HAUTEVILLE
country: France
style/genre: Prog Rock, Hard Prog, Melodic Rock/AOR, New Tendencies, etc.
website: http://groupehauteville.free.fr/
related bands/artists:
similar bands/artists: 3, Robert Berry, Trevor Rabin, Magellan, Mullmuzler, Mind's Eye, Saga, Yes, etc.
artist info: Prog/AORサウンドを基調としながらも、新しい息吹を感じさせるメロディック系グループ。



Hauteville - Relief Data Incomplete
NEH Records/Lion Music
(2006)

90年代中期ごろから活動を継続しているHautevilleにとって、「会心の一撃となるか?」のニューアルバムです。少しづつでありますが、うちのサイトでも段々とフランス出身のProg Rock/Metalバンドや、ミュージシャンを紹介する機会が増えてきました。欧州方面の音楽は、これまでにも日本で数多く紹介されておりましたが、フランス勢に関して言えばプログレ方面のファンや、一部のコアのHR/HMファンやリスナーを除くと、残念ながら、あまり注目を受ける機会はそれほど多くなかったように思います。しかし、ここ数年というもの大御所やベテラン勢のミュージシャンやグループだけでなく、若手の中にも大変有望なバンドが実は多く登場しているのであります。世界的なシーンから見てもイタリア・フランスを始め、南米や東欧、そして私達の国、日本などのように英語を母国語としないミュージシャンやグループの中から、大変興味深いアプローチで臨んでいる音楽集団が台頭してきているのやもしれません。

うちのサイトでもレヴューで挙げた、個人的にも大好きなLaluHeadlineを始め、Lord of MushroomsそしてAdagioなど音楽のレベルそして楽曲の質など、とても高いものを提示しているものが少なくないです。また最近非常にProgシーンで大きな話題をさらっているNemo、そして個人的に大変気に入ったParallaxSpheric Universe ExperienceDreamlost、それからVenturiaなどのようにプログレメタル方面を見渡すだけでも、特に新人の台頭が活発になっております。個人的には、これからもますますフランスのシーンから目が離せないと思っていた頃に、Hautevilleの新譜をゲットして内容全体に大変興味を持った訳でございます。フランスのバンドという注釈が無ければ、スウェーデンや英国出身のバンドと間違えられる可能性があるほど、フランスからイメージされるサウンドとは、大分異なるような気がします。

この作品Relief Data Incompleteは、僕が上で主に挙げたテクニカル系あるいはコンプレックス・タイプのProg Metalとは大分異なるアプローチを取っています。一言で言えば、80年代以降にヒットチャートを駆け上がったProg/AOR路線の香りがプンプンしています。80'sの洋楽やメロディアスRockサウンド全般が好きな人には、非常に楽しめると思います。まず個人的に面白いなーと思ったのは、ストレートでシンプルなスタイルの中にも、Tori AmosFiona AppleEvanescence辺りに通じるサウンドも登場していて、新しい息吹がヒシヒシと感じられることです。楽曲の多くは、AOR路線や、アダルト・コンテンポラリーの味わいを見せるプログレ風サウンドが根っこにありますね。特にアルバムの前半ではRobert BerryMagellanTrent Gardner辺りが見せているアプローチに非常に通じるものがあるということも顕著なところであります。特に序盤の2曲は、Trevor Rabinのソロ作品を連想させるところもありますし、Magellan風というかTrent Gardnerが参加したMullmuzler風の色合いもあったりします。ビッグなサウンドを信条としたHard Prog的演奏が展開されています。

実は個人的には、3曲目以降の楽曲に強い関心を持ちました。女性リード・ボーカリストLydie Gosselinの特性をいかした柔らかな歌メロが素晴らしく、彼女の声質は好みですね。パワー系のシンガーではなく、自分のできる範囲内で思う存分表現をしているところもグッド!。グループ全体でみていくと、彼女の歌と楽曲を中心にしたスタイルを信条としております。なるべくテクニカルに走り過ぎないように抑えていますね。控えめでありながらも、ジワーっと味わいがあります。特にギターリストのDenis Turmelの扇情的なギターラインは、素晴らしいです。Hautevilleの演奏陣一人一人の腕前は中々のものであります。どの楽曲も丁寧に作られていると思いました。特にバックグラウンドで鳴っているキーボードや、Prog/AOR風味の強いシンセ音。打ち込み風のサウンドなどを始め、色んな部分を上手くまとめて、プロデューサーとしての役割も持つ、Didier Therryの働きがとても素晴らしいです。サウンドやスタイルの様相は違うかもしれませんが、Mind's Eyeに通じる知的且つ上品なプロダクションで興味深い。個人的なハイライトは、7曲目から9曲目などが中心になりますが、どれもよく練りこんで作られているので楽しむことができました。

聴き手によっては、あっさりし過ぎかな?と思うリスナーもいらっしゃると思います。またテクニカル指向のProgサウンドや、ハードに攻め込むタイプを期待すると、彼らの音楽を楽しむポイントからは随分外れてしまう気がします。全てカッチリと纏まっているので、刺激を求めている若いリスナーにはピンと来ないかもしれません(^^;)。80年代以降のプログレ風メロディアス・ロックやAORの系譜を忠実に守りつつ、新しい感性を見事にブレンドした、素晴らしい楽曲がいたるところで楽しめます。新鮮な気持ちにさせてくれる音楽だと思いました。僕はこの作品を高く評価したいところであります。In The Things of Spiritを出した頃のKansasや、上記で挙げたTrent GarderTrevor Rabinの関わっている作品、80年代のRushサウンド、とどめはRobert Berry関連・周辺が好きな人には、きっと楽しめるポイントをHautevilleの音楽からたくさん見出せるのでは無いでしょうか。(プロモ盤Review)

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