HOURGLASS
country: U.S.A.
style/genre: Prog Rock, Prog Metal, etc.
website: http://www.hourglassband.com/
related bands/artists:
similar bands/artists: Forgotten Suns, Antares, Kansas, Salem Hill, Clockwork, Perfect Symmetry, Ice Age, Cryptic Vision, etc.
artist Info: ユタ州を活動拠点とする、若手アメリカン・プログレッシヴ・ロックバンド。



Hourglass - The Journey Into
Independent Release
(2002)

アメリカは、ユタ州出身の5人組プログレ系バンドです。現在の時点で、既に2枚のアルバムをリリースしております。The Journy Intoは、彼らにとって記念すべきファーストアルバムです。全部で6曲収録になっておりますが、どの曲も基本的にロングフォームの形態をとっております。しかも、そのうちの3曲は10分から20分代の組曲構成になっております。全体的な感じで言うと、プログレとプログレメタルの狭間に存在するかのようなサウンドであります。前半を聞いている時点ではプログレメタル的と言いたくなる部分や、ヘヴィネスを前面に出したパートもかなりあります。

ただし、The Journey Intoアルバムを聴いた限りの意見ですが、Hourglassの場合は、主にプログレもしくはアメリカン・プログレの要素が色濃くありますね。個人的には、あまりネオプログレ的な要素はそんなに強く感じませんでした。自主制作のプロダクションのせいか、磨き上げられたサウンドというのと少しを距離を置いた趣きを感じさせます。アルバムのジャケットにあるように、岩肌を剥き出しにしたような・・・、なんていうかプリミティブで生々しい衝動すら想起させる部分があります。現代的なプログレハード路線だけでなく、アメリカンテイストが含まれたシンフォニックハード作品に仕上がっています。

実は正直言って、最初にこのCDを廻した時の印象は余り良くなかったです。1曲目の出だしのベースによる、トリルによる表現が微妙でありました。これは故意に、このようなフレージングにしたのか?。もしくは、妙に不安定にプレーされたものを編集することなく、そのまま大胆に残したのか?。そのことが、非常に気になってしまいました。そのせいかHourglassの演奏自体は悪くないものの、妙に悪いところばかりを詮索してしまいがちになって、しばらく楽しむのに時間を要しました。それで、買ってしばらく聴かずに時間を置いてから聴きなおすことにしました。

しばらく期間を置いたのが功を奏したのか、何回か繰り返し楽曲を聴きこんでいくうちに、Hourglassの良さを発見できましたし、見事にジワジワと浸透してきました。特にこのバンドの中で耳を引くプレーをしているのは、John Dunstonのドラミングとシンバルワークであります。おそらくジャズやロックの手法をしっかりと会得したテクニカルなプレーヤーで、音がとても派手に動き回っていてます。いやー本当にJohnのプレーには、ほれ込んでしまいました。それから、キーボーディストのJerry Stenquistによるキーボードのサウンド作りが、若干レトロな風味を醸し出して興味深かったです。またソロの音色なども、厚みのある音でテイスティーです。ボーカリストのChad Nethは、柔和な歌声を常にキープし、感情移入の表現なども良かったと思います。

ギターリストとベーシストのサウンドメイキングに関して個人的には、ちょっと違和感があったせいか、楽しむまでに多少時間がかかったかもしれません。ですが彼らの手法やサウンドに馴れると、「なるほど、こういうアプローチもありだな」という感じで納得しております。今では彼らのプレーにも光るものがあるなーと発見し、楽しむようになってきました。いまだに、あの導入部で登場する不安定(?)なベースのトリルを聴くたびになんとかならなかったのか・・・と謎が深まりますが、あれもHourglassならでは味わいの一つ(?)として無理やり受け入れることにしました(笑)。なぜか自分の場合、それが原因で気になって気になって、しょうがなかったです。一時期、「このバンドとは、多分縁が無いのかもしれない」、と思い込みそうになりました。しかし、その辺りをクリアすることができてからは、より深く彼らの音楽を味わい楽しんでいくことができそうです。

さて、楽曲の構成力についてですが、これに関しては非凡なものがあると強く感じました。確かにどの楽曲も、とにかく長い形態をとっているものの、飽きることは個人的にはありませんでした。曲自体は単体で魅力あるものに仕上げていると思います。その辺りの曲の組み立てる力量は、若手のバンドながら凄くよく頑張っていると思いました。圧巻は最後に収録されている26分53秒に渡るロングフォームのThe Journey Intoは6つのパートに分かれており、起伏をたくみに作り上げていると思いましたどの楽曲も演奏も展開も練って考えた様子が伺えます。また3曲目のPlains of Remembranceも15分強に渡る長めの曲ですが、手ごたえばっちりでした。楽曲作りには問題は感じられないものの、ミックスの影響からかギターとベースのバランスが少し不安定ぎみな部分もありました。この辺りは今後の課題だろうし、セカンドアルバムでは払拭されていて欲しいと希望します。

このバンドのレヴューに関しては、久しぶりに少し辛めの反応になったかもしれません。しかし、このバンドが持っているものや、内包している魅力は無視できないものがあると思うので、弱点も補いながら切磋琢磨して欲しいものであります。いいものをドンドン表面に出して、これからも良い作品をクリエイトしていく存在になっていくでしょう。セカンドアルバムを高く評価をしている人達は結構いらっしゃるようなので、Hourglassの成長がどのようになっているのか楽しみである。あーだー、こーだと上でゴチャゴチャと書きましたが、現時点では楽しんだアルバムの一枚になりました。希少なアメリカ内陸部の新人Prog Rock/Metalバンドの一つなので、本当に頑張って欲しいと思います。(購入盤Review)

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