MALMSTEEN, YNGWIE
country: Sweden
style/genre: Neo-Classical Metal/Hard Rock
website: http://yngwie.org/
related bands/artists: Alcatrazz, Jens Johansson, Anders Johansson, Goran Edman, Mark Boals, Joe Lynn Turner, etc.
similar bands/artists: Vinnie Moore, Tony MacAlpine, Racer X, Cacophony, Symphony X, etc.
artist info: 北欧出身のネオクラシカル奏法を武器に、多くのギターリストに影響を与えた業績を残している。



Yngwie Malmsteen - Live In Leninglad
Polydor Records
(1989)

ネオクラシカル様式美メタルの第一人者、Yngwie Malmsteenの流石のプレーと勢いが感じられてレニングラードの若者が熱狂して迎えている様子が伺えます。Live In Leningladは、なんだーかんだー言われてますが、実は結構好きなライブアルバムです。学生の頃によく聞いていたなーと感慨深いものがあります。今聞いたらもっとキーボードの音が、大々的に前面に出して欲しかったなーとか、ドラムスの音がやや軽いかな?、などとサウンドのミキシング(Mix)関係については、注文したい部分がいくつかありますが、全体的には僕はOKで素晴らしいなーと思います。やっぱりJens Johanssonのキーボードプレーが最高に切れ味あってグッドですね。(購入盤Review)


Yngwie Malmsteen - Eclipse
Polydor Records
(1990)

1990年にリリースされた通産5枚目となるフルレングス・アルバムです。初期のアルバムと比べると、地味だと感じると思います。このアルバムは、Fire And Iceと同じく世間の評価はあまり高くないというのは理解しております。自分の場合は、Yngwie Malmseenのアルバムの中では'Eclipse'が今でも一番好きだったりします。どうしてかと言うと、Eclipseは楽曲を何個か取り出して見ると凄く自分の琴線にガンガン触れてくるんですよね。楽曲の作り方は、当時の80年代後期のトレンドを意識したものになっているので好みは分かれるかもしれません。結論から言うと割とストレートで分かりやすい作りで、より多くの大衆にアピールをしようとしていたのかもしれません。これまでにYngwieが培ってきた北欧メタル〜ネオクラシカル系メタルのエッセンスを親しみやすく分かりやすい内容に纏めているのが良いと感じました。特に2曲目の"Bedroom Eyes"は、かなりYngwieにしては異色といえるでしょう。Jimi Hendrix色が強いものの自分のカラーもちゃんと打ち出しているし、斬新だなーと当時は感じました。ソロに入るところで曲調がマイナーからメジャー調に変わる瞬間なんて鳥肌ものです。

プロダクション全体も割りと良好な作りとなっていますが、これまでと比べて顕著なのは北欧を中心とした参加メンバーで固めていること。そういったメンバー同士のコンビネーションが吉に働いているような気もします。このアルバムに参加しているGoran Edmanも良好なボーカル・パフォーマンスで頑張っています。今回のアルバムから正式に参加しているMats Olaussonがあらゆる場面で頑張っていると思います。前任キーボーディストのJens Johanssonを確かに自分も尊敬していますが、Yngwie Malmsteenの作品に関して言うと実は自分はJensよりもMatsのサウンドメイキングやバッキングの音のほうが好きだったりします。Matsの方がシンプルで分かりやすいからなのかもしれません。リズム隊もよく頑張っており、特にドラムの音作りは、ある意味Yngwieの作品の中でもよく出来ている方だと思うのは自分だけでしょうか?。

キーボードとのバトルはかなり少ないですが、タイトルトラックのEclipseではJens Johanssonを意識したようなキーボードソロも入っております。アルバム全体の楽曲がオール完璧無比とは言いませんが、バラード調のものからキャッチーで躍動的な楽曲などが含まれており、全体的に楽しむことができました。リアルタイムで買って何回も繰り返し聴いているせいか、自分の中では妙に思い入れが濃い好きな作品であります。熱心なYngwieファンからは、どちらかと言うと人気度は余り高くないアルバムなのかもしれません。スローめの曲やミディアムテンポの楽曲が大人し過ぎる・面白みにかけるという意見は確かに否めません。ですが、基本的にはどの楽曲もよく引き締まっており、目くじらを立てるほどではないかなーという意見です。個人的なハイライトとしては、4曲目のMotherless ChildやタイトルトラックのEclipseのような北欧メタルならではの躍動感と疾走感あたりは「らしさ」が出ていて良いなーと思いました。なかなか堅実にまとめられていて、僕の中では好みのアルバムの一枚です。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Yngwie Malmsteen - Fire & Ice
Elektra Records
(1992)

Yngwie Malmsteenにとって、ライブ盤や企画盤を除けば通産6枚目にあたるフルレングス・ソロアルバム。多くのYngwie Malmsteenファンにとっては、初期のRising ForceMarching OutなどのJens JohanssonAnders JohanssonMarcel Jacob達が参加しているアルバムが圧倒的に高く評価されていると思います。私自身も、そういった意見には大賛成ですし、ネオクラシカルな様式美HMのトップランナーとしての誇りに満ち溢れています。また楽曲的にも演奏的にも彼のキャリアの中でも大きな財産になっていると思いますので、Yngwie Malmsteenの真髄を知りたい方は、ぜひ彼の初期の4つのアルバムかベストアルバムをトライしてみてください。

さて、今回取り上げましたFire & Iceに関してでありますが、おそらくYngwieのファンの中では、このアルバムの評価はそんなに上位には入らないのではないかなーと思います。しかし、私は前作Eclipseや、この作品に参加していたラインナップに思い入れがとっても深いので、前作と同様にYngwieのディスコグラフィーの中で、一番印象に残っているアルバムの一つになります。1990年にリリースされたEclipseが、非常に素晴らしい内容だっただけに(注:イングヴェイのファンの皆様、これはあくまでも私的な見解にしか過ぎません)、今回の作品がどうなるのか期待しておりました。Yngwieにとっては、様々な雑誌やメディアで発言しているように、この時期はPolydorからElektraに移籍してアメリカでの成功を目指していたような意気込みを感じさせます。メンバー的にも、前作のEclipseとほぼ同様ですが、ドラマーがMichael Von Knorring(但し"Leviathan"では叩いてます)からBo Wernerにチェンジしております。

意外とミディアムテンポ寄りの楽曲が大半をしめている感じですが、まず驚いたのはサウンドプロダクションやミキシング、そしてエンジニアリングがEclipseと非常に違うような気がして、最初はギョっとしてしまいました。Eclipseの延長を期待していたので、虚をつかれてしまいました。しかし、アルバム全体を何回も聴くことによって、段々と浸透してきました。Guitar World誌で読んだ記事も、このアルバムやElektra移籍にともなって、インタヴューでもすこぶる上機嫌だったように憶えております(その代わり、Polydorに関してのコメントはあんまり芳しく無かったですね・・ま、王者らしい発言でした)。序盤でいきなりのインストが彼らしいし、Matts Olaussonによるキーボードのオーケーストレーションの施し方もグッドであります。その後は、疾走感あふれる曲や、前作で見られたようなJimi Hendrix調のワウをかませが楽曲もあり、ヨーロッパ中世やバロック・古典派を意識したようなNeo-Classicalな作風まで含めて、とても彼らしいです。その中で、特に異色なTeaserは、彼のキャリアの中では凄いポップでキャッチー且つ、非常に明るくて驚かされますね。How Many Miles To Babylonでは、実験的にストリングスなどやフルートなどのクラシック楽器も導入しており、後のコンチェルトアルバムの布石になった第一歩のようにも感じます。

全員スウェーデン人で固めており、演奏的には流石でありますね。前作ほどではないにしろ、要所でMatts Olaussonのキーボードワークが、聴き手によっては地味かもしれない。しかし、全体的にそして色々なバッキングやソロのパーツを含めて、彼の場合いい仕事をしているなーと思うし、大変素晴らしいと私は強く思いますね。同じく前作と比べたら、やや精彩を欠いている面が無きにしもあらずという見解を持たれるかもしれないが、やはりGoran Edmanの素晴らしい歌声をFire & Iceでも楽しめるところがポイントでありましょう。Svente Henrissonも、やはりクラシック畑の人間だけにいいベース・プレーを見せてくれているんじゃないでしょうか。Sventeのインプットを含めて、クラシカルなオーケストレーションの部分は生きているような気がします。

特にこのラインナップで、個人的に光っているなーと思ったのは、インストのLeviathanでしょう。私は、このLeviathanという曲が大好きでありまして、Guitars That Rule The Worldというコンピレーションに参加していた別テイクのYngwieによるLeviathanも素晴らしいと思いました。勿論、今回の演奏陣も、非常に素晴らしいのでありますが、この曲のみMichael Von Knorringが叩いていますが、渋い金物系プレーを含む、彼のスリリング且つ躍動感あふれるドラミングワークこそが、重要な役割を担っていると思います。そして、もちろんYngwieお得意のギター奏法炸裂でありますが、途中で転調してダークな雰囲気から、カラっと明るく雰囲気が変わってテンションが急上昇するところなんて、凄く聴いていて楽しいです。この曲はいついかなる状況で聴いても、私は凄く楽しんでおります。またNo Mercyも大好きな曲で、疾走感豊かでメロディアスでいいです。この曲では、Goran Edmanの歌唱力が、光っています・・・声質が大変クリーンでハイトーンを楽々ヒットする辺りが、流石であります!。ま、これは今に始まったことではないですが、Yngwieの歌詞は、相変わらず必ずどこかやるせない憤懣みたいなものが渦巻いておりますな・・・人間関係で色々と苦労やトラブルがあったことが偲ばれます・・・・、おそらく本人もトラブルを巻き起こした可能性は否定しませんけども・・・。

確かにYngwie Malmsteenのアルバムを始めてトライする人には、上記でも挙げたようにRising ForceMarching Outなどの初期にリリースされたアルバムやベストセレクション的なアルバムを聴いて、それから色んなアルバムを聴いて自分の好みを探っていただきたいと思います。ハードロックやメタルが好きな人で、もしまだYngwieを聴いたことがない人は、ものは試しで聴いてみると楽しめると思います。私の場合は、Fire & IceEclipseといったアルバムが、今でもYngwieのキャリアの中では、特にフィットしました。私自身が、プログレメタルに嵌る前は非常にYngwie Malmsteenやシュラプネル系のネオクラシカル風味のインスト音楽を好んでいたのですが・・・・、ふと考えると、どれだけ現在のプログレメタルのファンにアピールするかは分かりません。Symphony XDGMを好まれるリスナーの皆さんには、彼らのルーツを辿る上でもYngwie Malmsteenの音楽は、好き嫌い分かれるかもしれませんがチェックの価値はあると思います。(購入盤Review)


Yngwie Malmsteen - The Seventh Sign
CMJ International
(1994)

Yngwie Malmsteenが、1994年にリリースをした作品。あれだけ、前作のリリースに自信を持っていたものの、例のシアトル・グランジ勢の猛攻がHard Rock/Metalグループに与えた影響は大きかったのか、Yngwieもいつの間にかElektra Recordsから離れることになってしまいました。僕が当時購入したのが、CMJ Internationalからリリースされたアメリカ盤なので、ボーナストラックは日本盤のようにありません。さてさて、それではThe Seventh Signの感想に移りたいと思います。このアルバムは、ある意味かなりキャッチーで親しみやすいのではないかなーと思います。Mike VesceraがVocalとして迎え入れられているのが、前作と比べて大きな違いを生み出していると思います。僕はMike Vesceraというと、最初に彼のボーカルワークを聞いたのがLoudnessSoldiers of FortuneOn The Prowlでありました。そんなことも影響しているのか、このアルバムはボーカルが参加している側面から聴いてみると、非常に不思議な感覚に囚われます。ボーカルだけを聞いていると、あの時代アメリカにウマイ具合に進出しようとしていたLoudness的な部分も味わえるし、でもギターやサウンド的には普遍的なYngwie独自のサウンドも味わえるし、Yngwieのアルバムの中でも異色の1枚でしょうか。割とコンパクトに仕上がっていますし、Yngwieファンにも親しまれているんでしょうね。なんだーかんだーと王者は色々と言われていますが、ギタープレーは本当に凄いと思います。バラードが比較的多めに収録されている印象であります。僕個人は、やっぱりMatts Olaussonが手堅いいい仕事をしていると思いますし、なんとこのアルバムってMike Terranaも頑張っているではないですか(^^)。僕は前作も好きな人間なのでありますが、もしも前作のような色んなものが詰め込まれたタイプのアルバムが分かりにくいというリスナーには、このアルバムは入りやすいと思います。(購入盤Review)

discography:


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