HYDROTOXIN
country: Germany
style/genre: Prog Metal, Neo-Prog, etc.
website: 現在のところ公式サイトは見つかっておりません。
related bands/artists: Human Fortress, Valley's Eve, Ocquitin, etc.
similar bands/artists: Lemur Voice, Ivanhoe, Threshold, Landmarq, Arena, etc.
artist info: 欧州のProg Metaファン層を中心に人気を集めていたドイツのバンド。おそらく活動は既に停止していると思われる。



Hydrotoxin - Oceans
Crystal Entertainment Music/SPV
(1996)

ドイツ方面を拠点に活動していたProg Metalバンド、Hydrotoxinによる1stアルバム。アルバムのアートワークに表れているように、このバンドの場合はハード目のシンフォ寄りNeo-Progタイプからテクニカル路線のProg Metalバンドに脱皮しつつあるような音楽性だというのが、最初に持った印象であります。グループで言えば、1stの頃のLemur VoiceやWMMS時代のIvanhoeの両者に大変近いアプローチの仕方をしている。やはり当時脚光を浴びていたDream Theaterや、プログレ指向をより強めた大御所のFates Warning、そしてハード・フュージョン的色合いを強めたSieges Even、ハードなNeo-Prog路線から次第に本格的なProg Metal路線を推し進めつつあった英国のThresholdやアメリカのShadow Gallery辺りといった具合に、メタルシーンにおいてギターオリエンテッドな第一次Prog Metal世代と、また違った魅力を放つ第2次Prog Metal世代に大きな注目と期待が寄せられていたのが、90年代中期頃だと言えると思うのだが、いかがであろう?。90年代も中頃に入ると、欧州方面では、演奏面・音楽面でも、実力が熟成してきたバンドが次第に増えていった時代に差し掛かっていたと、僕個人は思う。ちょうどHydrotoxinのデビューは、そういった時代の流れに、リンクしていると感じさせるものがある。

どちらかというと、このバンド殆どのProg Metalファンからも忘れられた存在になっているかもしれない。けど、このバンド1stアルバムから中々良い性質を持っております。サウンド・プロダクションは当時の予算や技術面のせいもあってか、もう少し音圧が欲しいところであるが、演奏面に関しては非常にインパクトがあるし、当時のインディーズの水準から言ってもかなりいい線を言っているのではなかろうか。変拍子を巧みに導入し、攻勢をかける演奏陣。またリードボーカリストのハイトーンよりの朗々たる歌声。ロングフォームからショートフォームの楽曲を含めて構成力も、なかなかのものと私は思う。

残念に思うのは、彼らのアルバムリリース元であるCrystal Entertainmentが倒産したこと。そして、彼らは活動がままならぬ状態で、シーンからフェイドアウトしてしまったことが悔やまれる。1stアルバムでは、ある意味Lemur VoiceやIvanhoeにも通じる、非常に魅力的な音楽性を秘めていただけに、アルバムをリリースし続けて行けばProg Metalファンの間では貴重な存在として大切にされていたであろう。欧州のProg Metalバンドにときどき見られるが、グループ結成当時はシンフォニック・ロックの影響を受けたテクニカル指向のNeo-Prog Rockサウンドから出発し、次第に硬質なサウンドを導入したり、Prog Metalバンドの先輩格から影響を受けた緻密でスリリングな演奏形態を得意としているバンドが、我々が知らないだけでドイツ・オランダ方面を中心に欧州全土に数多く存在している(いた)ということを、このHydrotoxinの存在から如実に伺い知ることができる。

話はさらに脱線していきますが(笑)、聴いた話によると、ProgPower EuropeやHeadway FestivalのようなProg Metal系統を応援するフェスティバルでは、ベテランや中堅クラスに混じって、参加希望の若手やかけだしのProg Metal系統のバンドをかならず公募しているそうです。最低でも200〜300以上のバンドが毎回エントリーを希望しているという。確かにProg Metalバンドは数が多いだけに、良質なものを探すとなると、ごく僅かなものが選出され、一握りの若手グループ達にのみそういったプログレメタル系のフェスティバルへの出場チャンスが与えられるのかもしれない。日本やアメリカでリリースされているProg Metalバンドは、ある程度出尽くしたかのような印象をもっている人達も多いと思う。確かにDream TheaterFates Warning, Queensryche級の大御所勢達にはサウンドの作りや音楽性など、実力的に遥かに及ばないグループの方が数は多いであろう。だが、今回Hydrotoxinのレヴューを書かせていただくにあたって、ダイヤモンドの原石みたいな若手のグループにも、それぞれ良い性質や、新鮮な感覚を与えてくれるバンドが必ずどこかに存在しているんだなーということを改めて思ったりもしました・・・・ま、この時点で話は遥かかなた脱線してますけど・・・ごめんなさい(笑)。

えっと、なんか久しぶりに我輩Editorialチックになってしまいましたが、これはあくまでもHydrotoxinのOceansのレヴューです。ヘンなところで熱くなってしまったので軌道修正しますが、・・・・要するに欧州だけでなくて、世界各地にまだまだ知られていない、頑張っているバンドや頑張っていたけど報われなかった・・・そういった発掘されていない良質なProg Metalバンドが、大勢まだまだ存在すると僕は思うんですよ。Hydrotoxinみたいなバンドに出会うと、当時は余り話題にならなかったけど、頑張っているバンドがいたんだなーというのが頼もしかったりする訳なんです。マイナーだけど、いいものを持っている「これは」という要素を求めているProg Metalリスナーには、楽しめると思います。このバンド、無名の存在ですがマニアの間では割と人気が高かったりします。このバンドの数名が中心となって、後にOcquitinというミクスチャー路線のProg Metalバンドで活動をしていました。(購入盤Review)

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