MADSWORD
country: Italy
style/genre: Prog Metal, Melodic Metal, Italian Metal
website: 現在ページは接続できない状態になっています。
related bands/artists: Gianni Guerra, etc.
similar bands/artists: Scenario, Mystre De Nortre Dame, Sieges Even, Dream Theater, Fates Warning, Eldritch, etc.
artist info: イタリアを代表するドラマティック技巧派Prog Metalバンド。2作品のみを残して、活動は空中分解してしまいました。



Madsword - Evolution
Underground Symphony
(1996)

イタリアのProg Metalシーンを代表するMadswordにとって、記念すべき最初の作品。非常にテンションが高くて、爆裂疾走するパワーのあるProg Metalサウンドと言えるでしょう。この時期は、どちらかというとテクニカル指向の良質なPower MetalやThrash Metal勢を彷彿させるところがあります。確かにDream Theater的なアプローチもありますが、むしろこの時期の作品はVicious RumorsAnnihilator, Forbidden, Harrow等に通じるテンションの高いProgPowerといいたくなる場面の方が多いように自分は受け取りました。しかし、流石はイタリアの中堅格にのし上がりつつあっただけに、演奏面や楽曲の構成などを見受けるに独自性とドラマティック性を確立していくプロセスが随所で見受けられます。

2ndアルバムでも顕著ですが、この頃からサイエンス・フィクションの作品やノベルなどから影響を受けた世界観を投影させつつあります。アルバム全体に渡って、非常にスリリングでテンションの高い部分が前面に出ていると思いました。特にこのグループのギターリスト・コンポーザーとして実力を発揮しているGianni Guerraの働きが顕著です。スタイルやサウンドは、やはり同郷のEldritchMystre De Nortre Dameに近いものを感じさせるときもあります。次の作品と比べると、プロダクション面や音色では一歩も二歩も遅れをとっているところは否めないでしょう。ですが、このインパクトと情熱のかけかたは、若手ならではの素晴らしさが充分伝わってきて良いと思いました。キーボードもところどころで使われていますが、ギターオリエンテッドな側面が強いProg Metal作品となりました。

まだまだ、この当時はイタリアはMetalシーンにおいては、色眼鏡で見られている時期だったように記憶しています。その中で、彼らのようなテクニカルでコンプレックス路線を貫く良質なProg Metalグループが出現したことによって、イタリアという国は世界のシーンの中で極めて珍しいProg Metal王国の一つとして知られていくことになるのです。オリジナル曲は4曲のみとなっていますが、どれもロングフォームの形態をとっています。最後に収録されている5曲目はなんとDream TheaterのYtsejamに挑戦しております。残念ながら、この作品は近年入手が困難になりつつあるので、中古屋で発見したら、すぐさま保護して安全な場所に持っていき大切にしてあげましょう(^-^)。(購入盤Review)


Madsword - The Global Village
Undergound Symphony
(2000)

イタリア出身のテクニカル系Prog Metalバンドによる、2ndアルバムにして最後となったラストアルバム。Madswordは、海外のProg Metalファンの間でも人気がとても高いようであります。僕自身にとっても、これまでに聞いたイタリア出身のProg Metal系バンドの中では、最も印象に残っていて大変気に入っているバンドの一つだったりします。The Global Villageでは、1stで培ったアグレシッヴでパワフルなサウンドをベースにしながらも、格段に進歩を遂げた内容になっていて大変楽しめます。スペーシーでサイバーな要素も含んだ、とてもスリリングでファンタスティックなProg Metal作品に仕上がっております。

アルバムの冒頭から最後まで、この作品で展開しているストーリーに引き込まれてしまうかのようです。アルバムのジャケットやブックレットに描かれている内容もイマジネーションをかき立ててくれます。遠い未来の別空間に存在する惑星や、コロニーでの出来事を想起させる部分もあるのではないでしょうか。大幅に世界の秩序が変化して、ハイテクノロジーや別のヒエラルキーが支配する地球や惑星・・といったような具合に、SF映画や小説から大きくインスパイアを受けているのは前作と同様であります。音楽以外でも、ワクワクする要素が加味されているところがポイント高いですね。こういった近未来感覚たっぷりのProg Metalサウンドは、まさにツボに嵌ったら楽しくてしょうがないです。

演奏は大変充実しており、ギターとキーボードソロ、そして豪快なリズムセクションなどは、非常にテクニカルで技巧派に属するタイプです。どんどん展開されていく楽曲が好きなリスナーには、ぜひ聞いて欲しいタイプです。作品におけるプロダクションに関しても、イタ リア産のバンドの中でも大変良好です。とても気品に満ち溢れたエレガントでダイナミックな作品に仕上げていて、大変満足するに至っています。2000年にリリースされたアルバムの中でも、Top 10に入れたくなる充実度でありました。

Dream TheaterFates Warningタイプのような展開やスケール感のある正統派ドラマティックProg Metalが好きな人に、強烈にプッシュしたい作品です。風の噂では、既に2001年にグループの活動を完全に停止しているということで、非常に残念無念であります。ですが、どうやら水面下においてイニシアチブをとっていたGianni Guerraが別プロジェクトで何かを模索しているらしい?ということなので、これが実現化して我々を驚かせて欲しいものであるなーと期待しております。Sieges Evenも長い眠りから醒めてパワーアップして復活した事実もあるので、彼らにも何らかの形で頑張って欲しいと期待を繋げていきたいと思います。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

discography:


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