SCALE THE SUMMIT
country: United States
style/genre: Prog Metal, Complex/Technical Metal, etc.
website: http://www.myspace.com/scalethesummit
related bands/artists: Chris Letchford, Travis LeVrier, etc.
similar bands/artists: Zero Hour, Manitou, Fates Warning, Trivial Act, Saggitarius, Cynic, etc.
artist info: テクニカルでコンプレックスなアンサンブルが主体の若手Prog Metalグループ。



Scale The Summit - Monument
Independent Release
(2007)

Spastic InkSpiral Architect等の活躍によるものか、ここ数年はギターを中心にしたキーボードレスのProg Metalサウンドを得意としたシーンが再び形成されつつあるようです。今回紹介するアメリカ出身のScale The Summitは、なかなかに有望株として期待をしたくなるコンプレックス指向のProg Metalバンドという位置づけをしています。バンド自体は、2004年の暮れから2005年にかけてアメリカの西海岸で結成されていきます。ボーカルや専任のキーボーディストが存在しない4人組のインストMetal路線であります。序盤のShaping The Cloudsや2曲目のWolvesなどからは、Fates Warning, Zero HourCynic辺りから触発されたであろうアップテンポ且つ疾走感のあるコンプレックスなメタル演奏が展開されていて痛快です。自主制作でありながらも、プロダクションは良好であり、極力ヘヴィーになりすぎない音作りであります。コンプレックス路線のProg MetalやTechnical Metalタイプの音楽が好きな人には、聴いていて気持ちがいいと思います。やたらめったら派手なソロを弾いて、先走るというよりは、テクニカルなパッセージを織り込みながらリズムや変拍子のグルーヴを大事にした感じです。WatchtowerSpiral Architect等のようなスーパー超絶技巧の領域を狙っている訳ではないです。コンプレックスな路線はキープしつつも、むしろ楽曲や演奏のストラクチャーは割りと分かり易い作りであります。懲ったインスト内容を見せつつも、メロディアスな側面も大事にしているということでむしろ北欧のギターオリエンテッドなTrivial ActManitou等のProg Metalサウンドに通じるところもあります。畳み掛けていくパートでは重厚ですが、クリーンでソフトに落ち着くところでは若干奥行きのあるサウンドが欲しいなーと思いましたが、1stアルバムとしては大変バランスの取れた仕上がりになっていると思います。前半の勢いとテンションは大変素晴らしいのですが、後半はプロダクションのためかテンションが少し落ち着きすぎる場面もありました。この辺りは今後の課題ということにして精進していけば、さらにスケールのあるコンプレックスなProg Metalサウンドを形成していけるでしょう。どうやらライブ活動も本格化しているようで、最近の主戦場であるテキサス州でのMad Festでもパフォーマンスは好評だったようです。先輩のコンプレックス・テクニカル勢のメタルグループの影響を自分たちで消化しつつも、シャープで分かり易いキーボードレスのProg Metalを得意としており、今後の成長が大変楽しみな存在となりそうです。(プロモ盤Review)

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