビックリしてしまうでしょう。というよりも、ある意味大きく失望してしまう内容かもしれません(^^;)。

いろんな意見が噴出してると思いますが、このアルバムはよく聴くと大変楽しめますよ。バラエティ豊かな音色やフレージング、それから面白い楽曲が、次々と登場してます。そして、このアルバムではMichaelの歌がほぼ全編に渡って登場しています。僕個人は、彼の声質や歌い方は、こういう新しい感覚の楽曲にマッチしており違和感無いと思います。最初はかなり取っ付きにくいと感じるリスナーも少なくないと思いますが、聞き込んでいくとかなり面白いと僕は思いました。一風変わったような曲やスタイルなどは、Freak Kitchen、元Sun CagedRob van der Looが率いるFreak Neil. Inc.、果てはSpock's Beardなどにも通じるものがあります。Battle Fatigueという楽曲では、Dream Theater的なギターインストと言いたくなるようなProg Metalタイプのテクニカルな展開や構成もあって、非常に楽しく聴くことができました。

ひょっとしたら、このアルバムが今後の彼の活動を見極める上で、重要なターニングポイントとなる作品かもしれません。基本的には、この作品は殆どの楽器はMichael Harrisが担当しています。ところどころで、キーボードやシンセ風の音がフューチャーされておりテクニカルなユニゾンなどもあって、痛快です。キーボードは誰が担当しているのかなーと思いきや、「Keyboardは全く使用していません」という但し書きがあるので、これもMichael Harrisによるものなんでしょう。シンセ・サウンド〜キーボード的な音は、ほぼ全部Synth Guitarで出しているようなんですが・・・でも、あきらかにこの出音は、「ギターシンセでプレーするのはかなり大変なんではなかろうか?」と思ったりもしました・・・誰かKeyboardistを仕込んでいるのではないか?と思わず勘ぐりたくなるが、まあいいでしょう(笑)。でも仕上がりがいいので、違和感はないです。ドラムやパーカッションは、兄弟のBrian Harrisがプレーしています。非常にダイナミック且つパワフルな演奏を楽しむことができます。

結果的に、ユニークな出来の作品で私は充分楽しむことができました。Lion Musicからリリースされている作品の全般が楽しめる人には、特にお薦めいたします。Marcel CoenenMilan Polakなどのように、最近はギターリスト達の間で、技巧的な部分とソングライティングの特性をいかした作品作りがトレンドでありますね。そういったトレンド(?)の先鞭となる作品をいち早く作ったMichael Harrisの功績は、重要だと僕は思います。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Michael Harris - Ego Decimation Profile
Lion Music
(1996/2007)

90年代からコンスタントな活動をしていることで定評のあるテクニカル派ギターリスト、Michael Harrisの再発盤です。オリジナル盤のEgo Decimation Profileは、1996年にリリースされておりました。近年ではLion Musicから出した数点のアルバムにより欧米方面のインストファンに注目を集めているようです。さらに技巧派Prog MetalグループのThought Chamberに参加するなど様々な方面からMichael自身が注目を集めていることが後押しにもなったのでしょう。装いも新たにリミックス・リマスターを加えたものが再び登場となったわけであります。ひょっとしたら、彼自身もお気に入りの作品なのでしょう。確かに全編に渡って非常にスリリング且つ充実したギターアルバムに仕上がっています。特にこのアルバムでは、ミキシングに気を配っている様子が如実に伝わってきます。確かにリード・ギターとドラムのサウンドに非常に厚みがあります。当然ギターインスト系が主体の作品ですが、当時活躍していたギター作品とも少し印象が異なるようにも思いました。ある意味テクニカルなハードフュージョン的なサウンドとも言えるでしょう。Prog Metal的な要素も含まれており、テクニカルな側面がアップするインスト全体のサウンドが個人的には気に入っています。Michael Harrisというと、シュラプネル系が好きなリスナーにもアピール度が高い筈です。ネオクラシカル系の要素も少し含まれていると思いますが、その辺りはかなやや控えめにしているせいか、Patrick RondatMagnitude 9Rob Johnsonのソロ作品を彷彿とさせます。濃密でパッショネイトなギター奏法は、Tony MacAlpineVinnie Mooreに通じるタイプと言えるかも知れません。いろんなスタイルを標榜しているタイプなので、ハードなフュージョン風サウンドが好きな人にも楽しめる作品だと思います。テンションの高い攻撃的な楽曲を始め、上でも挙げたようなハード・フュージョンタイプが気に入りました。それからファンクやグルーブ、果てはプログレッシヴなフィーリングを秘めたものも含めてバラエティに富んだ演奏や楽曲にしようというアプローチが見事開花した内容と言えるかもしれません。Michaelが主役とは言え、リズムセクションも活躍し充実しております。クレジットをよく見るとドラマーにRob Stankiewicz等の名も登場しており、なるほど納得しました。テンポチェンジや緩急、それから場面によってはハード・ソフトと使い分けていて楽しませてもらいました。Lion Music系の音楽を始め、Shrapnel系やLeviathan Record出身のギターサウンドが活躍するタイプが好きなリスナーには満足する仕上がりとなっています。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


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