MULLMUZZLER (James LaBrie)
country: Canada, United States, etc.
style/genre: HR/HM, Prog Rock, Prog Metal, AOR, etc.
website: http://www.mullmuzzler.com/
related bands/artists: Dream Theater, Winter Rose, Trent Gardner, Matt Guillory, Shadow Gallery, Frameshift, etc.
similar bands/artists: Dream Theater, Magellan, Explorer's Club, Dali's Dilemma, Frameshit, Marco Sfogli, etc.
artist info: Dream Theaterのリードボーカリストによるプロジェクト。Magna Cartaを中心に敏腕ミュージシャンが参加しています。



Mullmuzzler - Keep It To Yourself
Magna Carta
(1999)

James LaBrieを中心にしたソロ・プロジェクト第一弾。この作品Keep It To Yourselfが、本格的に制作された年の前後は、ちょうど本体であるDream Theaterのツアーや、Jamesのレコーディングも一段落ついていた頃だったと思います。Magna Cartaからソロアルバムをリリースしてはどうか?という斡旋もあったのでしょう。忙しい合間を縫ってJamesは、Trent Gardner (Magellan/Explorer's Club)やMatt Guillory (Dali's Dilemma)等といったMagna Cartaを代表する腕利きのミュージシャン達とコラボレートする形で制作することになります。楽曲を作り上げていく上で、人々にとって「身近な事柄や現象などを熟考すること」から、「時に人というのは自分が心の中で思っていることをオープンに表現できないジレンマに陥っているのではないか?」といった様々な概念を主眼に置いたとのことであります。そういったテーマを自分のプロジェクトに投影する上で、「熟考する」という意味を持つ(Mull)というキーワードと、「沈黙を強いられる」という意味合いを持つ(Muzzle/Muzzler)と言った言葉を組み合わせたMullmuzzlerが、自分のソロプロジェクト名義にふさわしいと判断したようです。

Keep It To Yourselfは、コラボレーションという形態をとっているため楽曲のスタイルも様々です。Dali's DilemmaMatt Guilloryのキーボードを大きくフューチャーした1曲目「His Voice」は、非常にインパクトの強い曲でカッコイイです。参加しているギターリストやベーシスト、そしてMike Manginiのドラミングも含めて演奏形態が非常にスリリングで、良好であります。個人的なJames LaBrieのボーカルワークのハイライトは、この1曲に集約されていると思います。2曲目の「Statued」もProg Metal的な楽曲でグイグイと引き込んでいくものがありますね。それから、個人的にはMike Kennealyがメインのギターリストとして参加していることが、大きな驚きでした。正統的なギターで頑張っており、Kennealy本来の奇抜な側面は余り前面に出していないという印象です。

2曲目までは、割とストレートで歌を中心に据えたProg Metalタイプの音楽が続くのかと思っておりましたが、3曲目以降から中盤にかけてガラリと雰囲気が変わります。3曲目から4曲目を中心にTrent Gardnerの影響下にあるサウンドが遂に登場します。Magellanほど懲りまくってはいない感じです。中盤以降は割とJamesの歌を中心にストレートな楽曲が並んでいるという印象です。充分スリリングな局面を持つ場面は登場するのですが、全体的にテクニカルな演奏はかなり抑えぎみにしておりますね。一方「Guardian Angel」などのように楽曲によっては、ストレートなHard RockテイストやAOR風味も感じさせます。後半またMatt Guilloryを軸にしたキーボードワークスや冴え渡ったソロイングなどが再び楽しめます。個人的にはProg Metal的ストラクチャーや流れを持つ後半3曲に再び唸りました。ラスト曲のAs A Man Thinksは、このアルバムの中では最もProgressive Rockの色合いが濃いので、MagellanやExplorer's Clubに通じるようなボーカル・アレンジ〜楽曲構成と緻密な内容で楽しむことができました。

このアルバムにトライするまでは、かなりDream Theater的側面の強いものがズラリと並んでいるのかな?と予想しておりました。ですが、どちらかというとMagellanExplorer's Clubなどを彷彿する場面が多いことが新鮮でした。ある意味、Dream Theaterに通じる部分もありますけど、また本体とは違ったJames LaBrie自身の魅力が滲み出ていますね。この辺りは、監督の役割も果しているプロデューサーTerry Brown氏の貢献が大きいように感じました。Magna Carta陣営やゲスト参加している敏腕ミュージシャン達も演奏面でばっちりとサポートしています。Jamesの伸び伸びとした歌が全編で楽しめる内容となっています。やっぱり注目は、Matt Guilloryのキーボード・ワークスが良好だということ。そして、彼ならではのDali's Dilemma的なアプローチが大変素晴らしく、自然と耳がいきましたね。Prog Metalファンだけでなく、メロディアス・ハードロックなどの歌ものが好きな人にも楽しんでいただきたい作品です。(購入盤Review)


James LaBrie's Mullmuzzler - 2
Magna Carta
(2001)

2001年にMagna CartaからリリースされたJames LaBrieを中心としたソロアルバム第2弾。当然スタイル的には、前作の流れを汲んでおり、歌ものを中心にしたバラエティ豊かな路線を狙っています。Magna Carta系の技巧派ミュージシャン達のカラーとLaBrieの歌声を上手くいかしたProg Metal的な作品になっています。前半の3曲を除いてMatt Guillory (Dali's Dilemma) とJames LaBrieとの共作が圧倒的に多いためか、今回の作品の方が統一感がより強く出ていると感じました。Dream Theater名義でリリースされた作品と比べても、自由度のある伸び伸びとした歌が主役として活躍していると言えます。個人的には激しい歌い方よりも、このアルバムで聴けるLaBrie本来の温かみと柔和な表現力が好きなリスナーにはグっと来るのではないでしょうか。

1曲目の“Afterlife”は、Trent Gadnerとの共作なので、当然Magellan風な現代的なProg Rock曲に仕上がっています。2曲目の“Venice Burning”と3曲目の“Confronting The Devil”は、Shadow GalleryのメインコンポーザーであるGary WehrkampCarl Cadden-James組との共演のためか面白い結果になっていると思いました。この2曲目と3曲目は、ダーク寄りな楽曲のテーマとして繋がりのある物語形式となっています。Led Zeppelinと「Legacy」アルバムを出した当時のShadow Galleryが合わさったような曲調をJames LaBrieが歌い上げており、とても新鮮なアプローチとして聴き応えがありますね。

4曲目から最後の10曲めに至るまでは、ハードめのProg Metal的な展開を持つカッコイイナンバーから、ポピュラー風なサウンドといっても過言ではないキャッチーな楽曲まで色んな側面を見せています。主役は当然James LaBrieの歌をフューチャーしたものですが、バックの演奏陣もベテランから新進気鋭の人達によるものなので、当然安心して楽しめます。前作とこの作品でやっぱり光り輝いているのが、キーボード奏者のMatt Guilloryです。ピアノやキーボードによるバッキング〜シンセリードに至るまで非常にセンスが良いです。作品の音作りも非常にソリッド且つ心地が良いものになっています。全体的に温かみのあるサウンドに仕上げているところがポイントです。特に中盤から後半にかけては、Dali's DilemmaやイタリアのMarco Sfogliに通じるというか、InsideOutへ移籍以降のJames LaBrieのソロ作品の方向性を示唆するものが内包されているでしょう。

このアルバムは楽しめる楽曲がズラリと並んでおりますので、Dream Theaterを始めとするProg Metal的なサウンドが好きな全般のリスナーにアピール大でしょう。特に印象的だったのがDali's Dilemma的なカラーを持つ5曲目のStrangerや2曲目のVenice Burningなどでありまして、それらをハイライトとして挙げたいです。前作も素晴らしい内容が展開されていましたが、ひとつ作品に筋が通ったバラエティな作品と言えます。4曲目のFallingや8曲目のBelieveなどのソフトな曲調のナンバーからは、爽快感や哀愁度も含まれているので、これまた染み渡って浸透してくるのではないでしょうか。また要所要所において、技巧的なソロや堅実なアンサンブル等も含まれています。ということで前作と比べても。こちらのアルバムを好んでいるリスナーも多いのかもしれません。Magna Carta系サウンドが好きなリスナーには、間違いなく楽しめると思います。(購入盤Review)

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