READING ZERO
country: U.S.A.
style/genre: Prog Metal, Atmospheric Metal, etc.
website: http://www.myspace.com/readingzero
similar bands/artists: Fates Warning, Auditory Imagery, Malpractice, Chromatic Shade, etc.
artists info: 東海岸を中心にコンスタントに活動しているインディーズ系Prog Metalバンド



Reading Zero - The Actual
Independent Release
(1997)

フロリダ州を拠点に活動しているProg Metalバンドによる1stアルバムです。日本国内においては、話題になることが極めて少ないタイプでしょう。1枚目の「The Actual」を一通り廻してみた感触としては、Fates Warningなどに通じる東海岸系のProg Metalサウンドという感じです。どことなく翳りや悲しみ、やり場の無い焦燥感といった事がらを想起させるサウンドです。もちろん変拍子をいくつかの場面で挿入したり、アメリカ産パワー・スラッシュ風味の要素といったものも含まれています。知的なアレンジや、メタル然とした感触が彼等の最大の魅力でしょう。アルバムに収録されている"Amongst The Clouds"や"Midsummer Daydream (Part 1) "などでも顕著なように、クリーントーンとディストーションを施したギターサウンドの両方を使うことを得意としています。ベース兼ボーカリストのChris Royの声質は、少しとっつきにくい所もあります。ミディアム・レンジを中心に朗々とした歌を披露している。派手なタイプでは無いのですが、ストレートな部分と変則ビートの両方を上手い具合に使い分けております。そういった楽曲が顕著なところでは、個人的には耳を惹く場面もチラホラとありました。硬質でありながらも、アトモスフェリックなムードが含まれているのを好む人には、Reading Zeroの音楽から何かを感じ取ってもらえるかもしれません。嵌れない人には、のめりこみにくい性質を持っていることも確かです。しかし、このサウンドやアプローチの仕方は、一度癖になってしまえば面白いです。最初の印象は、やけに地味な感じがすることでしょう。これが、不思議と聞いていて「オオ!」とか、「これはオモロイ!」と感じる要素もチラホラあります。一刀両断にできない魅力を内側から発散しているかのようです。彼らの持っているアトモスフェリックでダークな部分を通して、不思議な癒しや美しさのようなところも発見できました。独自の手法を模索している様子は充分に伝わってきます。結構、侮れないものを有しているグループだなあ・・・というのが私の達した結論です。(プロモ盤Review)


Reading Zero - Satellite Sessions
Y.O.R. Records
(2000)

内省的でムーディーなProg Metalサウンドを指向するグループによる2作目のアルバム。ダークな色合いが濃いProg Metalサウンドを展開しており、その辺りは前作の流れを受け継いだものになっています。歌詞の世界観に大きな変化は見られず、相変わらずシリアスな心象風景が広がっています。またメンバーのChris Royによる声質や歌の表現から来るものでしょう。沈鬱なムードが深くなっています。虚無の世界がより鮮明になってきたと解釈したくなるサウンド。まず、CDを聴いていて「あれ?」と思ったのは、特にドラム・サウンドが少し弱いような感じがしました。前作はダイナミックで、インパクトがもっとあったように記憶しています。ミックスなどによる影響なのだろうか?、それともエンジニアリングの微妙な違いなのか?。最初は少し物足りないと感じる場面もありました。楽曲の世界に嵌れば、次第に気にはならなくなりました。音の分離やバランスも考えて、なんとか頑張って仕上げたというのが感じられました。

本題に戻って、新作の「Satellite Sessions」の内容を見ていきましょう。全体から感じ取れるムードから言えば、とっつき難い部類に入るかもしれません。顕著なのは、「ドヨーン」とした空気が充満した楽曲が多く含まれています。攻略するのに、時間を要することになりました。最近のProg Metal/Rock系を中心にチェックしているリスナーには、どう聴こえてくるのでしょうか?。どちらかと言うと、彼等のように陰鬱なムードを醸しだすサウンドは、聴き手の好みが分かれるでしょう。ドライな質感が苦手なリスナーにも、とっつき難いという印象を持たれるでしょう。内省的な楽曲を得意としますが、Pain of SalvationやWolverineみたいなタイプでは無いです。全くの別物のアプローチと捉えた方が良いでしょう。

ときおり登場するメランコリックなパートや、緊張感を帯びた演奏は、素晴らしいと思いました。Fates WarningAuditory ImageryDigital Ruinなどのグループに近いと個人的には思わせる場面もあります。2曲目の"Scene.Unseen"の中間のギターが活躍する場面では、初期のQueensrycheLethal辺りを思わせる臨場感があります。アルバム全体を見渡すと、ミディアムからスローテンポなものが多いと思います。8曲目の"Turning Down The Sun"は、その中でもアップテンポ調になっています。正統派のパワーメタル的な部分を強調するだけでなく、拍子にも変化をつけて起伏を持たせております。その結果、スリリングなものに仕上がっています。個人的なハイライトとしては、1曲目の"Project.33"から2曲目の"Scene.Unseen"を挙げたいと思います。一貫して流れている躍動感とProg Metal系のバンドが持っているパワーは、聴き応えがあると思いました。派手なスタイルというわけではありませんが、Chris PellerinJoel Decaturの2人によるギターの絡み合い、メロディアスな旋律の組み立て方には特徴がありますね。

そういった一部の楽曲を除けば、即効性が強くないのが評価の分かれるところでしょう。今にして思うと、1stアルバムの方がストレートで分かりやすいと思えるほどです。アルバム全体を最初から最後まで通して聞くと、集中するのは結構難しかったです。聴き手をどうしても選んでしまうCDでしょう。私も正直言って、引き摺るような感触などは、なじむことが未だにできていません。ですが、上で挙げたような躍動感のあるツインギターとリズムパターンを強調した楽曲も幾つかあるので、そこら辺りを楽しみながら聴いてみました。ツインギターを主体にしたインディーズ系のProg Metalサウンドは、貴重な部類になってきているので、なんとか今後も頑張ってもらいたいところです。(プロモ盤Review)

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