PORCUPINE TREE
country: U.K.
style/genre: Prog Rock, Space Rock, New Tendencies, etc.
website: http://www.porcupinetree.com/
related bands/artists: No-Man, Blackfield, O.S.I., Japan, etc.
similar bands/artists: Pink Floyd, Stefano Panunzi, Chroma Key, Riverside, etc.
artist info: Steven Wilson率いる、英国出身のProg Rockバンド。



Porcupine Tree - Lightbulb Sun
Snapper Music
(2000)

現在Prog Rockシーンの中で重要な位置を存在を占める、英国の重鎮グループが2000年に発表した作品です。これまでPorcupine Treeの中心人物であるSteven Wilson氏が関わってきたグループや周辺関係者の音楽には、色々と触れてきたものの肝心の本体の作品に触れるまでにエライ遠回りをしてしまいました。友人とプログレ談義をしているときに、「実はまだPorcupine Tree自体のアルバムを持っていない」という話をしたら、後にLightbulb Sunをプレゼントでいただきまして、それがきっかけでようやく彼らの音楽にトライする機会が巡ってきました。あらゆるProg系の媒体で、大絶賛の嵐のグループだけに、どんな世界観やサウンドが飛び出すのかと期待に胸膨らませておりました(^^)。

以前から、この作品のジャケットに一番惹かれていたのと興味を持っていたので、作品全体を味わって見ました。結論から言いますと、恥ずかしながら彼らの音楽にもっと早く触れていれば良かったと強く思います。予備知識的に、彼らはどちらというとテクニカルな方面を目指すバンドでは無いということは知っていましたので、そっち方面での失望は全くございませんでした。まず驚かされたのが、作品自体のクオリティがとても素晴らしいということ。楽曲の質、演奏面、そしてサウンド・メイキング・・どれをとっても完成度が高いということです。大きく分けるとPink FloydChroma Key等に通じるSpace Rock的な味わいのあるアトモスフェリックでアンビエンス性の高い楽曲や、ヘヴィなProgサウンドでテンションが次第に高くなっていく現代的なスタイルものなどであります。O.S.I.に見られるようなメタリックなエッジは、極力削ぎ落とされているという風に受け取ることはできるかもしれません。

もちろん、特徴としては以上の2点が印象的でしたが、他にもイタリアのStefano Panunzi辺りにも影響を大きく与えたキーボード類などによってアトモスフェリックからトランス的な領域を行ききするかのような楽曲も登場。そして意外なことにJars of Clay辺りをダーク寄りにしたかのようなアコースティックな音色や、空間をたっぷり効果的に使った構成のものなど、大人の味わいを強く感じさせるものも含まれていました。いろんな楽曲で、様々な側面を見せることが上手いなーと感心しました。コンスタントな活動や質の高い作品作りにより、Porcupine Treeの人気は、海外のProgリスナーの間で不動の地位を築き上げることに成功しています。

個人的には、4曲目のShesmovedon辺りのサウンドと音楽性で完全に打ちのめされました。この力の抜けようと、コーラスパートの魅力はなんなんでしょう!。初めて4曲目を聴いたときは、私の琴線に直撃して身を乗り出してしまいました。サビの部分を中心に堪能できます。この曲を聴くたびに「シーズ・ムーヴドォン!」というところが癖になってしまい、一緒に歌いたくなってしまいます(笑)。7曲目のHatesongと9曲目の長編Russian on Iceでは彼ら演奏陣における表現力の素晴らしさが見事開花していると思いました。特に7曲目の辺りでテンションが急上昇していくところは、彼ら本来のProg魂が炸裂した展開といえるかもしれません。個人的にピックアップしたハイライトは以上ですが、聴き手によって楽しむポイントは様々です。Porcupine Treeの魅力の片鱗にやっとたどり着いたという感じなので、PTビギナーの私はゆっくりと探求していきたいなーと思いました。テンションの高いProg Metalサウンドを満喫する合間に、ブレイクタイムとしてPorcupine Treeはいかが? (プロモ盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

Back to [P] Section
Back to Review Index

Go to Top Page