MARTONE, DAVE
country: Canada
style/genre: Guitar Instrumental, Technical Rock, New Tendencies, etc.
website: http://www.davemartone.com/
related bands/artists: Gene Hoglan, Prashant Aswani, etc.
similar bands/artists: Mattias IA Eklundh, Ron Thal, Steve Vai, Freak Kitchen, etc.
artist info: カナダ出身の技巧派ギターリスト。様々なクリニックなどをこなしながら、コンスタントに独自のギター音楽を展開。



Dave Martone - When The Aliens Come
Lion Music
(2007)

カナダ出身の技巧派ギターリスト、Dave Martoneによる通産3枚目のソロアルバム。自身がバークリー音楽院出身のミュージシャンですが、現在はバークリーも含めて様々な場所でショーケースやクリニックなどを行って忙しい活動をしています。日本では残念ながら、まだ無名な存在ですが、ギター系の音楽を追及している人は要チェックだと思います。その演奏能力の高さは、海外では大変評判になっています。また著名なギターリストやミュージシャンとも共演を果していて、経験も実力も文句なしでしょう。これまでにもリリースした作品や、参加したプロジェクトなどの音楽を聴く限り、既にかなりの高次元クラスのプレーヤーだということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

いろんな音楽的スタイルを吸収しているバーサタイルな人というだけでなく、それを上手くいかして独自性を出すことにも気を配っていることが、こちらに如実に伝わってきます。スタイル的に似ているというよりは、感触的には・・・と言ったほうがよさそうですが、Ron Thal, Mattias IA Eklundh, Steve Vai辺りと比べても遜色は無いと自分は思います。そういえば、彼はカナダ出身のギターリストですが、やはり、あの国には逸材がゴロゴロ存在していますね。彼の作品を聴いていて、改めてそんなことを再認識させられます。コンセプトというかテーマ的には「もしも、タイムマシンに乗って、遠い未来の世界に行ったときに出会った宇宙人がiPodで聴いている音楽は、こんな感じかもしれない」というイマジネーションを膨らませて作ったインスト作品となっています(^^;)。こんなことを書いてみても、実際に彼の作品を聴いてみないとピンと来ないかもしれませんが、僕個人は面白いアプローチというか変わっている人だと思いました(笑)。でも演奏自体は、ぶっ飛ぶスリリングさで流石なところを見せていますね。

確かにテクニカル系のギターリストに共通する、コンテンポラリーな奏法やハイレベルなプレーは登場しますので、その辺は充分耳の肥えたリスナーにも満足できるはずです。しかし、彼の場合はサウンド・メイキング、特にエフェクター類などを駆使した音がクリーンだし、ハードに攻めるときも音はとてもドッシリとしてしていて、この辺りのプロダクション面でも新鮮でした。所謂シンセティックな音作り〜打ち込み系の音を含めて、ダンサンブル且つエレクトロニカ風なものもテクニカル・ギター系の音楽に見事導入している点も注目かと思いました。実感としては、かなり奇抜な内容も含まれているので痛快と感じるか、これはギター系音楽には合わないと感じるかのどちらかだと思います。

各インスト曲は、一辺倒にならないように工夫が凝らされています。スリリングなリードやリズムプレーでガッシリと構築しながらも、インパクトのあるサウンドにしていて確かに面白いです。今回の作品はゲストミュージシャンも多数含まれていますが、意外なことにLion Music系ゆかりの人はそんなに多くないです。ベースとなっているのは、Dave Martoneを含む3人がコアなメンバーですが、ゲストが参加するスポットではインタープレーやソロのトレードオフなども充実しています。気になるゲストとしては、ギターリストのPrashant Aswaniと日本のメタルファンにもお馴染みのドラマーGene Hoglanです。この手の音楽は、今まで生身のテクニカル演奏だった筈のに、新しいサウンドや奇抜なトリック・打ち込みに気を取られ過ぎて、技巧的な展開がすっかり薄れてしまう傾向にありギターファンをがっかりさせることがしばしば見受けられます。Dave Martoneの場合は、その辺は上手く纏め上げています。見た感じまだ若いプレーヤーのように見受けられますが、既に完成された恐るべき腕前とセンスの持ち主だと思います。ところどころで、Prog Metalぽいパーツも出たりするので個人的にはそこを膨らませて、彼の視点から作り上げたユニークなProgressive Metal作品を将来リリースして欲しいなーと思ったりしました。非常に情報量がたくさんあって、新鮮なアプローチが含まれている反面、一度には吸収できないかもしれませんがトライしてみる価値はあります。プレーヤー指向の人やギタープレーを追及している人には、目が鱗から落ちる内容を見出せると思いますよ。(プロモ盤Review)

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