KING CRIMSON
country: U.K.
style/genre: Prog Rock
website: http://www.king-crimson.com/
related bands/artists: Robert Fripp, Bill Bruford, Tony Levin, Adrian Below, Trey Gunn, John Wetton, Greg Lake, etc.
similar bands/artists: Anekdoten, 美狂乱, etc.
artist Info: Prog Rockの権化・重鎮。現在も尖がった音楽を追及している、恐るべきプロフェッショナル音楽集団。



King Crimson - The ConstruKction of Light
Virgin Records
(2000)

Progressive Rock、日本では「プログレ」と紹介されている音楽は、本当に説明するのが難しい言葉だなーと思います。音楽性の説明から果ては、観念論や精神論などにまで波及して、決して結論が出ない凄い音楽だと思います(いや、そもそも、音楽のことを指しているのだろうか?と頭を悩ませてしまいそうな時もあります)。ジャンルのようで、ジャンルではない・・・かと言ってムーブメントなのかというと、そういうのともまた違うような・・・、もうある意味、禅問答になってしまいます(笑)。Prog Rock、あるいはプログレを聴くリスナーやミュージシャンによって、千差万別の見解が飛び出し、しかも誰一人として統一した見解や合意が得られない。うーん深いというか難解というか、聴けば聴くほど説明ができない音楽であります。しかし、King CrimsonのようなProg Rockの代表格と呼ばれるバンドやミュージシャンの作品をどれかトライして聴いてみると、なるほど「こういうのがプログレなのかもしれない」という意見に到達できるのではないでしょうか。

King Crimsonの場合、アルバムや時代によってサウンドや音楽性は全く異なっており、型に嵌めて説明するのは用意ではありませんし、非常に難しいです。しかしProgressive Rockの歴史において、彼らが重要な位置をしめるバンドでありましょう。彼らについては日本そして世界中のプログレ研究家や識者が、たくさん本を出したりレポートを書いておりますので、詳しい詳細はそちらに譲りたいと思います。正直言って、自分がKing Crimsonのレヴューを書いて良いのだろうか?ともの凄い不安でたまらないのですが(^^;)、とりあえず頑張ってThe ConstruKction of Lightに焦点を合わせてレヴュー頑張りますけど、稚拙な点も多々あると思いますが、その辺りは大目に見てやってください(滝汗)。

このアルバムは、かなり実験的にいろんなことに取り組んで現代的な要素も多いし、刺激的な作品であります。前作に参戦していたTony Levin (bass)、そしてBill Bruford (drums)の名前は残念ながらありません。だけど、このアルバムでプレーしている4人の演奏は、かなり強固な結束を感じます。ますます盛んな、Robert Fripp御大。楽曲によっては、恐るべき高速シークエンス・スーパーアルペジオが堪能できます。リードボーカリスト兼、ギターリストのAdrian Belewのパフォーマンスも好調です。エイドリアンとロバートフリップによるアトモスフェリックでアンビエントなシンセサイザー風の音も聴いていて心地よいです。Prozac BluesにおけるAdrianのスライドギターの演奏は年季が入ってるなーと思いました。

またリズムセクションのTrey Gunn (War Guitar), Pat Mastellottoのドラミングなども秀逸であります。演奏自体は、まとまりと切れがありますね。パットもすさまじく速いクリムゾン的変拍子ビートを繰り出しております。非常にすばやいフィルインを入れる一方でタイトでパワーのあるドラミングが豪快です。バックコーラスはないものの、トレイガンのタッチ・ギターにおける妙技は、トニーレヴィンの穴を充分に埋めるほど、素晴らしいリズムワークとヴィブラートで泣きを発散していました。

凝りまくったインタープレーと、一糸乱れぬ凄い変拍子の応酬でお見事この上ないです。今までがダブル・クリムゾンと比較されることが、ここ日本でも多いと思うのですが、今のクリムゾンのメンバーは一人一人が凄いぞということをアピールしたのだと思いますし、4人のチームワークは相当な高いレベルを維持してます。比類なきアンサンブルとケミストリーのよさを僕は体感しました。よく耳を傾けて聞いていると、すさまじい音が次から次へと飛び出してきてます。ビョコビョコ・ビャカビャカ・ドコドコ・・とすさまじい高速フレーズと、怒涛の変拍子ビートを楽しむことができました。ひょっとしたら機械よりも正確なのではと錯覚を覚えるほどです。いや、やはりクリムゾンの看板をしょってるだけあってメンバーひとりひとりがもうスーパーだと個人的には思います。もちろん凝りまくりの楽曲だけでなくて、かなりユニークで人をおちょくったようなものもありますし、かなりバラエティに富んだ内容という印象です。上でも書きましたが、変拍子ブルースが楽しめるProzac Bluesは面白い楽曲であります。

濃密でテクニカル、且つコンプレックスな怒涛のアンサンブルとソロなどに魅了されました。でも根幹は、やっぱりベテランならではのプログレサウンドがちりばめられているように思います。とにかく凄い演奏とサウンドが飛び出しており、90年代にヌーボー・メタルを標榜した作品やこのアルバムは、Prog MetalやTechnical Metalが好きなリスナーにもアピールは大だと思います。またDream Theaterのような技巧的なアンサンブルを得意としている音楽が好きな若いリスナーで、King Crimsonをチェックしたことのない人にも、楽しんでいただけるプレーやアプローチが満載だと僕は思ったりもします。いつの時代もKing Crimsonは尖がった存在のProgバンドなのかもしれませんね。(購入盤Review)

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