Moraine - Manifest Density
MoonJune Records
(2009)
アメリカは、シアトル出身のProg Rock〜Jazz Rockのサウンド領域を行き来しているバンドの1stアルバム。Moraineを最初に聴いた印象は、バイオリン奏者がいた時期のKing Crimson、あるいはMahavishnu Orchestraを聴いている感じに近いというものでした。しかし、楽曲によっては、かなり前衛的なムードが漂っているので、取っ付き難いかと思います。バイオリンとエレクトリックギターの絡み具合は、聴く人によっては面白いと感じさせます。その一方で、普通のJazz RockやProg Rockとは、分類しにくい場面もあったりします。アメリカのバンドですが、むしろフランス出身のZeuhl系というか、ベルギーあたりのレコメン・サウンドやR.I.O.タイプ、それにFrank Zappaのような要素も含まれているような雰囲気もあります。曲によっては、これは一筋縄でいかないと、強く感じさせます。レヴューを書くまでに、もう既に何周もCDを廻しているのですが、なかなか吸収するのが難しいタイプです。超絶に難解なタイプとは異なります。最初からガッチリと曲を構築した音楽というよりは、即興演奏からアイデアを発展させたタイプの楽曲を得意としているように感じさせます。チェンバー風といいましょうか、ジャズロック〜King Crimson/Zappa的な印象を受けることでしょう。うーむ、なかなか攻略するのが難しいタイプの音楽です。ハッキリと言えば取っ付き難いタイプのサウンドに分類されるかもしれません。変り種のバンドが好きな人には、ひょっとしたらピンと来るものがあるのかもしれません。(プロモ盤Review)