MORSE, NEAL
country: U.S.A.
style/genre: Prog Rock, Symphonic Rock, Christian Contemporary Music, etc.
website: http://www.nealmorse.com/
related bands/artists: Spock's Beard, Transatlantic, Mike Portnoy (Dream Theater), Phil Keaggy, Kerry Livgren (Kansas), etc.
similar bands/artists: Kansas, Petra, Spock's Beard, NDV, Transatlantic, John Elefante (ex.Kansas), etc.
artist info: Spock's Beardの中心人物として活躍。類稀なる才能を持ったマルチ・ミュージシャン、ソングライター。



Neal Morse - Testimony Live DVD
Metal Blade/Radiant Records
(2004)

Neal Morseは、アメリカを代表するProgressive Rockバンド、Spock's Beardの中心人物として活動を繰り広げていたことでよく知られている人物であります。しかし、2002年の後半に突如としてSpock's Beardから脱退し、プログレ・シーンを驚愕させたことは記憶に新しいところでありましょう。彼自身の中にある、クリスチャンとしての信仰を新しく改めて見つめていくという意味を含めての離脱だったと耳にいたしました。様々な憶測や情報が飛び交い、Spock's BeardやNeal Morseファン達の間でも、彼に対して非常に懐疑的な論調が出ている頃でした。「Neal Morseは、完全に音楽シーンから身を引いて隠遁してしまうのではないか?」という大方の予想を見事に裏切り、2003年に2枚組の自叙伝的作品Testimonyをリリースするに至ります。さらに驚くことに、Spock's Beardファンの多くを満足させるに充分で高品質なシンフォニック且つプログレッシヴ・ロック的な作品になっております。

Testimony自体は、彼のオート・バイオグラフィー的な要素が濃いアルバムとなっており、自身がこれまでに通ってきた人生経験などを音楽に載せて、赤裸々に語った内容と言えます。Neal Morse自身がとても熱心なクリスチャンの信仰を持っている人なので、Testimonyのストーリー内容に抵抗感や違和感をCDで感じた人もいるかもしれません。歌詞や貫かれているテーマとか、コンセプトは特にここ日本では違和感を感じる人もいるかもしれませんが、作品をトータルで見渡す限り傑作に仕上がっていると私は思いました。僕みたいにTestimonyのCDを聴いたことがなかった人でも、Testimony Liveを観ていただければ、歌詞に抵抗感があっても音楽を通して、グイグイと引き込まれていくのではないでしょうか。ちなみにTestimonyは、多くのプログレファンにも受け容れられました。その結果、世界各国の主要なプログレ誌やウェブサイトで、2003年度のベストアルバムに選出されました。我々の心配を吹き飛ばすほどの、素晴らしい作品を引っ提げてシーンに再浮上したと言えるのではないでしょうか。そして、あまり間隔を空けることなく、2004年の中旬にRadiant RecordよりTestimony Live DVDがリリースされました。2003年にオランダは、Tilburgで行われた演奏が主に収録されております。バンドも観衆も両方楽しんでいる様子が、こちらにも暖かく伝わってくる映像DVDとなっています。

さて、このTestimony Live本編ですが、2枚組のDouble Live DVDとなっております。収録時間は、全部合わせてほぼ4時間近くに渡って、ボリューム満点です。1枚目はTestimony本編が、ほぼ完全に収録。2枚目には、アンコールとしてSpock's Beard時代の名曲"The Light"、Transatlanticからは、"We All Need Some Light"と"Stranger In Your Soul"など計3曲、ロングフォームの楽曲が演奏されております。ステージには、Nealを含めて全員で8人登場しております。優秀な腕前を持ったミュージシャン達が、Neal Morseの為に結集したと言えるでしょう。カメラがまわっているせいか、Nealも多少緊張感を伴いながら演奏していたのではないでしょうか。全体的に見るとステージ上でのNealのパフォーマンスは、とてもダイナミックで堂々としております。熱唱しながらアコースティック・エレキギターを巧みに操る一方で、ここでというときにはキーボードを使ってオルガンやシンセリードを弾くなど、Spock's Beard時代と同様に凄まじいマルチプレーヤーぶりをステージ上で発揮しております。Neal Morseの友人でもあり、よき理解者であるDream Theaterのドラマー、Mike Portnoyの参加も重要な役割を果しております。彼のドラミングは、このステージではDream Theater的なドラミング奏法とは若干おもむきが異なるように見受けられました。むしろSpock's BeardNick D'VirgilioKansasPhil Ehart的な叩き方に近い印象を受けました。

Neal MorseやMike Portnoy以外の参加メンバーは、プログレ畑では殆ど無名に近い存在なのかもしれません。しかし、決して見劣りすることは無い非常に優秀なプレーヤーばかりが勢揃いしております。このバンドの特徴は、半分以上のミュージシャンがマルチ・インストゥルメンタリストとしての側面を強く持っていることでしょう。その結果、普通では完全に再現することが不可能なTestimonyの世界が、シンセサイザーや打ち込みに頼ることなく人間の手によって暖かいサウンドを伴ってライブというシチュエーションで展開されていることが、このDVDを観る醍醐味となっています。

その中でも特に興味をひいたのは、Eric Brentonという男でありました。Ericは、ヴァイオリン・エレクトリックギター・スティールギター・マンドリン・そしてフルートと様々な楽器を曲によって縦横無尽に使いこなしており、Neal Morseに比肩しうる、その恐るべき音楽的才能に驚嘆いたしました。しかも、どの楽器もかなりハイレベルでこなす職人的ミュージシャンとして、非常に彼の動きに個人的にはとても興味を持ちました。キーボードを主に担当していたBert Baldwinは、非常に若いキーボード奏者ですが、巧みなキーボードワークを披露しておりました。Neal Morseのキーボードパートを大々的にフォローしておりました(どうやらDream Theaterのツアーにも、同行していた経験もあるそうです)。Testimonyのオーケストレーションを再現するのに、EricやBertと同様に重要な役割を果していたのが、エレクトリック・チェロを担当したJohn Krovosaです。風の噂によると、どうやらJohn Krovosaは、かの高名なRobert Plant/Jimmy Pageとも活動をしていた時期があるとのことで、音楽業界では知られている人物なのでありましょう。低音域を中心に、見事なフレージングでバンドに溶け込んでおりました。ギター、キーボード、パーカッション、バッキングボーカルを担当しているRick Altizerは、特にJohnny Cash等との活動でも知られているプレーヤーで、要所での活躍が見受けられました。Neal Morseのもう一人の旧友Mark Leningerは、主にパーカッションとサックスのソロなどで参加しております。アルバムのホーン・セクションの再現に貢献しております。巨漢ベーシストRandy Georgeは、John Krovosaと同じく低音域パートを補佐しておりました。Spock's BeardのベーシストDave Merosの固めの音質で疾走する奏法とは、大分異なりますね。他のメンバー達と比べると、Randyは地味目かもしれません。・・が、じーっとよくフレットボード上で動く彼の指さばきををみていくと、なかなか通好みのエグイ演奏してると思います。全体的に、Neal Morseのバンドのパフォーマンスも予想を遥かに超えた、非常に素晴らしい内容に仕上がっております。シンフォ系ロック〜プログレ全般が好きな皆様にぜひぜひ観ていただきたいです。

2枚目には、ボーナストラックとして70分に渡るツアードキュメンタリーが収められております。Spock's BeardのDVD同様、Neal Morseのコメントが主に入ってます。勿論、貴重なリハーサルシーンや興味深い会話、バンドのメンバーが楽しんでいる様子が収録されています。イギリス・オランダ・ドイツ・アメリカ公演での様子も、少し挿入されています。DVD本編の中盤辺りとボーナス映像の両方に登場する「Neal Morseの娘さんJaydaの心臓が、奇跡的に癒しを受けた話」は、クリスチャン・ノンクリスチャン両方の観衆の心を充分に揺さぶるテスティモニー(証言・あかし)だったと思います。飛行機やバスで移動をしているシーンが結構出てきますが、メンバー達は、まるでピクニックや遠足みたいに、とても楽しそうにしてます。またツアーバスが故障する大変なハプニングの模様もドキュメントされてます(Mike Portnoyも、これについては、ちょこっとコメントしてますね。)。また熱のこもったPrayer Meetingの様子も入ってます。などなどと、これまでSpock's BeardTransatlaticなどを聴いたことがない人にも、楽しんでいただける内容になっています。チャンスがあれば、ぜひNeal MorseのTestimony Live DVDご覧になってみてください。特にSpock's BeardのVSnowが両方好きな人〜Kansas的なドラマティック・シンフォニック・壮大なスケールを持った音楽を好む層には、アピール大でございます。勿論、プログレを聴いたことがない(もしくはプログレって何?と疑問をもっている人)、あるいはクリスチャンの信仰をもったJohn ElefantePetraなどのようなバンドやミュージシャン全体の音楽に興味を持っている人たちを含めて、かなり幅広い層の人たちに受け容れてもらえる映像作品であり、音楽作品に仕上がっています。(プロモ盤Review)

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詳しくはこちらを↓

Neal Morse公式ページ http://www.nealmorse.com/
Radiant Recordsページ http://www.radiantrecords.com/
(A very special thank you to Bill Evans of RADIANT RECORDS)

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