MURPHY, JAMES
country: United States
style/genre: Guitar Instrumentals, Fusion, HR/HM, Thrash Metal, Prog Metal, New Tendencies, etc.
website: http://www.msanthrope.com/jamesmurphy/
related bands/artists: Disincarnate, Agent Steel, Death, Obituary, Testament, Artension, Explorer's Club, Vicious Rumors, etc.
similar bands/artists: Testament, Machine Head, etc.
artist info: あらゆるタイプのメタルグループを渡り歩いた実力派ギターリスト。



James Murphy - Feeding The Machine
Shrapnel Records
(1999)

渡り鳥ギターリストとして、メタルシーンでは大変良く知られているJames Murphyが、Shrapnel Recordsよりリリースした第2段のソロ作品。正統的な80's American Power Metalグループを始め、スラッシュメタルから果てはデスメタル系統のグループまでの活動を長い間続けています。彼の名前はメタルを探求して聞いているリスナーは、必ずどこかで発見するはずです。さて、このFeeding The Machineは、どちらかというとモダンでエクストリームなメタル系のサウンドと今まで培ったHeavy Metalサウンドを融合させ、テクニカルなギタープレーや怒涛のリズム隊による演奏が楽しめる傾向であります。

現時点では前作を聴いていないのですが、おそらくConvergenceの方向性を受け継いでいるのかもしれません。核となるメンバーは、James Murphyのギター、Steve DiGiorgioのベース、Deen Castronovoのドラムとなっています。しかし、このアルバムは各楽曲によってゲストミュージシャンが大変フューチャーされたものになっています。主にShrapnel Recordsや一部Magna Cartaのアーティスト達も参加していますが、これまでの彼のキャリアを物語るかのような凄い人脈です。僕自身は、この作品は楽曲によっては、広い意味でProg Metalの仲間というか親戚みたいなサウンドだなーと思います。個人的にはDali's DilemmaArtensionのメンバーが一部参加している楽曲が、興味を惹きました。モダンでメタルサウンドの中を飛翔するProg Metal的キーボードやフレージングが飛び出すところが面白く、ArtensionをよりProg Metal的にしたかのようなスタイルがとっても新鮮に聴こえました。

アルバムの前半は、かなりヘヴィで「Ritual」や「Low」を出した頃のTestament的要素が強いと感じました。90年代というとメインストリームのMetalシーンでは、PanteraMetallicaのBlack Albumの登場で、グルーブや重さを強調したサウンドが持て囃されている時期がありました。あの頃の時流をよくキャッチしながらも、James Murphyは自分自身が好む路線に軌道修正しているという印象を受けました。いやー本当にヘヴィで、自分の中に眠っていたメタル魂を燃え上がらせてくれます・・。

中盤辺りから、少しProg Metal的なスタンスを含む楽曲が現れたかなーと思うと・・・なんと6曲目のOdysseyはあのDixie Dregsの名曲カバーです。メタリックなエッジが立った楽曲で、これはProg Metal的と言ってもいいかもしれません。7曲目Through Your Eyesもスタイル的にはProg Metal風味が強いですが、この曲ではなんとMagellanTrent Gardnerが歌を担当してます。こんなにヘヴィな音像の中で歌に参加するのは、Trentにとっても初の試みだったのかもしれませんが、この辺りはExplorer's Club繋がりに違いないですね。そして8曲目は、この作品のハイライトと言っていいかもしれないAl Di Meolaの名曲をカバーしたRace With Devil On Spanish Highwayが非常に素晴らしい出来栄えです。Dream Theater的なテクニカル演奏形態と言いたくなるほど、James Murphy with フレンズの秀逸なパフォーマンスが楽しめます。あ、そうそう、勿論6曲目と8曲目を除けば、全てJames Murphyのオリジナル曲でございます。

ヘヴィな現代風スラッシュ・メタルから、インストを中心にしたJamesの解釈を施したギターをフューチャーしたProg Metalタッチの楽曲まで中々に面白い楽曲構成にしてある作品がズラリと勢揃いしています。ただし、このアルバムはスラッシュやデスなどのメタルの中でもヘヴィな度合いが強いものを普段聞かないリスナーにとっては辛いことが予想されます。ヘヴィ指向のメタル耳を持っているリスナーには、楽しむポイントがあるでしょう。Prog Metalファンは上で挙げた6曲目〜8曲目が楽しめると思いますし、僕も6曲目から後半全体は一気に楽しめました。(購入盤Review)

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