MYSTERE DE NORTRE DAME
country: Italy
style/genre: Prog Metal
website: http://www.enet.it/hpg/mdnd/
related bands/artists: Evil Wings, etc.
similar bands/artists: Ivanhoe, Dream Theater, Arkhe, Black Jester, etc.
artist info: Prog Metalの宝庫イタリア出身のグループ。WMMS系のProg Metalの中でもソリッドな方向性が特徴。



Mystere de Nortre Dame - s/t
Music Is Intelligence/WMMS
(1997)

今はどこで何をしているのやら?、イタリアはミラノを拠点に活動をしているシンフォ寄りProg Metalバンド。バンド結成は、1993年に遡るが、当初はProgressive Thrashサウンドを標榜していたらしい。1995年に正式なメンバーとしてKeyboardistを擁するようになってからが、彼らの転機となったようであります。Music Is Intelligence/WMMSの領袖Peter Wustmann氏の目に止まり、契約を獲得。それを機に、Prog Metalサークルを中心にアンダーグラウンドシーンからメタルシーンへと知名度があがったのではないかと思います。

ここから私の悪い癖の脱線話になるのですが(笑)、WMMSというと、かなりたくさんのNeo-Prog〜Prog Rock系統のバンドを中心に、色んなアルバムをリリースしていることで知られているレーベルであります。日本でも、ここから出た作品を好む方々がいらっしゃるようであります。ある方達は、このレーベルから出た独特のシンフォ・サウンドをWMMS系と呼んでいるそうであります(笑)。WMMS出身で最も有名なプログレ系バンドとしては、Prog Metalファン層からも熱狂的な支持を得ているGarden WallIvanhoeといった存在に定評が集まっています。私も隠れWMMS/Music Is Intelligenceファンかもしれません(笑)。

Ivanhoeが静かに盛り上がりを見せたのか、上で挙げたPeter Wustmann氏も、いくつかのProg Metalグループを育成しようというプランを立てていたのではないかと思います。私個人は、Wustmann氏のことに非常に興味を持っておりまして(・・・いやいや、勘違いしないで下さいね。・・・変な意味じゃないですよ。笑)、この人の経営手腕というか音楽コンセプトはかなり深いのではないかと観察をしていた訳なんです。どうやら、Mystere de Notre Dameサイドの話を伺うに、アルバムリリースやセールスの戦略にも割と積極的だったらしく、なにやら後年発展するオランダのProg Metal専門レーベルDVS Recordsにその熱意は、ある意味受け継がれたのではなかろうか?。・・・ああ、どんどん脱線しているので話を戻します。

さて、このMystere de Notre Dameなんですが、WMMS系のバンドなので、一筋縄でいかない展開も含むけど、基本的にはDTから影響を受けたProg Metalサウンドにとどまらず、ほのかにイタリア伝統のシンフォテイストや、プログレ的な要素も入れていると思います。テクニカルに押し捲るというよりは、ソリッドにテンションや緩急をつけた演奏もあったりと場面によっては哀愁度もある。しかし、場面によってはタイムチェンジや変拍子なども取り入れて起伏を作り出しております。リードボーカリストも、哀愁漂うメロディーラインを大事にした歌い方で、いいものを持っております。ギターやキーボードが場面によっては活躍をするところがあり、プログレハード的な部分も大事にしつつ、ここぞというときにはヘヴィな部分を出しています。楽曲によっては、非常に煽情性のある部分を前面に押し出していて、やはりイタリアのProg Metalグループに共通するエレガントな雰囲気が琴線に触れるところでありましょう。

惜しむらくは、もっといいプロダクションだったら同じレーベルのIvanhoeのファンにも、もっとアピールしていた可能性が高いでしょう。このバンド私は結構気に入っておりまして、割と好きな部類の仲間入りをしています。しかし、万人受けするかどうかはちょっと疑問かもしれません。でもいいものは、持っているイタリア産Prog Metalグループであります。イタリアのグループというと、Evil Wingsなどのように派手目で、目まぐるしいことをするのが大好きな連中が多いという印象があると思います。でも、このバンドは比較的先輩格に当たるドイツのIvanhoeあたりや、WMMS系統のコンテンポラリーなProgバンド勢などもお手本にしたソリッドな作風であります。残念ながら、この作品以降彼らの動向が伝わってきておりませんが、もしも地道に活動をしているのならば、次回はかなりガツンと来る素晴らしいアルバムを引っ提げてカンバックしてくれるのではないでしょうか。(購入盤Review)

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