SUPERIOR
country: Germany
style/genre: Prog Metal
website: http://www.meet-superior.de/
related bands/artists: Bernhard Leist, etc.
similar bands/artists: Sanvoisen, House of Spirits, Avalon, Vanden Plas, Queensryche, etc.
artist info: 90年代からコンスタントに活動を展開している、ドイツ出身のメロディアスProg Metalバンド。



Superior - Behind
Noise Records
(1995)

今だからいえるのですが、僕にとってはSuperiorというのは、実は最初の頃は「とっつきにくい」Prog Metalバンドの一つでした。しかしながら、最終的にはこのバンドのサウンドの虜になりました。Prog Metal系のバンドの中では、位置付けが微妙につけがたいような気がしました。確かにDream Theater系としてカテゴライズされているはずですが、彼らが見ている地表は全然違うはずです。Dream Theaterなどに代表されるグループに見られるようなトリッキーで凄まじくテクニカルなものを前面的に推し進めるという気配は感じられません。好きになると、クセになってやめられないドラッグ的な要素をふんだんに盛り込んでいます。繰り返しになりますが、僕が初めて聞いたときはあまりピンと来ないかんじでした。Whyなどに顕著なようにピアノやキーボードのパートと歌のフレージングを中心に聞き出していくうちに、のめり込むキッカケを掴む事ができました。似てはいるがDream Theaterクローン(うーん正直いってこの言葉でカテゴライズするのは、あまり好きではない・・・←っていうか嫌い・・・笑)では片付けられない個性というものがある。とっつきにくかった理由の一つは、どことなくギターサウンドの作り具合にありました。クランチー度が、ちょっと物足りないかな?という印象でした。しかし、そういった、とっつきにくい要素も余り気にならなくなりました。ダーク寄りではあるが、楽曲作りと独特の世界観は大変面白い。やはり素晴らしいバンドであるという個人的な結論に到達できました。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Superior - Younique
Noise Records
(1998)

KaiserslauternやRhineland方面を拠点に活動している、ドイツ出身の中堅Prog Metalグループ:Superiorによる2枚目のアルバムです。このアルバムは前作とは趣きがかなり異なり、よりモダンでコンテンポラリーな要素をProg Metalサウンドに導入した意欲的な作品です。近代的なサウンドが前面に出ておりますが、その融合の仕方は大変センスがあり、アルバムタイトルにもあるようにユニークな存在感を醸し出しています。1stの路線にどっぷり嵌まっていたリスナー層からは、当初このアルバムにたいして批判的な意見が続出していたのが記憶に新しいところであります。しかし、このアルバムは聴けば聴くほど味わいが増してくるので、個人的にはスルメイカをガジガジ噛んで、旨みが出る効果に非常に似ているなーと思います(笑)。サウンドプロダクションも以前よりも、むしろ向上している印象ですし、ギターの音も前作少し不安に思った要素は完全に無くなっています。この作品で特に面白いのは、現時点においてキーボードの音使いが非常にバラエティに富んでおりまして、シンセリードだけでなくオルガン風の音も含めて豊かな色彩感覚が施されています。モダンなエッセンスと正統的なProg Metalサウンドを違和感なく同居させ、Michael Tangermannによる説得力のあるリードボーカルによって、作品全体がとても引き締まって楽しいものになっています。躍動感のあるアンサンブル、アグレッシブで緻密なギターリフ、近未来感覚のシンセサウンドなどなど、パーツごとに見ても新しい試みに挑戦しようとする意欲がひしひしとかんじられることでしょう。僕はYouniqueのアルバム、とても気に入っておりますよ。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Superior - Ultima Ratio
NTS/Wagrum
(2002)

ドイツの中堅Prog Metalバンド、Superiorによる通産3枚目のコンセプトアルバム。2枚目のYouniqueで見られたモダンな要素を、最小限にとどめ、1stアルバムのサウンドをアップデートさせたような印象。QueensrycheOperation: Mindcrimeに通じるような、シリアスなサスペンス・ストーリーが展開されている。バンドのパワフルでダイナミックな演奏だけでなく、ダイアログやサウンド・エフェクトを効果的に使い、アルバムのストーリーラインを盛り上げることに貢献している。歌詞にあるストーリーラインを読み進めながら、音楽を楽しんでもらいたい作品。貫かれているテーマは、Ultima Ratioという危険な思想・宗教団体とそれに関わるキャラクター達の生い立ちや盛衰を題材に、現代世界に潜む「狂気」と「陰謀」に焦点を合わせているように思う。非常にディープな内容になっているので、もし話の核心やディーテールに興味を持っている方は、http://www.ultimaratio2002.de/をご覧下さい。アルバム全体の世界観を含めたトータルの作品内容としては、Superiorがこれまでに作ったアルバムの中ではベストの部類に入るのではないでしょうか。ただし、演奏面などを中心に楽曲を楽しみたいリスナーは、1stの方を好む傾向があるようです。2ndアルバムとは違う方向性で、少し1stのBehindに返り咲いたようなところもあるけどより現代的なサウンドに仕上がってます。演奏は比較的オーソドックスなProg Metalで、クランチーなギターとオーケストレーションが施されたキーボードのサウンドが支配する中、Michael Tangermannの歌によってストーリーがシリアスに進行していく。はっきりいって、このアルバムは1回聴いただけで全て把握できないように思う。音的に辿るだけでは、あまり楽しめないかもしれない。演奏は、流石に丁寧にまとめているが派手なテクニカルプレーを期待しすぎてしまうと本質を失う作品でありましょう。ハードなパートからソフトなパートに至るまで、非常に上手く計算して作られている。前述したように、QueensrycheのOperation: MindcrimeやFates WarningA Pleasant Shade of GreyPink FloydThe WallThe WhoTommy等のコンセプト作品と同様に演奏面だけでなく、歌詞に潜むテーマやディーテールを自分の中で関連させつつ、噛み締めながら味わって欲しい作品だと思う。・・・・現在のところ、彼らはニューアルバム「New World Order」と2枚組のライブアルバムUltima Liveを2005年にリリース予定だ。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤


Superior - Ultra Live
Q-Phonic
(2004)

世界中のSuperiorファンに捧げる、初のライブアルバム。お得な2枚組となっており、計20曲収録されています。選曲は、主にUltima RatioBehindからのものが多いが、勿論2ndのYouniqueのものまでを含んで、幅広い。こうやってライブアルバムで通して、聞いてみると彼らの楽曲はどれも極上の構成と出来上がりである。おそらくフランスはパリの公演が中心のように思うが、それ以外の欧州各地での公演も収録した内容となっている。観衆もノリノリで、特にParis公演のオープニングが非常にかっこいい。TVドラマ「白い巨塔」ファンには、お馴染みになっているワーグナーの「タンホイザー」で荘厳にイントロが流れた後で、リードシンガーMichael Tangermannによるフランス語を交えたMCや煽りが、非常にカッコイイ!!(オープニングに突入する前の、Michaelによるカウントダウンみたいなフレンチな煽りは、鳥肌が立つほどの印象)。バンドの演奏も、アルバム以上に勢いがあるように感じる。Behindで繰り広げられていた、あのコンプレックスなアンサンブルも炸裂している。しかし、やはりSuperiorの要は、Michael Tangermannのエモーショナル且つテンションの高い歌唱力であろう。独特の力強い歌声とトーンは、ライブでも大きな力を発揮している。初期から培っているダークでミステリアスな音世界は、ライブでも大変充実しているように思う。このライブアルバムは、バランスがとれた選曲になっているので、Superiorの入門編としても入りやすいかもしれない。次のニューアルバム「New World Order」がリリースされるのが楽しみでならない。(購入盤Review)

PILGRIM WORLD推薦盤

discography:


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