REST IN PEACE
country: France
style/genre: Prog Metal, Melodic Power Metal, French Metal, etc.
website: http://emmgniot.club.fr/index.html
related bands/artists: Mathieu Jacob, Mathias Pegon, etc.
similar bands/artists: Dyslesia, Cymoryl, Wuthering Heights, Iron Maiden, Dream Theater, Angra, etc.
artist info: フレンチMetalサウンドを継承しつつ、海外のProg Metalサウンドの影響を吸収し独自のProg Metalを展開。



Rest In Peace - Stares on Reality
Black Cat Records
(2000)

現在はBrenus Recordsに移籍しているRest In Peaceにとってのファースト・アルバム。最近はVenturiaSpheric Universe Experience等といった具合にフランスでも活況を呈しつつあるプログレメタル系グループ勢ですが、元々フランスという国は、Dream Theaterなどを始めVanden Plasなどの実力派Prog Metalを暖かく迎えるお国柄のようです。このRest In Peaceは、90年代の中ごろにバンドを結成しています。現在も地元フランスではコンスタントに活動を行っているようです。やはり英語圏に属していないフランスのバンドというのは言葉のハンデも存在しているのか欧米で人気を集めるのに苦労をしている話をよく聞きます。どうしても注目を集めるのはインスト指向のグループやミュージシャンに注目が集まるケースの方が多いかもしれません。しかし、フランスという国はProgressive Rockを始め、Jazz Rockなどの個性的な強豪を輩出しているということから、決して他の欧米諸国に遅れをとっていたということでは無かった筈です。80年代に入ってからは、Hard Rock/Heavy Metalグループの多くが英語を武器に活動していたことから、母国語に誇りを持っているフランスのメタル系バンドは独自のスタンスを自分たちの国で形成しており、海外に向けて発信するグループの数は我が日本においては伝わることが多くなかったと思います。そういう事情もあってか、フランスにはメタルグループが存在しないかのような扱いをされたりと誤解も発生していたことが記憶に新しいです。実際は80年代・90年代と活動をしているグループも存在しており、その中には優れたグループやミュージシャンも多いということが最近は幾分か伝わるようになり欧米においても、AdagioPatrick Rondat, Cyril Achardなどの活躍が知られるようになりました。ここ日本においてもフランスに関しての誤った認識が大分払拭されてきたのだと思います。

さて前置きがとっても長くなりましたが(笑)、Rest In Peaceの話に戻りましょう。このグループは、フランスのメタルシーンで活動を長年行っていたことと、フランスでのProg Metalの人気の高さを象徴するタイプの音楽性だと思います。現在活躍している技巧的なProg MetalグループやHard Fusionグループと比べると、サウンド的には地味かもしれませんが中々頑張っているなーというのが最初の印象でした。80年代や90年代のメロディアス・ハードロックやメタルサウンドを素地にしながらも、インストやアンサンブルが活躍するパートも用意されているProg Metalサウンドと言えると思います。当然、Dream Theaterからの影響によるコンプレックスな路線も登場しますが、欧米のProg Metalグループや同郷のフランスのテクニカル指向のProg Metalグループと比べると演奏の技巧性は思ったほど、そこまでテクニカルを強調しているという訳では無いという印象を持ちました。タイトルにあるように「現実に目をそらさずに、注視をしてみよう」というスタンスのテーマで戦争やリアリティに根ざしたメッセージのものがあるというのは、フランス的といえばそうかもしれません。しかし、やはり大陸でつながっているせいか、欧州のグループに共通するエピック性のあるメロディアスでドラマ的な部分を含めたロングフォームの楽曲もあります。特に後半登場するロングフォームの楽曲は、AngraWuthering Heights辺りにも通じるエッセンスがあると思います。ただし、惜しいかな、彼等の場合はプロダクションや音つくりからか、湿り気というかウェットな部分への拘りは残念ながら余り見受けられませんでした。どちらかというとサウンドに関して言うとドライ目な所が強いです。

自主制作ということで、サウンド的にはインディーズ出身のグループとしての音作りということで、聞き手によっては、少し物足りなさを感じるはずです。プロダクションにおいて、奥行きがもう少し欲しいところという意見も出てくることでしょう。しかし、フランスのProg Metalシーンの黎明期に産声を上げたグループの一つということで、個人的にはアルバム自体の印象は悪くないと思いました。全体的にはよく頑張っていたと思いますし、サウンドメイキングやプロダクション面に関しては気にしすぎて困るというわけではありませんでした。しかしながら、昨今のAdagioCyril Achard, Headlineなどのようにフランス勢もクオリティが大変高いものや一線級が多くなってきたので、その辺りで気になる人はRest In Peaceの「Stares on Reality」アルバムにトライする場合は覚悟が必要かもしれません。イタリアの初期Prog MetalグループやフランスのBrenus系、ドイツのMusic Is Intelligence/WMMS系なども楽しめる人たちには、ピンと来るものがRest In Peaceの音楽から感じ取れると思います。特にこのグループは濃密なセクションやキーボードが活躍する部分では、楽しめる点も結構ありました。フランス出身のグループも頑張っているぞ!という意気込みが伝わるという意味で、完璧なサウンドではないかもしれませんが、熱意とやる気というものが印象として伝わってきました。そこら辺りを自分は買いたいと思いました。たまになぜか引っ張り出したいアルバムの一つです。(購入盤Review)

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