IT BITES
country: U.K. - England
style/genre: Prog Rock, British Hard Rock, Neo-Prog, etc.
website: http://www.mandy.co.uk/it-bites/
related bands/artists: Francis Dunnery, John Wetton, Kino, etc.
similar bands/artists: City Boy, Jadis, Def Leppard, Marillion, etc.
artist information: ポップでキャッチーな要素を持つBritish Prog Rockバンド



It Bites - Eat Me In St.Louis
Virgin Records
(1989)

英国出身のプログレ・ロックバンドによる、通産3枚目のフルレングス・アルバム。このアルバムがリリースされた頃は、なにかと「英国のHard Rock/Metal系統のバンドが低迷していた」とやたら危機感を煽っていたことが、記憶に非常に新しいです。でも現在振り返って考えてみれば、同時代に登場していたバンド達と比べると、英国では亜流や類型化に属さない個性派やアクの強い連中の方を、結構たくさん応援し出していた時期だったと思います。彼ら英国勢が、低迷していたとは個人的には意識していませんでした。Eat Me In St.Louisという不思議なタイトルのついたアルバムがリリースされたころは、特にIt Bitesは英国を中心に話題を呼びました。近い時期に、日本のHard Rock/Metal関係の雑誌や音楽番組でも登場しており、現在でも非常に熱心なIt Bitesファンが多いと思います。

まずこのEat Me In St.Louisを全編聴いて通した印象は、プログレとは大きくかけ離れたものではないかと思います。John Beckによるプログレ寄りなプレーや、色彩豊かなキーボード・オーケストレーションを通して聴くと、プログレの薫りを感じ取ることができます。ジャケットをてがけているのが、YesGreensladeなどの作品で有名なRoger Dean氏であるから、アートワークからは、プログレの匂いはプンプンしていると思います。・・・しかし、彼らは型としてのプログレを追及している訳ではなさそうです。Francis Dunneryの声質が、若干GenesisPeter Gabrielぽいところもありますが、骨太で威厳のあるギタープレーは、ブリティッシュな部分を主張しております。大雑把に言えば、キャッチーな英国産メロディアス・ハードロックに位置付けできる作風のようにも思います。

またその一方で、彼らの場合は楽曲ひとつひとつを観察していくと、類型的なハードロックではないと思います。全体的に見ると、とても面白い楽曲が並んでいると思います。ポップでキャッチーな要素をふんだんに取り入れつつ、どこか屈折した感もある英国風味の強いプログレ寄りのハードロックというのが、私個人の位置付けです。特にSister Sarah, Still Too Young To Remember, Underneath Your Pillowなどと言った楽曲を私は、いまでも楽しんでおります。哀しみをどこかに感じさせながらも、暖かく包み込むような躍動感溢れる曲を自然にこなすのが、英国出身バンドは本当に上手いと思います。

なんとこのアルバムは、リリースから既に15年以上も経過しているのですね。かろうじて私は、リアルタイムでIt Bitesを知ることができたのですが、It Bitesに嵌った人は今だに好きな人が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。私は特にIt Bites命という大ファンではないかもしれませんが、ネット上でもプログレファンの人達の間でも人気が高いです。しかし、年数を経てこのアルバムを聴きなおしてみて気付くことは、90年代以降のリスナーが楽しむのは難しいかもしれません。辛口の意見を持っている音楽リスナーには、そっぽを向かれそうな気もします。80年代的なサウンド作りが、苦手な人はプロダクションでのめり込むのが難しいと感じる方がいらっしゃると思います。ただし、同時代に活躍していたバンドの中では、個性を突出させようとしていたバンドとして今でも、自分の中では重要な位置にいるバンドには変わりありません。リアルタイムで80年代に洋楽や英国サウンドを楽しんだ人達には、It Bitesはアピールするものがあると思います。(購入盤Review)

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