Relayer - The Teething Fasion
Angular Records
(1996)
これは、Angular Recordsからリリースしたアメリカ産Prog Rock系バンドのRelayerにとって通産2枚目のアルバム。バンドの名前からしてYesの影響を感じるリスナーの方もいらっしゃると思います。確かにYesからの影響は、とくにゆったり流れる楽曲などや緻密な楽曲構成で組み立てられた部分から、垣間見ることができるでしょう。全体を聴いた印象は、アメリカ産のシンフォニック・ロックという風情が漂っていますが、時にはアメリカン・プログレハード的な部分を出したり、ドイツの割とハード寄りなネオプログレ系を彷彿させるところもありました。1, 2, そして8曲目辺りは、かなり緻密で攻勢をかける演奏形態に驚かされました。Enchantの初期やSpock's Beard、Tenn Jinn、WMMS系のTea In The Saharaなどにも通じるアンサンブル形態をとっております。これらの楽曲は大変スリリングで楽しみました。残りの楽曲は、割とたおやかにナチュラルに流れるようなリラックスした曲調のものや、アコースティックを主体にしたソフト目のものが並んでいるという印象です。僕は1stと3rdはまだ聴いた事がありませんが、色んなことに挑戦しようという意欲が伺えます。ギターとキーボードが、なかなか面白いプレーをしてくれて心地よかったです。ボーカルは割とこういうスタイルにマッチした柔和で優しい歌い方が主体となっています。個人的には、もっと序盤に登場していたような目まぐるしく変化を遂げたり畳み掛ける楽曲がもっと聴きたいと思いました。しかし、ソフトな路線の楽曲も悪くなかったという印象ですね。90年代以降に出現したバンドで、色々と個性を出そうとがんばっているグループが幾つか見られる訳ですが、彼らもそういう仲間入りをしようと頑張っている様子をうかがうことができました。(購入盤Review)