O.S.I.
country: USA
style/genre: Prog Metal
website: http://www.osiband.com/
similar bands/artists: Chroma Key, Fates Warning, Porcupine Tree, etc.
artist info: Jim Matheos, Kevin Moore, Mike Portnoy達が中心となり結成された新感覚のProg Metalプロジェクト



O.S.I. - Office of Strategic Influence
InsideOut
(2003)

2003年上半期において、様々な方面から話題になったのが、この新しいProg MetalプロジェクトO.S.I.だと思います。昨年辺りから、大きな話題となっていましたがメンバーとして、Fates WarningJim Matheos (guitar)、Chroma KeyKevin Moore (vocal/keyboard/programming)、Dream TheaterMike Portnoy (drum)の3人がO.S.I.の核となって形成されています。この3人をサポートする形で、ゲスト参加という名義でGordian KnotSean Maloneがベースを担当。そしてPorcupine TreeSteven Wilsonが「shutDOWN」で参加を果しています。本来Mike Portnoyが、Transatlanticを結成するにあたってギターリストとしてFates WarningのJim Matheosを第一候補に挙げていたようです。しかし、Jim Matheosはその当時バンド関連のスケジュールや様々な事情によりTransatlanticにはメンバーとして参加することはできなかったようです(ご存知の通り、TransatlanticにはThe Flower KingsRoine Stolt氏がギターリストとして参加をはたします)。しかし、MikeにとってはJim Matheosとコラボレートする夢をあきらめていなかったようで、結果的にはO.S.I.のプロジェクトにはJim Matheosを迎えることに成功しました。

どちらかというと世間での印象では、Mike Portnoyがイニシアチブを取って先導しているイメージが先行しがちでありますが、どうやらこのO.S.I.は、そういうイメージとは多少異なるところにあると、個人的には思います。上でも少し触れているように、このプロジェクトは本来Mike PortnoyとJim Matheosの2人によるサイトプロジェクトとして発展して行ったと見るべきかもしれません。Jim Matheosが言及しているように、このプロジェクトの母体は割と正統的なProg Metalだったそうです。しかし、Kevin MooreがO.S.I.に関わるようになってから、正統派Prog Metalサウンドから結果的にどんどん離れていくサウンドに変貌を遂げていったそうです。オリジナルで作っていたロングフォームの楽曲が、Kevin Mooreによって典型的なProg Metalサウンドからよりエレクトロニカや現代的な音像がブレンドされた新しいタイプのヘヴィなサウンドに進化していきます。そういった意味で考えていくとKevin MooreもMikeやJimと同じく大きく音楽面でも貢献をしていることは言うまでもないでしょう。またリードボーカリストに関しても、Kevin Mooreに落ち着くまでに、候補としてKansasSteve WalshPain of SalvationDaniel Gildenlowが有力候補として残っていたというのも驚くべきことです。一部の人達の間では、Daniel Gildenlowがこのプロジェクトから降りてしまったことによって興味を失ったという意見も出たようです。元々このプロジェクトがJimとMikeの2人によるコラボレーションが原点として考えていくならば、Kevin Mooreを彼らが最終的に選んだというのは自然の成り行きだったのかもしれません。

気になるO.S.I.の音楽性に関して言えば、確かにDream TheaterやFates Warningに通じるテクニカルで勢いのある緻密な楽曲もいくつか登場するものの、今までのProg Metal系統のプロジェクトと違うのは寄り楽曲や歌詞などを重視したモダンでエレクトロニカな要素や空間系のサウンドが強調されています。Chroma KeyやRadioheadなどに通じる印象です。リードボーカルを担当しているKevin Mooreの歌い回しや声のトーンからして、まさにChroma Keyのような気だるい雰囲気や風情を出しています。技巧的で複雑緻密な展開を期待をしすぎるとO.S.I.の本質を見逃してしまうかもしれません。僕個人もこのO.S.I.を初めて通しで聴いたときは、攻略するのが難しい音楽だなーという印象が強かったのですが、聞き込んでいくうちに味わいが深まってきました。ループやS.E., キーボードプログラミングを駆使した独特のモダンな要素とヘヴィーで厚味のある音像が同居しているところが楽しめるポイントだと思います。こういう新感覚を持ったサウンドは場合によってはとっつきにくいかもしれませんが、参加しているメンバーの面子を見てお分かりのように全体が単調ということはないと思います。じっくりトライして楽しめる人は、どんどんのめり込める要素を秘めていると思います。(購入盤Review)

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