RAZOR WIRE SHRINE
country: U.S.A.
style/genre: Progressive Rock, Technical Instrumental, Prog Metal, etc.
website: http://www.pmm-music.net/
related bands/artists: Leger De Main, Gratto, Mythologic, RH Factor, Andeavor, etc.
similar bands/artists: Rush, Sieges Even, Fates Warning, Mythologic, etc.
artist Info: アメリカは東海岸を拠点に活動しているロドラー兄弟を中心に結成。テクニカル且つメキャニカルなProgサウンドが楽しめます。



Razor Wire Shrine - Going Deaf For A Living
PMM
(2004)

90年代から数々のプログレバンドの作品をリリースしているProgressive Music Managementから発売された、ロドラー兄弟を中心としたトリオ編成の技巧派プログレ・ロックバンドの1st。PMMのChris Rodler(guitars/bass)とBret Rodler(drummer)の兄弟は・・という文脈でピンと来ない方の方が多いと思われます。しかし彼らは、既にLeger De Main, RH Factorなどのプログレ作品をてがけたことで、プログレシーンでは大きく知られている存在なのであります。ここまで読んでいくと・・、あーあの2人か!と納得されるのではないでしょうか。

21世紀の入ってからも、東海岸の彼らはAndeavor, Gratto, Mythologicとプログレメタルとプログレッシヴ・ロックの両面を強く感じさせる非常にユニークで個性的な作品をコンスタントにリリースしてきました。このRazor Wire Shrineは、バンド名やアルバムタイトルからして演奏面を大きくクローズアップさせた内容になっております。とにかく数曲を除くと、各楽器陣のテンションが凄まじく高いです。テクニカルで弾きまくりの構成となっており、歌は全く入っていません。特にリズム面ではポリリズムなども巧みに導入しており、リードギター担当のMike Ohmは終始、流麗なソロを片っ端から弾いております。非常に独特のリズム展開と構成力は、ChrisとBretの貢献度が高いと思います。

特筆すべきは、圧巻というか鬼気迫るというかBret Rodlerによるドラミングが、とても秀逸であります。あまり語られる機会が多くないのが、残念でありますが、Bretのリズムの繰り出し方、そしてテンポやグルーブにおける手法は恐るべきレベルに到達していると、私個人はとても高く評価をしたいです。個人的には、2004年度のベストドラマー部門有力候補はBretでした。全体的に面白いインスト・プログレ作品になっていると思います。まるで明日は永遠に来ないかのように、不安や焦燥しきった世界観が充満しています。しかし、そういった抑圧された空間を引き裂くかのような、テクニカルな演奏形態と各楽器陣のせめぎあい、それから変拍子やポリリズムをキメまくり変則的な音世界が好きなリスナーには、たまらないと思います。ひとことで言うならば、マニアックなリズムプレーが楽しめます。本当に、摩訶不思議な領域に足を踏み込んでいるという感想です。

いやー、コンスタントに良質のプログレ作品と演奏を提供しているロドラー兄弟には感銘を受けつづけております。彼らの場合は、プログレとプログレメタルの両方に精通しているせいか、どちらの要素を感じさせつつも不思議な空間と音世界を独自に構築させることに成功をしております。ただリズム面でマニアックなところや、日本人受けしそうになりメロディーなどが、リスナーの好悪を分けるかもしれないなーとも一方で思いました。また普通のインスト作品とは異なる世界観もあります。でも、彼らが持っている味わいが分かっていくと、段々とのめり込んでいけそうです。

気付いた点としては、プロダクションがややドライ目なので、湿り気を音楽に求めている人は注意が必要かもしれません。とにかく演奏面に関して言えば、彼らの作品の中では最もテクニカルな作品の一つではないかと思います。音の感触やアプローチの仕方は大分異なるものの、Fates Warning, Sieges Even, Zero Hour, Rush, Mind's Eye, Trivial Act, Heads Or Talesなどに見られるインストセクションの緻密さや、独特の空間の使い方、楽器陣のせめぎあいやインタープレーなどに興味を持っている人には楽しめそうです。または欧州のプログレ系統とは異なるアメリカのプログレバンド・・・もしくは、ヘヴィ指向で技巧的な面を強調したProg Rockが好きな皆さんにGoing Deaf For A Livingアルバムお薦めしたいです。Razor Wire Shrineという連中は、醒めた部分と熱い部分を両面上手く使い分けているのが特徴だと思いました。それにしても凄いテンションの高さをキープした、メキャニカルなプログレ作品です。(プロモ盤Review)

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