IVANHOE
country: Germany
style/genre: Neo-Prog, Prog Metal
website: http://www.ivanhoe.de/
related bands/artists: Charisma, Symphorce, Chity Lanka Somapala (ex. Avalon/Faro), etc.
similar bands: Dream Theater, Sahara, Charisma, Avalon, Vanden Plas, October Thorns, AtmOsfear, etc.
artist info: 90年代初頭から活躍しているハードエッジ且つNeo-Prog/ポンプ風味も武器に持つ、良質なProg Metalバンド



Ivanhoe - Polarized
Music Is Intelligence
(1997)

ドイツを代表するProg Metalバンド、Ivanhoeの通産3枚目にあたるアルバム。アイヴァンホーというのは、イギリスを代表する小説・詩人Walter Scottの名作として名高い、崇高な騎士道精神を垣間見ることができる「Ivanhoe」の題名から取られたものらしい。前作までは、シンフォハード的でネオプログレ路線を導入したProg Metalサウンドを武器にしていた印象が強かった。ところが、この作品を皮切りにギターリストがAchim Welschに交代している。彼が加入したことが影響しているのか、シンフォロック的なサウンドは減退しており、彼らが持っている本来のメタリックなエッジが前面に出た重厚なサウンドに変貌を遂げた内容となっている。初期のシンフォハードな路線が好きだった人達の間ではどのような捉え方をされているのでありましょうか・・。僕自身は、さらにProg Metal的エッジやクランチー度が増えた事は、ある意味歓迎したい。Achimによるクランチー且つダイナミックなギタープレーを代表にバンドのサウンドもより焦点が定まったような感じで、コンパクトかつキャッチーなドイツ人気質の入ったProg Metalが充分楽しめる。

聞き手によっては、リードシンガーのAndy B. Franckのグリッティーなパワーメタル声とシャウトに難色を示す方もおられるかもしれません。が、パワーメタル的な要素を本来得意とするAndy B. Franckにとっては、むしろ自分の特性をいかしやすい環境の中で歌っていると個人的には観察しております。このアルバムに収録されている楽曲はどれも、粒揃いでミディアムテンポのものから、アップテンポなものも含めて出来上がりが大変素晴らしいと自分は思っております。私の場合は、このアルバムを非常に気に入っておりまして、外出するときは暫くこればっかりを聴いている時期がありました。このPolarizedに関して言えば、どちらかというと複雑・緻密に攻めるタイプというよりは「勢い + パワー性 + フレージング」を大事にしたプレーが特徴的であります。もちろん畳み掛けるパートもありますし、Neo-Prog的な暖かみのあるシンセリードが活躍する部分もあります。とにかく、個人的にはツボに嵌るサウンドを作ってくれたなーと満足しております。日本盤には、Awaiting Judgement DayPrisoner To Fearの2曲収録しております。現在のところ、次のアルバムがMassacre Recordsから出そうだというニュースが以前から流れていました。

また、しばらく沈黙状態が続いたかと思うと、Ivanhoeで重要な役割を果していたAndy B. Franckはバンドを離脱して、Symphorceの活動に専念しております(最近通産3枚目のニューアルバムが最近出ましたね)。ある時期には元AvalonChity Lanka Somapalaが、ニューシンガーとして参加することがほぼ確定していましたが、Ivanhoeのバンド名が使えないとか(ごく短期間ですが、Caractaという変な名前になってました・・・・^^;;;)、・・・・色々と変化が生じてしまいChityは、短期間のうちに離脱。その後、別のドイツ人シンガーが加入したというところまでは、判明しています。しかし、現在のところバンドの制作がどういうところまで行っているのか、気になるところです。バンドは、正式なコメントをまだ出しておりませんが、とりあえず全国のIvanhoeファンは期待をして待ちのぞみ続けましょう。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Ivanhoe - Walk In The Mindfield
Massacre Records
(2005)

なんと約8年ぶりとなるドイツが誇るベテランProg Metalグループによる最新作です。出る出ないと物議を醸していたので、もう正直諦めかけていたのですが、ファンの信頼と期待に応えて堂々のカムバック作品と言えるのではないでしょうか。この作品で若干のメンバー交代があり、新任シンガーとしてJesus Christ Superstarなどのミュージカルや舞台などの経験があるMisha Mangが参加しています。ひょっとしたらSunblazeDividing Horizonにも参加していた人かな?と思いましたが、どうやら他人の空似だったようです。このバンドの主導権は、完全に前作の「Polarized」で復帰したAchim Welschに委譲されていることが、よく分かる内容となっています。後でバンドの歴史を紐解いて分かったことですが、Achim Welschという人物は、昔からIvanhoeに関わっていたオリジナルメンバーの一人なので、特別不安な要素というのは個人的には見られません。Ivanhoeの活動が暗礁に乗り上げていた間は、AchimとベーシストのGiovanniだったと思いますがCharismaでの活動をしておりました。そのCharismaでの活動の影響のせいか、大変キャッチーで分かりやすいProg Metal作品に仕上がっていて、全編手堅い演奏が展開されています。特に前半はドラマティックでメロディアスな楽曲がズラリと並ぶ一方で、Prog Metalバンドならではの演奏力の高さと技巧的な部分も見せています。アルバムの中盤になると、バラード風な楽曲が登場したりします。アルバムの後半ではストレートな直球路線を見せるなどProg Metalグループとしてのテクニカルな路線は意識的に抑え気味にしているように思います。サウンドやスタイル的には、同郷のProg MetalグループであるSceneSや、一時はメンバー参加も噂されていたシンガーChity Lanka Somapalaが在籍していたAvalonに通じるところがある親しみやすさが強調されています。確かに作品内容としては、完成度は大変高いのです。しかし、前作のPolarizedの勢いやProg Metal然とした重厚感が少し薄めなのが、自分の好みとしては少し惜しいなーという気持ちはあります。楽曲志向が中心で分かりやすく、場面によってテクニカルな側面を強調しているので楽しめる筈です。以前と比べるとメロディアス・メタル的な要素が上昇したことと、初期に見られたテクニカル・シンフォ〜ドラマティックなNeo-Prog的な要素が完全に減退してしまったことを惜しむ声も聞こえてきそうです。自分自身はアルバムの前半部分を中心に聞き込んで楽しんでいます。バンド内部などのゴタゴタはあったものの、こうしてベテランの彼らが活動してくれることが素直に嬉しいですね。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Back to [I] Section
Back to Review Index

Go To Top Page