LEGER DE MAIN
country: United States
style/genre: Hard Prog, Neo-Prog, Prog Metal, etc.
website: http://www.pmm-music.net/
related bands/artists: Gratto, Mythologic, Razor Wire Shrine, Andeavor, RH Factor, etc.
similar bands/artists: Mythologic, Enchant, Rush, King Crimson, Fates Warning, Dream Theater, Fountain of Tears, etc.
artist info: 女性ボーカルをフューチャーしたテクニカル寄りなProgressive Rockサウンドが楽しめる、アメリカは東海岸出身のバンド。



Leger de Main - A Lasting Impression
Progman Records/PMM
(2005)

アメリカ東海岸を拠点に活動していたLeger de Mainが、久しぶりにアルバムを2005年にリリースしました。ただし新作というフォーマットではありません。1995年にリリースしたアルバム「A Concept of Reality」と1997年にリリースしたアルバム「Second First Impression」を2枚セットにしてProgman Records/PMMから再リリースという形で登場することになったのが、「A Lasting Impression」になります。Progressive Rockのスピリッツを再び燃え上がらせることを念頭に、Chris RodlerとBrent Rodler兄弟達を中心にProgressive Music Management (PMM)を1994年に設立します。そのPMMからリリースされた第一号的存在が、Leger de Mainな訳でありますがプログレ界隈を始め、欧州のプログレメタル・リスナー層の間でも話題にのぼります。その後、PMMのRodler兄弟はRH Factor, Andeavor, Gratto, Mythologic, Razor Wire Shrineなどといった具合に、数々のプロジェクトやグループを輩出していきます。どのバンドの作品もアプローチは少しづつ変えつつも、共通してプログレッシヴなスピリッツ精神やセンシビリティを大事にした個性的で面白い作品を今日までリリースし続けております。成功の規模は小さいかもしれませんが、Prog Rock〜Prog Metalのファン層へのアピール度は非常に高く、私自身もRodler兄弟達の働きは目を見張るものがあると思います。

前述した1stアルバムと2ndアルバムは、リリースされて大分時期が経っていたこともあり、ここ最近は入手が困難でありました。しかしながら、Progman RecordsのTom Argo氏などの働きかけや、PMMレーベル側との協力も功を奏し2枚がセットとして陽の目を見ることになったのは嬉しい出来事であります。さてアルバムの内容でありますが、個人的には1st側と2nd側のどちらがお気に入りかというと、本来1stアルバムに収録されていた内容の方が魅力的でありました。アメリカのProg Rock系バンドとしては珍しく、女性リードボーカリストMelissa Blairを擁する内容でありますが全く違和感なく楽しむことができるでしょう。

ということで、まずは1stアルバムサイドで気づいた点から見ていきましょう。全体の演奏や楽曲構成も、プログレ指向のリスナーにとっては親しみやすいのではないでしょうか。やはり彼らにとって初のアルバムリリースということもあってか、A Concept of Realityサイドの楽曲は演奏面は大変スリリングであります。初めて聴いたときの個人的な印象は、まるでDream Theaterの1stやEnchantの1stの音楽性辺りが融合したかのような、テンションの高さとコンプレックスな要素を感じ取ることができました。Leger de Mainの場合は、後のRodler兄弟のメタリックテイストを含んだプロジェクトとは大分異なり、あくまでもハードなProg Rockサウンドの枠内で技巧的なアンサンブルを得意としている印象です。プログレメタル的な音圧や雰囲気は期待しすぎないほうが良いかもしれません。Prog MetalとProg Rockの両方に興味を持っているリスナーには、楽しむポイントは多いと思います。いろんな要素がちりばめられているので、長いフォーマットの楽曲も含めて私は一気に味わい聴く事ができました。ボーナス曲として2曲アコースティックが収録されています。やはりChrisとBrentの両人によるアレンジや演奏スタイルが、注目のポイントであります。それにしても、この頃からBrent Rodlerのドラムワークは尋常でなく、凄い。Chris Rodlerの場合はどちらかというと印象的なフレージング作りや、楽曲構成〜アンサンブルにおけるリズムワークなどに気を配ることに終始しており、あまり派手なソロイストという印象からはかけ離れています。その代わり、ゲスト参加しているMike Ohmといったテクニカル指向のギタープレーヤーにリードプレーは自由に担当させていますね。ゲスト参加によるキーボーディストも、良いサポートで雰囲気を作り出しておりますし、このアルバムに参加しているミュージシャン達の働きは素晴らしいと感じました。アンサンブルが濃密になるアルバム前半の楽曲は、特に素晴らしい。総括として、1stアルバムはプログレハード的な作品としては質が高く、大変魅力に溢れた内容である・・という思いで一杯になりました。

2ndアルバムサイドでありますが、1stアルバムサイドと比べるとかなり取っ付き難いなーという印象が強く残りました。雰囲気はまるで違うバンドかと思うほど、よりダークで内省的になった感じがあります。前作ではProg MetalとHard Prog路線の中間を行くような、私好みのアプローチでありました。・・・Second First Impressionに関してですが、全体の雰囲気は、さらにKing CrimsonOxygene8, Dark Aether Band辺りのプログレサイドの音楽性に接近したように思います。勿論、Leger de Mainの概念に沿って、演奏はよりタイトでメリハリを付けている感じもします。ひょっとしたら、こちらの2ndアルバム側の方は、プログレサイドのリスナーに受けが良いのかもしれません。クレジットを見る限りでは、前作とメンバーもかなり近いラインナップですが、なぜか少し地味に感じてしまいます。前作同様、リードボーカルを務めるMelissa Blair (現在は結婚してMelissa Rodlerと改名)の歌メロも内省寄りのサウンドに合わせているのか、抑揚もなにやら少ない様子。しかし、演奏面はよく聴いていると面白い場面もかなり登場するので、根気よくトライしていけばさらに印象は良くなるのではないでしょうか。メロディー面よりも、よりミュージシャン的に実験的なことにトライしている感が強いと思います。

今回の再リリースで、初めて彼らの音楽に触れるのには大変お得なアルバムだと確信します。1つで2度美味しいなーという感想です。このA Lasting Impressionは、2曲ボーナストラックを含むリミックス・リマスター盤となっておりますので、既に1stも2ndも別々で持っているリスナーにも違いを楽しんでもらえればなーと思います。最後に気をつけたい点としては、CDを取り出すときは特にご注意を!!!!!。固定しているCDを無理やり取ろうとして、「バキッ!」と割らないように気をつけてください。僕も恐る恐る、慎重に取り出しました。割れるんじゃないかと心配しそうになりました。今では何回も出したり、収めたりしているので割れたりする不安は今はないですが、・・・聴く前にCDが割れてしまったら泣くに泣けないですから・・・・(^^;;)。Progman RecordsやPMMサイドのものはこれまで何枚か買ったりしましたが、取り出しにくいことは全くありませんでした。理由はよう分かりませんが、CDを取り出しにくいと思ったのが、今回のA Lasting Impressionが初めてでした。かなりきつくCDを固定しすぎるのは、いかがなものか?と思いますが、・・・ま、その点を気をつけて音楽エンジョイしてください。(プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Back to [L] Section
Back to Review Index

Go to Top Page