NEWBREED
country: Poland
style/genre: Modern Metal, New Tendencies, Prog Metal, etc.
website: http://www.myspace.com/newbreedmetal  
related bands/artists: Dream System, Egoist, Spacebrain, etc.
similar bands/artists: Death Machine, Zero Hour, Opeth, Division By Zero, Riverside, Textures, etc.
artist info: ポーランド出身のProg Metalグループ。Insanity Recordsよりアルバムをリリース。



Newbreed - Child of The Sun
Insanity Records
(2007)

今回もポーランド出身の新しめのProg Metalグループを紹介したいと思います。このNewbreedは、ボーカルを兼任するギターリストとドラマーのWolonciej兄弟を中心としたグループとなっています。クレジットを見るとWolonciej兄弟ともう一人のギターリストを含む3人のみが、正式なオフィシャルメンバーということになるのでしょうか・・・。キーボードを兼任するベーシストは、正式メンバーとは違う位置づけにあるような感じです。実はこのアルバムは、通産2枚目ということになるそうです。ポーランド国内での活動は2000年の初頭から継続している様子で、メンバーの移動が結構激しい印象を持ちました。彼等の作品は、当然これを聴くのが初めてになりますが、以前紹介した同じレーベルに属するDivision By Zeroともまた雰囲気が異なります。ところどころで、自分たちの土壌を大事にした独自の魅力的なところも顔を出しつつある新世代の硬派なバンドです。

確かに硬質でパワーのある演奏などは、Division By Zeroに近いというか、東欧のバックグラウンドがあるので、似ているところもあるかな?という程度です。グループの持っている音の性質からいうと随分違うものですね。このグループは、Prog Metal系という括りになりますが、Dream Theaterスタイルを期待しないほうがいいです。むしろモダンなムードやThrash Metal/Modern Death系を漂わせているところが強いときもあります。楽曲によってはPanteraProng, Meshuggah, Devin Townsendぽいアングリーな感じも漂っています。静謐なところや冷ややかなムードを漂わせるところはOpethRiversideぽい部分もありますが、若手ならではの荒々しさが伝わってきます。ギター兼ボーカルのTomasz Wolonciejは、終始クリーントーンで歌を歌っており、声質は良好でいいものを持っていますね。東欧系のボーカリストは、大体良いパフォーマンスを得意としているので、この辺りは安心できるポイントですね。

またキーボードの音は、Newbreedの場合、残念ながらあまり登場しません。Keyboardサウンドを絡めた劇的でメロディアスなProg Metalは、この作品では期待できないので覚悟が必要かもしれません。ハード&へヴィーなパートは、割と前面に出ておりギターがザクザク鳴り響き、瞬発力のあるタイトなパートやリードギター等のパフォーマンスは、Zero HourDeath Machineを少し想起させます。彼等のように変拍子で目まぐるしく突進をしないものの、ストレートでテンションのある緊張感のあるパートは、大変気に入りました。そういったヘヴィネスでソリッドなところは、彼等の強みと言えるでしょう。キーボードは、殆ど目立つ形で使われていないにも関わらず、ギターの空間系サウンドやアトモスフェリックなボーカルハーモニー、そしてリズムセクションだけで深遠なムードを作り出すところもあって、この辺りはRiversideを輩出したポーランドという国の面白いところかもしれません。リズミックパートも割りとストレートですし、ボーカルがあるもののインストやアンサンブルのパートが多いので、聞き手によってはこの辺りが好きか嫌いかで、この作品の評価は真っ二つに分かれることでしょう。

結論から言いますとNewbreedに関しては、ギターオリエンテッドで若手ならではのアングリーな表現を得意とした、新しいProg Metal世代の音楽という位置づけが出来るでしょう。個人的には、ちょっと荒涼とした雰囲気が強すぎるかなーと感じましたが、テンションを緩めてダーク寄りな空間を作り上げたりするところは上手いです。思ったよりも歌メロが少ない感じで、演奏も割と淡々と進むので、日本人のリスナーにどう伝わるのか気になるところであります。起伏の激しいインストを前面に押し出すでもなく、目まぐるしいタイプとも全然違うので、楽しめない人には楽しめないかもしれません。正直、僕個人が嵌るタイプとは、やや異なるのが正直な感想ですが、何か気になってしまう要素は持っているので、無視はできない存在ですね。しかしながら、モダンなメタルサウンドやThrash/Death Metal系を通過している人には、おおいに好まれるタイプかもしれません。とりあえず彼等の音楽の場合は、一度ウェブサイトやMySpace辺りでサンプルを聞いてチェックしてみることをお薦めします。楽曲によっては、オオ!と身を乗り出してしまう魅力的なところも数々あると思いました。(購入盤Review)

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