MATTSON (Lars Eric Mattson)
country: Finland
style/genre: HR/HM, Melodic Metal, Neo-Classical, Symphonic Metal, Prog Metal, etc.
website: http://www.larsericmattsson.com/
related bands/artists: Vision, Lars Eric Mattson, Book of Reflections, Condition Red, Astral Groove, Bjorn Lodin, etc.
similar bands/artists: Book of Reflections, Lars Eric Mattson, Vision, Winterlong, Baltimoore, Artension, etc.
artist info: フィンランドを拠点に音楽活動を長年続けているギターリスト。Lion Musicを通してProgMetalシーンにも貢献している。



Mattson - Dream Child
Lion Music
(2008)

Lars Eric Mattsonが中心となっているProgPower系バンドによる最新作です。最近はギターリストとしてよりも、Lion Musicの総責任者として有名なラッセおじさんです。早いものでMattson名義の作品もこれで4枚目となります。Mattsonの初期は、Symphony XMagnitude 9などのバンドから刺激を受けた音楽性だったと思います。ところが音楽全体を見ていくとMattsonの場合は、独特の個性とある種の臭味が入ったメロディック・パワーメタルからProgPower系の間を行き来する路線になっております。上で挙げたタイプのバンドの作品とは大分異なる部分が多いので、その路線を期待しすぎると肩透かしをしてしまいます。マイナーな北欧メタル系も主食にして聴いているリスナーでない限り、サンプル音源をまず聴いてから好みのタイプかどうかをお確かめ下さい(^^;)。

とは言え、1枚目や2枚目のPower Gamesとか頑張っている曲も結構あったりするのです。仮に誰からも見向きされなくても「自分は応援するぞ」と決心しました。特に1枚目のAnother Dimensionは、Eric Norlanderを始め現在活躍するプログレ系のミュージシャンやElegyにも参加していたPatrick Rondatなどの著名な実力派ミュージシャンも数名コラボしてました。独特のカラーを醸し出している不思議なProgPowerメタルな作品だったのであります。全体が完璧な作品とは必ずしもいえませんが、楽しむべきポイントは結構あって一時期よく聴いておりました。この作品を聴いて以来、僕はLars Eric MattsonとLion Music自体に注目をするようになったという経緯がございます。2枚目のPower Gamesでは、元Balance of PowerLance Kingを擁したメロディックパワー系のサウンドで楽しめる内容でありました。

面白いことに3枚目のWarからは、方向性に少しずつ変化が表れてきました。Lion Music出身のゲストを中心に以前と同様で数名ほど参加しています。また新たに女性ボーカリストを数名擁した歌ものを中心としたスタイルにシフト変更しています。AyreonThe Universal Migrator Part 2みたいなパワーメタル色も強いが、プログレッシヴなムードや要素も導入したタイプをお手本にしているのかもしれません。それに加えて自分がこれまでに培った北欧ネオクラシカル系のサウンドをある程度は頑なに守りつつ、それらの要素を少しまぶした内容になっておりました。ということで、Mattsonの場合は何かを最初にお手本にしたりしていても、最終的には誰かとはまた全然違った作風やアルバムに落ち着くというのが個性(?)と言えるかもしれません。特に前作に関しては、僕個人は一定の評価を上げる価値は充分にあるメロディアスでキャッチーなProgPower指向のアルバムになっていると思いました。作品全体のグレードは今までで一番成功しており、ソリッド且つ女性ボーカルが活躍するMattson色の強いメロディアスなProgPower Metalアルバムでした。

さて前振りがいつもよりも長くなりましたが、ここから本題です。前作の女性ボーカルを中心としたスタイルが上手く嵌ったのでしょう。最新作のDream ChildではAdrienn Antalと名乗る女性ボーカルをフューチャーした楽曲指向の内容になっています。Adriennの歌声は、非常にクリーン且つ魅力的だと感じました。シンフォニック且つオペラティックに歌い上げる力量も充分にあるので、フィーメール・ボーカルファンにも満足してもらえるでしょう。ところどころでBaltimooreでお馴染みのBjorn Lodinによる野生的なリードボーカルも活躍しています。この作品が今までと違うのは、ゲストミュージシャンを最小限に絞っていること。さらに意外だったのは、ゴシックメタルやシンフォニックメタルのスタイルも導入しつつあるということです。ストリングス系サウンドやソフトシンセ等も効果的に使用されています。

これまで以上に、エモーショナルでドラマティックな場面を作り出そうとしていることも顕著です。またボーカル・パートや分厚いハーモニーでの表現にも気を遣っていますね。それぞれの楽曲にインスト以外で創意工夫や努力をしている様子が伺えます。全体的な印象は、かなりストレートになったWithin TemptationNightwishという風な感じで聴いている人もいるかもしれません。よく聴き返してみると、路線としては後半の箇所になると前作のWarに通じる場面も結構あるように思います。ということで前作のWarが気に入った人は、この作品も楽しめる可能性はあります。勿論以前のような勢いのあるハードロック調のものから、速いテンポの北欧メロディックパワー系のメタルサウンドも含まれています。“See The Dreamer Behold”や“Until Our Last Goodbye”みたいな感じで、例えると少しArtension辺りを想起させるような躍動感のある楽曲も登場します。他の楽曲に至っては「大人しく纏めすぎたかな?」というところもあります。印象的なギターソロやキーボードソロもあって個人的には面白い箇所もあったのですが、前作の内容が結構頑張っていただけに、「うーん惜しいかな〜?」という場面もいくつかありました。エレクトリック・シタールを使った曲になると、急にテンションが下がる場面が彼らの場合はシバシバあるのが気になります。その辺りは課題点としてクリアしないといけない部分でありますが、今回はかなり踏ん張って良い内容に仕上げようという努力の跡が充分見られました。

初期まであったProgPower的要素は随分なりを潜めてしまったか?と思いきや、ところどころで凝ったアレンジの場面や若干テクニカル風味の効いたアンサンブルも登場するので安心しました。前半は割りとゴシックメタル風味を狙ったみたという勢いが強いですが、本格的なシンフォゴシック作品にしようという意図があるようには思えませんでした。あえてLars Eric Mattson本人のカラーはある程度最小限にとどめて、シンフォメタル風味やAdrienn Antalによる女性ボーカルを中心に据えた新しいサウンドやアプローチを取ったことは評価できると思います。欧州のメタルファンを中心に注目が集まってくると面白いかなーと思いました。楽曲によっては今までにないアプローチも取り込んでいますし、ソングライティングも向上しているように見受けることができました。興味のある方は、ラッセのMySpaceで最新作のサンプルをチェックすることをお薦めします。http://www.myspace.com/larsericmattsson (プロモ盤Review)

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