MATS & MORGAN
country: Sweden
style/genre: Progressive Rock, New Tendencies, Zappa-School, Fusion, R.I.O., etc.
website: http://www.morganagren.com/
related bands/artists: Frank Zappa, Zappsteetoot, Hot Rats, Fredrik Thordendal (Meshuggah), Kaipa, etc.
similar bands/artists: Mike Keneally, Frank Zappa, etc.
artist info: スウェーデン出身の2人組で、ハイパー・テンションものからエレクトロニカ的領域を行き来する不思議な音楽。



Mats & Morgan - Trends And Other Diseases
UAE Records
(1996)

Progressive Musicシーンでは、非常に大きく注目を集めているスウェーデンのMats & Morganによる記念すべき1stアルバムです。本当にスウェーデンという国は、どのジャンルでも優秀なグループが数多く存在しているのは言うまでも無いことかもしれません。オープニングでいきなりクランチーでメタリックなギターリフも聴こえてくるので、新手のProg Metal系か?と思いますが決して彼らは「そういう分類はさせないぞ」的な展開と虚を突く演奏形態であったりします。通して聴くと、なんとも不思議な音楽です。ハイパーでテンションの高い演奏と怒涛のリズムワークが登場する一方、なにかスルリと掴み所の無いような・・・というか、いつのまにか置いてけぼりにされてしまったような気分になったりもします。この作品の核となっているのは、キーボーディストのMats ObergとドラマーのMorgan Agrenであります。もちろん2人だけで演奏されているものが大半という訳ではなく、彼らの仲間が各楽曲で素晴らしい力量を見せつつも、どこか浮遊感みたいなものも感じさせたりするというのが、自分なりの見解です。Frank ZappaMike Keneallyなどの音楽に非常に近いところにいるのではないかと思いました。テクニカルな演奏パートでは、プログレやジャズフュージョン系などが好きな人をおおいに喜ばせてくれますが、ギターで参加しているMeshuggahFredrik Thordendalのザクザクした音などはスラッシュメタルや、変り種の音楽も許容範囲にしている一部のProg Metalリスナーにも受けがいいのではないかと思いました。それにしても、2人のそれぞれの個性が強烈でありまして、只者ではないという空気が充満しています。しかしテクニカル指向に見られる暑苦しさはなく、その辺りはスマートかつサラリとなんかトンデモないことをやっているという印象を受けました。Mats Obergの独特のキーボード音とエレクトロニカ・サウンドが登場するところは個人的に面白かったですし、なんといっても彼の卓越したKeyboardプレーには目が醒めるかのようです。一方のMorgan Agrenですが、近年のKaipaで叩いているときと全然印象が異なり、楽曲によっては彼自身が前面に押し出すハイテンション&ハイエナジーなドラミングが痛快でたまりません。・・・正直言ってまだまだ彼らの世界観というか音楽内容のスケールが大きいのか、はぐらかされているような感じで、レヴューになっているのか・・俺は一体何を書いているんだろう?と不安になりそうだということは正直に言っておきますね(^^;)。アルバム全体の内容は1stアルバムにして完成度は高いです。リスナーによっては、いつのまにか置いてけぼり・取り残されてしまってるような印象を受けるかもしれません。なにかがリスナーの中で弾けた瞬間、Mats & Morganの音楽がたまらなく痛快で面白いと感じるはずです。(購入盤Review)

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