SPASTIC INK
country: USA
style/genre: Technical Instrumental, Tech Metal, Guitar-driven hyper rock, Prog Metal
website: http://www.spasticink.com/
related bands/artists: Watchtower, Blotted Science, Ron Jarzombek, Bob Jarzombek, Pete Perez, etc.
similar bands/artists: Watchtower, Spiral Architect, Canvas Solaris, Sore Plexus, Qwestion, etc.
artist info: Watchtowerで活躍していたRon Jarzombekによる数学的アプローチなテクニカルロック・プロジェクト。



Spastic Ink - Ink Complete
Dream Circle/Mr.Kitty
(1997/2002)

長らく入手が困難だったInk Completeがついに2002年に再リリースされました。テクニカルメタル系の雄としてファン層にはいまだに熱く支持されているWatchtowerの中心人物Ron Jarzombekが、兄弟のBob JarzombekとベーシストのPete Perezの3人で結成したテクニカル指向のインスト・トリオ。インタヴューで以前ロン自身が語っていた通り、Watchtowerと比べると展開されている音楽は割とユーモラスでウィットに富んだ内容です。Watchtower本体に収録されていてもおかしくない数学的で難解極まりないテクニカル・インストチューンなど幅広く色んなのが入っていて楽しめます。Watchtower本体は、どちらかというとシリアスでストイックな音世界が展開されているのに対して、このInk Completeでは兄弟や気の知れた仲間と楽しくやって、高度なレベルで遊んでいるという感じです。変な印象を与えるかもしれないが、妙に明るく楽しい・・・しかもこれだけ、弾きまくっているのに何故か何回聴いても楽しめちゃう・・・言い換えれば、ありがちな展開なんて一切なくて耳に心地良い。Watchtowerのビデオをみたことがある人は分かると思うが、「普通こういうタイプの難解なインスト系ロックというのはライブでは動きがなくて突っ立ってつまらないんだろうなー」と想像する方が多いと思うが・・・彼等の場合は全く違うのです。テクニカルな演奏をかましながら、走り周って動きまくって忙しいこと極まりないのです。そういう連中のプロジェクトだから、おそらくSpastic Inkがライブをやるときは、満面に笑みをたたえながら楽しくビシバシと演奏しているのではなかろうか?・・・と想像するとこの人たちの化け物ぶりはWatchtower同様かもしれない。しかし客観的にこのバンドの音楽は、どう考えてもとっつきにくいです。ありきたりの音楽よりも「曲者で変態な」音楽を聞きたい人にはお薦めしたい作品です。ジャズやフュージョン、テクニカルな音楽を通ってきたメタル音楽でも、こういう面白い展開や演奏をしてくれるメタルミュージシャンが、ほらここにいますよ!というお手本というか標本として、Spastic Inkと本体のWatchtowerは貴重な存在であります。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Spastic Ink - Ink Compatible
Avalon Marquee/EclecticElectric
(2004)

2004年にSpastic Inkがリリースした2ndアルバム「Ink Compatible」です。ご存知のようにWatchtowerのギターリストRon Jarzombekを中心としたグループであります。1stアルバムに通じるようなテクニカルでプログレッシヴなメタルが展開されています。この独特のグルーヴ感とリズム展開は、WatchtowerなどのテクニカルサイドのMetalが好きな人にはたまらないでしょう。テンションの高い演奏形態、不思議なオーラやムード作りといった部分も含めて彼等ならではと言ったところでしょう。この手のテクニカル系音楽はシリアスになりがちですが、人をおちょくったユニークな部分が含まれているのはWatchtowerとは少し違う側面を持っています。意外なゲストとしては、Jens JohanssonPain of SalvationDaniel GildenlowMarty Friedman等が参加しています。Ron人脈に近い人達で見渡してみると、WatchtowerでボーカリストだったJason McMaster(vo)、Pete Perez(bass)、Bobby Jarzombek(dr)、CynicGordian Knotで名高いSean Malone(bass)などの強力な布陣がヘルプしています。ある人は「気持ち悪いぐらいの変態Prog Metalですね(笑)」と仰るリスナーの方もおられました。細部まで彼等の音楽に耳を傾けてみると、確かに尋常でなく緻密で凄まじい音楽が展開しているのは確かです。この手の音楽を普段から聴いてない人にとっては、「気持ち悪い変則的リズムの組み合わせ」が病的に展開されていると感じるかもしれません。しかし、彼等の場合は何回もリピートで聴きたくなるほどの心地よさを感じています。Ron Jarzombek自身が参加しているプロジェクトが今後も新しい作品を出す予定らしいので、テクニカル系メタルが好きなリスナーは注目です。(購入盤Review)
ちなみに本家のWatchtowerは、2010年にシングル盤「The Size of Matter」をリリースしております。


PILGRIM WORLD推薦盤

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