HELLBORG/LANE/SIPE
country: Sweden〜United States
style/genre: Technical Fusion, Hard Fusion, Instrumental, etc.
website: http://www.bardorecords.com/
related bands/artists: Jonas Hellborg, Shawn Lane, Aquarium Resque Unit, etc.
similar bands/artists: Jonas Hellborg, Shawn Lane, Eric Johnson, Art Metal, Mahavishnu Orchestra, Dixie Dregs, etc.
artist info: インプロヴィゼーションを駆使した超絶技巧とせめぎあいが楽しめるフュージョン・プロジェクト。



Hellborg/Lane/Sipe - Personae
Bardo Records
(2002)

一部のテクニカル・フュージョンの海外リスナー層の間では、名盤と言われているらしいHellborg/Lane/Sipeのライブ盤です。このPersonaeでは、ドイツで行われた緊迫感のあるライブの内容が収録されています。海外のテクニカル・フュージョン系グループなどが好きな人には、お馴染みのスウェーデンの凄腕ベーシストのJonas Hellborg、惜しくも数年前にお亡くなりになった超絶ギターリストのShawn Lane、そしてAquarium Resque Unitなどの活動で知られているドラマーのJeff Sipeというトリオ編成のライブということで、当然音的には凄いものがビシバシと展開されています。このアルバムの原曲は、Jonas Hellborgのオリジナルなどがベースとなっていますが、ライブでは即興演奏と「凄まじい」というしかいいようのない、まるでテレパシーで交信しているかのような恐るべきインタープレーが展開されています。1曲目のTime Is The Enemyと後半のHell Is Other PeopleRice With The Angelは、もう圧巻という以外に言葉が見つからないほどのスリリングさです。特に1曲目などはArt MetalLiquid Tension Experimentに匹敵するほどのスリリング度の高さだなーというのが最初の印象で、当然テンションの高さは聴くたびに増すかのようです。2曲目から4曲目までは、自分がいつも聴いているハードフュージョンやテクニカルインスト指向のものとは、ちょっと赴きが異なっています。長時間のインスト演奏の中でブルージーでJazz Fusion的要素からファンク風な内容に至るまで幅広い方向性や引き出しが飛び出しつつ、じわりじわりと抑揚が高まっていくものもあれば、聞き手を焦らしつつバシバシっと決めていくというスタイルなど意表を突くものものもあります。生のライブとは信じがたいほど、音は非常にクリーンで音の粒子が綺麗に伝わってくること自体が驚きです。ある程度は原曲の素材を元に展開されていますが、よく長丁場の楽曲の中で色んなものが次から次へと飛び出してくるなーと舌を巻いてしまいそうです。この名演を生で観たドイツのお客さん達は、きっと満足するだけでなく異次元空間を体感したのではなかろうかと思うほどです。確かに中盤は、テンポがゆったりとしたミディアムテンポだったりして、緊張感を持続したものが好みのリスナーによっては、焦らされたりするのでストレートな技巧展開を期待しすぎると、だれたりしてしまう人もいるかもしれません。序盤と終盤の疾走感溢れるスリリングな部分を満喫しつつ、中盤のロングフォームなインプロ・セクションをじっくりと観察していけば、テクニカル路線のJazz/Fusionサウンドが好きなインストファンにはアピール度が高いことでしょう。晩年のShawn LaneJonas Hellborgのコラボレーションが気になる人にはお薦めです。(購入盤Review)

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