SAVATAGE
country: USA
style/genre: U.S. Power Metal, Prog Metal, Symphonic Metal, etc.
website: http://www.savatage.com/
related bands/artists: Jon Oliva's Pain, Dr. Butcher, Trans-Siberian Orchestra, Circle II Circle, Crimson Glory, etc.
similar bands/artists: Rough Silk, Queen, etc.
artist info: 80年代から活躍しているアメリカの重鎮Powerful Metalバンド。



Savatage - Streets: A Rock Opera
Atlantic Records
(1991)

おそらく大半のHR/HMリスナーにとっては、Savatageのベスト作品と捉えられているのではないでしょうか?。確かに、当時のSavatageのラインナップにとっては、今までの集大成となるロックオペラ的なコンセプトを貫いたHMアルバムに仕上がっていると思います。しかし、ある意味Savatageの作品の中では、Streetsは異色の部類に入るかもしれません。個人的には前作と同様、とても気に入っているアルバムです。彼ら独自のロックオペラの世界をメタル然とした音楽の中で確立させた功績は大きく、後続のメタルバンドへの影響度は大きいと思っています。ハード&ヘヴィーに攻勢をかけつつも、ピアノをフューチャーした楽曲では、リードボーカリストのJon Olivaならではの味わいも出ていると思います。序盤から流れを大事にした作品で、Savatageの代表作の一つだと私は、思っております。主人公の目を通してのストリートでの過酷なライフスタイルや紆余曲折から内面の葛藤などを描いているように思います。このアルバムの隠し味は、なんといってもElton John的なピアノの伴奏を前面に押し出した歌モノであったり、ブロードウェイなどに代表される舞台劇の要素だったりと個人的には、当時アルバムをゲットしたときは非常に斬新でハッさせられる部分が多かったですね。・・・序盤で「モーツァルトの魔笛」が一部挿入されており、聖歌隊の子供たちの合唱がふんだんに含まれていたり、教会音楽の聖歌や賛美歌的なメロディーが見事であったりと、・・・ふたを開けてみるとHR/HM的見地から見ると、異種な要素が次々と登場しているのですが、それぞれ見事に溶け込んでいる点が今でも斬新だと思う。しかし彼HR/HMの出自は決しておろそかにしておらず、Criss Olivaの研ぎ澄まされたギターソロが活躍し、バンドの演奏も非常にハード&ヘヴィーでダイナミックです。Jonのザラザラした歌声が主人公の荒廃した心情を上手く表現しているように思います。HR/HMのリスナーや、Savatageのファンには特にお薦めです。Prog Metalと並行してアメリカの正統派パワーメタル勢が好きな人にも楽しめるのではないでしょうか。アルバム全体に流れる、ロックミュージシャンやストリーツのライフを如実に表現した傑作である。ミュージカルの要素や、ピアノの響きを大切にしていることも個人的にはポイントが高い、異色の正統派メタル作品の一枚。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Savatage - Edge of Thorns
Atlantic Records
(1993)

Edge of Thornsは、Savatageが1993年にリリースした作品です。このアルバムは、Savatageの魅力と素晴らしさ を凝縮していると思います。Edge of Thorns以降、SAVATAGEはSymphonic Metal, Powerful HM, Dramatic性、 はてはProgressive Metal性なども融合した独自の世界観を深めていくような気がいたします。その第一歩というか土台がこのアルバムで築かれたという 印象があります。僕自身の中ではGutter Balletまでの正統派でややダーク な雰囲気を武器としたHMの流れと、Strees: A Rock Operaで確立した自分達のコンセプトに基づくドラマ性の両方を美しくドッキングさせたのがEdge of Thornsではなかろうか?と思うのです。このアルバムは、もちろん楽曲それぞれが単体で独立しています。特に何かのコンセプトに基づいて継続しているという訳ではないようです。

上で訳のわからないことを書いておりますが(笑)、要は曲のメリハリがあって緩急を大事にしたパワフルなところがメタルファンんいは心地いいでしょう。さらに威風堂々とした曲調と、ドラマティックで気高い音楽性こそがSavatageの強みです。このアルバムが、メインギターリスト のChris Olivaが参加した最後の作品となったのはご存知の通りです。非常に素晴らしい世界観を確立していることに貢献しています。

前作のGutter BalletStreets: A Rock Operaの流れを汲みつつも、気高いその内容は文句のつけようがない。気品が高く、エレガントでパワーも満点の正統派アメリカンPOWERFUL HMであります。もちろん正統派HEAVY METAL系リスナーだけでなく、一部のProg Metalファンにもアピールする内容と思います。ストップ&ゴーを繰り返すリフが交錯しながら、躍動感とスピード感を前面に出しています。Skraggy's Tomb, Conversation Pieceなどの楽曲が魅力的です。Jon Olivaが得意とする ピアノやキーボード/オーケストレーションを施したインスト小曲は注目です。例えばAll That I Bleedは、名曲Gutter Ballet, The Crowds Are Goneなどにも通じる美しさと、内から出てくる強さを感じます。

他にもLight OutMiles Awayなどのようにキャッチーでフックもたっぷりある曲もあります。そこら辺りは、Streetsの内容を受け継ぐだけでなく発展させています。アルバム最後に収録されているSleepは、Savatageにしては珍しくメローでアコースティックな曲となっています。この辺りのナンバーは、彼らの新しい側面を見せています。なかなか最初から最後まで、良い曲&聞かせる曲が多いと思う。1993年に出た当時からこのアルバムは気に入っているが、久しぶりに何回か聞き込んだこのアルバムは、充実した正統派アメリカン・パワーメタルの良心的存在として、これからも愛聴盤として大事にしていきたい。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Savatage - Dead Winter Dead
Atlantic/WEA
(1995)

ロック・オペラの形式を見事に自分達の中で確立したSavatageにとって通産9枚目となるアルバム。1991年にリリースしたStreets: A Rope Opera以来、久しぶりとなるコンセプト・アルバムです。90年代のボスニアの首都サラエボで起こった紛争をヒントにしています。様々な人間ドラマをライナーノーツや歌詞から読み取ることができます。旧ユーゴスラビアの時代から悲惨な戦争期を含めて、ジャケットに登場する「ガーゴイル」が歴史を見つめてきたというアプローチになっています。音楽も含めてズッシリと重たい内容になっているので、前半は特にスローからミッドテンポの楽曲が並んでいます。戦争や紛争の混乱期を通ってきた人間の悲哀が、メタリックからハードな音像の中で表現されています。中盤までは、かなり抑圧されたようなムードが中心になっているように感じました。そのためか、正直私にとっては、Dead Winter Deadの音楽に慣れるまで随分時間がかかりました。何度か挑戦していくうちに、段々楽しめるようになってきました。Streetsで確立した分かりやすさと、キャッチーさが含まれており耳を充分惹きます。次第にアップテンポなものや、ドラマティックな楽曲を中心に聴き応えが増してくるというのが正直なところです。

気になるメンバー構成は、前作と比べると若干の変化が見られます。今回からAlice Cooper Bandなどで活躍していたAl Pitrelliが、リードギターリストとして迎えられています。新しく参加したPitrelliのギターソロは、同じメンバーのChris Cafferyと共に派手に暴れています。前任者だったChris OlivaAlex Skolnickも名手でしたが、Pitrelliも技巧派としての面目を保っています。またSavatageのメンバーとして重要だったドラマーのSteve Wacholzの名前が消えて、後任者としてJeff Platteが参加しています。キーボードによるオーケストレーションもよく考えられています。部分的に弦楽器も使用されているように見受けることができます。これまでになくシンフォニック的な要素が増したパワーメタルという魅力を含んでいます。私の印象ですと、後半になればなるほど、速いテンポでグイグイと引っ張っていくナンバーが増えています。またモーツァルトやベートーベンなどに代表されるクラシック音楽のメロディーもアクセントとして使われています。この辺りのアクセントの付け方、そしてピアノの入れ方が非常に上手い。違和感なく溶け込ませています。終盤の高揚感は、ある意味Queenにも通じるかのようでもあります。この作品は、Streetsとの共通点も見出せるでしょう。同時にシンフォニック・メタル的な側面が前面に出ていると言えるかもしれません。リード・ボーカリストのZachary Stevensが歌うメロディーは、分かりやすく抑揚もしっかりとしています。ストーリー・テラーとしての存在感は抜群です。エモーショナルに歌い上げるところはファンは大満足でしょう。一時期、バンドから離れたスタンスを取っていたJon Olivaも復活しています。戦争屋というか悪役サイドの立場で歌い、Zacharyとは違ったキャラクターを見事に演じています。

前半がシンプルでドッシリとした内容が目立っています。聴き始めは少し地味というか、似たような雰囲気が続くと感じるかもしれません。中盤や後半から起伏や変化が見られますし、彼らならではの特徴はちゃんと掴んでいると思います。80年代から応援しているファンにとっては、ヘヴィーメタルのエッジが少なく、キャッチーになりすぎたという不満の声があるかも。ですが、バンドのラインナップも以前とは違う訳ですし、こういったドラマティックな手法は高く評価されています。コンセプトとしても一本筋が通っているということで、完成度は高いです。サウンドやプロダクションに関して言えば、今までの作品の中でもSavatageの中でベストの部類に入ると思います。一発で嵌れるという人もいらっしゃれば、私みたいに世界観に嵌るまでに時間がかかるリスナーもいらっしゃるかもしれません。楽曲は単体で取り出すと、割とストレートな曲調が多く、冗長になっていません。即効性は強いと思いますので、HR/HM系リスナーを中心にかなりアピールすることでしょう。彼らの場合は、楽曲によっては凝ったリズムパターンや変則的なビートも時々登場します。その辺りを期待しているリスナーも楽しめるように思います。個人的な好みとしては、Savatageと言えばStreetsEdge of Thornsの2枚に軍配を上げたくなります。ファンの間でもDead Winter Deadがなぜ高い人気を誇るのかが、良く理解できるようになってきました。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

discography:


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